半年分の罪穢れを祓い浄めよう!

人間が生活していると、知らず知らずのうちに罪や過ちを犯してしまいます。これは、どんな清廉潔白な人でも、完全に逃れるのは無理であり、万が一、罪を犯さなかったとしても、さまざまな穢れから逃れることは不可能です。

6月30日は「大祓」。
「1300年以上前から行われている」由緒正しい神事です。
西暦701年に、宮中における正式な行事となったこの大祓は、水無月と師走の「晦日」に行われるとされていました。

晦日というのは、簡単にいってしまうと「月末」のこと。
師走の晦日というのは、12月31日すなわち「大晦日」のことであり、こちらは今でも1年の締めくくりとして重要な位置をしめています。

その一方で、現在の暦では水無月の晦日、6月30日については、あまり重要視されていません。
しかしながら、6月30日を「夏越の祓え」、12月31日を「年越の祓え」といっていたことからもわかるように、かつては非常に重要なものだったのです。

なぜこの日が重要なのかというと、人間が生活していると、知らず知らずのうちに罪や過ちを犯してしまいます。

これは、どんな清廉潔白な人でも、完全に逃れるのは無理であり、万が一、罪を犯さなかったとしても、さまざまな穢れから逃れることは不可能です。

そういった、自らにこびりついてしまったさまざまな穢れを、1年の半分が過ぎた時点でひとまず「すべてクリアーにしてしまおう」というのが、「夏越の祓え」というわけです。

昔の人は、現代人よりも遙かに穢れを気にしていましたので、こうやって節目節目でしっかりと穢れを祓っていたのですが、このときに使われていた「祝詞」が、現在でも神道の儀式では一般的に使われる「大祓詞」。

この祝詞は、罪穢れを祓うためのものであり、清浄を尊ぶ神道の儀式では、一般的に使われるものですが、現在残っているものは、6月用のものであり、12月の大祓詞はすでに失伝してしまったという説もあります。

同じ祓えの時期でも、大晦日は、他にもさまざまな行事があり、お寺でも煩悩を祓うために除夜の鐘をついたりするために、純粋な祓いの行事は、6月だけが残ったということなのかもしれません。

国家的には休日にもならずに、重要視されない6月30日ですが、全国各地の神社では、今でもしっかりと「夏越の祓え」が行われています。
大祓詞を奏上して貰うことができるのはもちろんですが、この時期だけの特徴としては「茅の輪くぐり」ができるというものもあります。

「茅」という草で作られた茅の輪をくぐることで、邪気を祓い無病息災を願うのですが、このような儀式が始まった由来は「素戔嗚尊」の時代まで遡るといわれています。
あるとき、旅をしている素戔嗚尊が一夜の宿を求めたところ、「蘇民将来」という人が貧しいながらも喜んで泊めてくれて、大きく歓待してくれました。

その御礼として、素戔嗚尊が、悪い病気がはやったときには、腰に茅で作った輪をつけておけば病気にならないということを教えました。
実際にその後で、疫病がはやったときに、いわれた通りに実践した蘇民将来とその家族は難を逃れたのだそうです。

つまり、本来は茅の輪は、小さくて腰につけられるようなものだったのですが、いつしかどんどんと巨大化していき、夏越しの祓と融合した結果、現代のような形になりました。
ちなみに、輪をくぐるときには作法がありますので、そちらも紹介しておきましょう。

・まず茅の輪の前で、軽く一例します。次に左足から進んで輪をくぐって、左回りにまわって正面に戻ります。

・もう一度、一例して、次は右足から進んで輪をくぐって、右回りにまわって正面に戻ります。

・最後にもう一度一例して、左足から進んで輪をくぐって、左回りにまわって正面に戻ったら終了です。あとは、普通に本殿を参拝しましょう。

このときに、「水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり」という和歌を唱えながらくぐったりすることもあります。

スピリチュアルな観点からの注意としては、くぐるときに、茅の輪に触れないようにしましょう。
茅の輪はネガティブなエネルギーを吸い込んでいますので、不用意に触れてしまうとネガティブなエネルギーを受け取ってしまうかもしれません。

今年も半分が過ぎましたので、しっかりと罪穢れやネガティブなエネルギーを払い落として、健康的に夏を乗り切り、そして残り半分を清らかでパワフルに過ごせるようにしましょう。

6.30 purifies day the unclean.
Ritual that continued from 1300 years before.