今や「禅」という言葉は、日本よりも海外で有名なものとなり、さまざまな場面で
「ZEN」という言葉が使われたりもしますが、その意味合いというのは意外と知られていないのではないでしょうか?
日本では「禅」というと、
「禅宗」もしくは「坐禅」を意味することが多いのですが、
海外では仏教から離れたレベルでの「瞑想法」「文化」として捉えるパターンもあります。
日本人は「禅=坐禅」というイメージがあります。
実際に坐禅という手法は古代仏教から伝わってきたものであり、重要で奥が深いものなのです。
しかしながら、
「ティク・ナット・ハン師」の教える
「歩く瞑想~Walking Meditation~」のように、
一般的にイメージされるものとは、
違った種類の禅もあります。
こちらの歩く瞑想は、「歩行禅」などと呼ばれています。
他にも臨済宗の僧侶であった「白陰禅師」が伝えたという、
「仰臥禅」もしくは「寝禅」というものもあります。
彼は臨済宗中興の祖といわれているほど、偉大な僧侶であり、「禅病」を治すための手法をいくつも考案し、仰臥禅もそのうちのひとつとされています。
さらに、他の手法と結びついたようなものもあります。
気功法と結びついた「一指禅功」は、
禅という文字が入っているものの、完全に気功法であり、瞑想法というよりも呼吸法と身体操作によって、気を産み出し健康をもたらすものとなっています。
さらに、より西洋的な要素を秘めたものとなると、
「MBSR(Mindfulness-Based Stress Reduction)」のひとつである
「ボディスキャン」も、禅の影響が強いといわれています。
こちらは日本語になおすと、
「マインドフルネスストレス解消法」というものであり、
禅やヨガをベースにした5つの瞑想法から構築された手法であり、ボディスキャンはそのひとつとなります。
こちらは「カラダのさまざまな部分に、順番に意識を集中させる手法」
なのだそうです。
ここまでは、まだ瞑想などの共通点もありますが、最近登場して人気となっている
「ゼンタングル」までいくと、すでに「禅」という言葉を使っているだけという感じもあります。
こちらは、「Zen(禅)+Tangle(絡まる)」の造語であり、簡単にいうと、ペンを使って自由に幾何学模様などを描いていくという手法のことです。
絵に自信がない人でも、幾何学模様のパターンなどが下書きとして用意されていますので、それを最初はなぞっていき、徐々に自らの内側から幾何学模様を引き出していくことで、無心になり癒されるのだそうです。
ですので、ここでの禅はほぼ「無心」とイコールといえるでしょう。
このように、本当にさまざまな形の禅がありますが、どれもが自らの体と向き合い、心身を統一していくという意味では共通しているのかもしれません。
最後に、体の弱い人でもできる禅である「仰臥禅(ぎょうがぜん)」のやり方を簡単に紹介したいと思います。
・まず最初に場所を確保しましょう。ゆったりと仰向けで寝られる場所ならばどこでもOK。
体を締め付けないような楽な服装にしましょう。布団や毛布、ブランケットなどをかけてもOKです。
・準備ができたら、仰向けで寝て、体をリラックスさせます。足は軽く開いて、手は自然と両脇に足らすか、お臍の上に載せるようにしてください。
・目は閉じずに、真上ではなく斜め45度ぐらいを意識して、半眼にしましょう。
・ゆっくりと息を吐いて、それとともに体中の力を抜いたら、腹式呼吸をはじめます。下腹部がしっかりと膨らむように意識しながら、ゆっくりと呼吸を繰り返します。このとき、呼吸にあわせて数を数えていきます。
・数を数えていくのですが、数えるのに集中しすぎないでください。これは雑念が起きないために数えているだけですので、多少数がずれたりしても問題ありません。1から10までを、何度も繰り返すだけでもOKです。
・仰臥禅は30分ほど行うものとされていますが、べつに時間にとらわれる必要はありません。眠くなったらそのまま眠ってもOKですし、充分にリラックスできたと思ったら切り上げてしまってもかまいません。
非常にシンプルな方法ですが、
瞑想法的な効果だけでなく、
呼吸によって精神的な安定をもたらし、
自律神経を整える効果もあるといわれていますので、
是非試してみて下さい。
Introducing a variety of Zen types.
Zen of how that can be done flat on back.
Zen is mind and body integration.