Aroma stimulates the brain directly. 〜香りによって、いつでも脳を刺激する方法〜

平安時代には着物に自分を象徴するような香りをたきこめることで、自己主張をしていたといわれており、独自の配合の香りは秘伝として一族にしか伝えられなかったのだそうです。

日本では古くから、香りはスピリチュアルなものとして使われてきました。

仏教の渡来と共にもたらされたという経緯を考えても、そもそも儀式のために使われていたものであり、とても神聖なものだということがわかると思います。

数千年前から現在にいたるまで、お香は宗教儀式やスピリチュアルな儀式で使われているわけですが、エネルギーレベル的な意味合いだけでなく、人間の生理的な機能からしても、「香り」というのは、「脳にダイレクトに影響を与える」ものとして知られています。

臭いを受け取るのは、人間の5感の中で「嗅覚」と呼ばれる部分です。

嗅覚以外の感覚が刺激を受けると、その刺激はまず「視床下部」を経由して、大脳皮質のそれぞれの感覚に対応した領域へと伝わり、最後に大脳辺縁系に届きます。
しかし、嗅覚だけは、「直接大脳辺縁系へと伝わる」のです。

大脳皮質とは、知性を司ると言われている脳の部分で、「新しい脳」などとも呼ばれています。
一方、大脳辺縁系は本能を司る「古い脳」と呼ばれています。

つまり、嗅覚だけは、新しい脳を経由することなく、ダイレクトに本能の部分に影響を与えるということになります。

この機能をわかりやすく説明したものとして、「プルースト効果」というものがあります。

これは、作家のプルーストが書いた『失われた時を求めて』という作品の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸したときに嗅いだ香りによって、幼い頃を思い出すという描写を元に名付けられたもの。

つまり、香りによって記憶が呼び起こされる経験を「プルースト効果」と呼ぶわけです。

プルースト効果の例を考えると、香りによって、本能が刺激されることで、精神や肉体、さらにはエネルギーレベルでも変化が起こるのは当然といえるでしょう。
香りで癒されるというと、「アロマテラピー」が有名ですが、さらに手軽なものとして、自宅でお香を焚いてその匂いを楽しむという人も多いかも知れません。

そこで今回は、いつでもどこでも香りの力を楽しめる方法を紹介したいと思います。

こちらは、ある意味では平安時代から伝わる伝統的な方法ともいえます。

それは、「服に香りをつける」というもの。

平安時代には着物に自分を象徴するような香りをたきこめることで、自己主張をしていたといわれており、独自の配合の香りは秘伝として一族にしか伝えられなかったのだそうです。

現代に比べると、お風呂に入ることが少なかったので、匂い隠しという実用面もあったと思いますが、前述したような効果を考えると、精神やエネルギーレベルでもメリットのある調合なども行われていたことでしょう。

服に香りをつけるというと、「香水やアロマオイルを直接吹きかければいい」と思うかも知れませんが、そういうことをしてしまうと、生地によってはシミになってしまう可能性も高く、以外と香りも薄いものになってしまいがちです。

そこでオススメなのが、ちょっと時間はかかりますが、「お香と洋服を同じ場所にしまっておく」という方法です。

アロマオイルや香水は揮発してしまうので、この方法は使えませんが、一般的なお香でしたら、どんなものでも使えます。

お香が飛び散ったりして洋服を汚さないように、小さな容器に入れた上で、サランラップなどで蓋をして、そこに爪楊枝などで小さな穴をいくつもあけておきましょう。

そうすれば、じわじわと匂いがタンスの中に広がり、服に香りをつけてくれます。

しっかりと匂いがつくこの方法ですが、いくつもの服に匂いがついてしまうという欠点もありますので、平安時代の貴族のように自分にぴったりの香り、自分に必要な香りというものを見つけてから行うことをオススメします。

そうすることで、いつでも、自分らしさを忘れずにいられるのはもちろん、自分が必要とするようなエネルギーを手に入れることもできるはずです。

Aroma stimulates the brain directly.
Introduce how to take advantage of the traditional fragrance ancient.