『男尊女卑の思想』から『女性への解放が進む宗教』へ。より高いレベルへの融合

女性はあまり重要視されてこなかった「男尊女卑な思想」の強い、世界三大宗教といわれる「キリスト教」「イスラム教」「仏教」。スピリチュアルな世界は、比較的女性が活躍しています。これから宗教でも女性が活躍するようになっていくことで、双方が融合し、より高いレベルの「なにか」が、女性ならではの感性で産み出されていくかもしれません。

世界三大宗教といわれる「キリスト教」「イスラム教」「仏教」は、誤解を恐れずにいえば、どれもが「男尊女卑な思想」をもっているといえます。
キリスト教とイスラム教は「父」なる神を崇拝していますし、仏教の最高位である「如来」はほとんどが男性の姿をしています。

キリスト教には「聖母マリア」がいるのでは? と思うかも知れませんが、『新約聖書』のどこをさがしても、イエス・キリストが母であるマリアを信仰するそぶりはありません。
むしろ、どちらかというと冷たくあたっている感じすらあるのです。

こういった背景から、これらの宗教では女性はあまり重要視されてきませんでした。
仏教は初期のころは、性別を問わずに悟りを得られる、つまりは「仏になれる」としていたのですが、時代がたつにつれて、女性は仏になることはできずに、仏になるためには男性に生まれ変わるしかないという「変成男子」といった概念が生まれてしまいます。

また、「生理中の女性は穢れた存在」だという発想は世界中にあります。
現代ではあまりおおっぴらにいわれることはありませんが、「血によって聖域を穢す」という思想をもっている人たちはまだまだ多くいるのです。

そんな状況にありながらも、ようやく最近では女性にも宗教が門戸を開くようになってきています。
仏教系の宗教の中で、もっとも女性の率が高いのは「修験道」だといわれています。

もともと、本格的に出家しなくても、在家のままで修行を行えることや、パワースポットブームや、山歩きブームなどともちょうど合致したということもありますが、そういったブームがくる遙か前から、女性に門戸を開いていました。

「出羽三山」といえば、修験道の聖地のひとつですが、もともとは女人禁制だったものが23年前からは女性の参加がOKとなっています。
さらに、最近では参拝者の割合が女性の方が増えてきたこともあり、本格的な修行まで受けられるようになっているのです。

そこまで本格的なものはちょっと・・・・・・という人のために、2泊3日で山伏修行を体験し、その後お伊勢参りにいくというツアーもあります。こちらは、40名の女性が参加し、みな白装束に身を包み、「山伏ジェット」と銘打たれた飛行機にのってツアーに出発したのだそうです。

もちろん、すでに僧職として働いている女性たちも、活躍の場を広げているようです。
今年の5月には、日蓮宗の総本山である「身延山久遠寺」において、女性僧侶だけによる法要が行われました。
これは、はじめての試みであり、それだけ女性たちの力が増してきている証拠といえるでしょう。

古代の宗教は、女性が優位とされていました。
にもかかわらず、時代がたつにつれて、男尊女卑の思想が強くなるとともに、宗教の世界までもが男性優位へと傾いてしまったわけです。

スピリチュアルな世界は、比較的女性が活躍していますが、これから宗教でも女性が活躍するようになっていくことで、双方が融合し、より高いレベルの「なにか」が、女性ならではの感性で産み出されていくかもしれません。

Religious opens the door to women.
Sensibility of women is the future of spiritual and religious.