【伝説上の動物=神獣を表した言葉「四神(ししん)」】
「四神(ししん)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「青龍」「玄武」「白虎」「朱雀」という伝説上の動物=神獣を表した言葉です。
これらの神獣への信仰は非常に古いものであり、紀元前から存在していたといわれていますが、現代でも「四神相応の地」という言葉は比較的有名なのではないでしょうか?
これは前方には海や湖、左右には山脈や川、街道、背後には大きな山が配置された土地のことであり、この場所に家を建てると縁起が良い、すなわち住みやすいとされています。
一般的には、都を建てるための基準だといわれることも多いのですが、最近の研究によれば、
特に四神相応を意識して都を建設したわけではなく、
住みやすい平地を選ぶと必然的に、四神相応の地になってしまったという説が有力となっています。
とはいうものの、この四神という概念は中国から伝わってから、
日本でも広く浸透しています。
奈良県にある「高松塚古墳(たかまつづかこふん)」のもっとも重要な場所である、死者の魂が眠る石室の壁には、日本最古といわれる四神が描かれています。
こちらは死者の魂が悪いものに犯されないための守護であり防御である、
と考えられていますが、四神を東西南北に配置するという手法は、高松塚古墳のようにストレートに神獣を描くだけでなく、赤青白黒といった色で象徴的に表現されたりもします。
たとえば、大相撲が行われる土俵の頭上には赤、白、青、黒の房がつるされていますが、
これは本来 四隅の柱につけられていた布だったものであり、
土俵を守護するための四神を表しているのです。
このように、現代まで守護の神獣として伝わっている四神ですが、
四神相応の話が有名なせいか、実は天にも四神があり、
それこそが東西南北を司る神獣の原型であることは以外と知られていません。
【天と地を守る強力な守護】
星座といえば、黄道十二宮をはじめとした西洋のものがポピュラーになっていますが、中国の星座である「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」というものも存在しています。
こちらは、天の赤道を28のエリアにわけられたもので、
その星座をさらに東西南北にわけ、方角ごとの7つの星座を結ぶことで、
東には青龍、北には玄武、西には白虎、南には朱雀という四神の姿が現れるのです。
前述した高松塚古墳には、四方に描かれた四神だけでなく、天井にはこの星座をつなげた四神もしっかりと描かれています。
つまりは、四神を用いた守護というのは、天と地の両方を守ってくれる、とても強力なものだということになります。
こうした知識を踏まえた上で、平安時代の陰陽師もつかっていたといわれる手法をアレンジした、天と地の四神をつかったネガティブなものから身を守り、心を落ち着かせる方法を紹介したいと思います。
まずは、東西南北を確認します。今ならばスマホのアプリを使えば簡単に方角を知ることができるでしょう。
方角を確認したならば、南を向きます。何度か深呼吸を繰り返してから、目をつぶります。
正面上の空に赤い7つの星が輝くところをイメージしましょう。可能ならば7つの星が結ばれて鳥のような姿をつくるところまでイメージします。
次に自分の後ろの空に黒、もしくは濃い紫色に7つの星が輝くところをイメージします。こちらも7つが結ばれると亀のような姿になります。
左側の空には、青い7つの星が輝き、それらを結ぶと龍のような姿になります。
右側の空には、白い7つの星、輝くそれらを結ぶと虎のような姿があらわれます。
これで天の四神が現れましたので、次に地の四神を表します。
正面の地面から赤い光が立ち上るところをイメージします。可能ならばその光の中に炎に燃える鳥をイメージしましょう。
次に、自分の後ろに黒、もしくは濃い紫色の光が立ち上り、その中に蛇がからまった黒い亀をイメージします。
左側には青い光と、その中に青い龍が天へと昇る姿をイメージしましょう。
右側には白い光と、その中で吠える白い虎をイメージします。
これで地の四神が現れました。
最後に天の星が輝きを増して、赤い星は地面から天へと伸びる赤い光へと降り注ぎ、黒い星は黒い光へ、青い星は青い光、白い星は白い星へと降り注いでいきます。
イメージが得意な方は、星座で描かれた四神と、より具体的な四神が融合する姿をイメージしてみてもいいでしょう。
これで、天と地の四神が繋がり、あなたの周囲をしっかりと包んでくれましたので、古来から伝わる守護のパワーによって、ネガティブなエネルギーを寄せ付けないようにしてくれるだけでなく、とても安心できる空間が創造されました。
星座や色、さらには四神の姿をイメージするのは最初のうちは難しいかもしれませんが、しっかりとイメージすることができれば、古来から伝わるとても強力な守護の方法となります。
また、この方法で創られた場は、リラクゼーションできる場所でもありますので、ネガティブなエネルギーから身を守るだけでなく、心を落ち着かせたい時などにも活用することができますので、是非、練習をして身につけて見て下さい。