日本は地震国であり、ある意味では常に地震を警戒する必要があります。
阪神大震災、東日本大震災といった悲劇を乗り越えたことで、現代では建物の耐震性能が見直されたり、強度などもどんどんアップしていますが、昔は地震が来たら神様にすがるしかないのが実情でした。
そんな中で、もっとも強力な地震封じだと信じられてきたのが
「要石」。この石は
存在しています。
このふたつの神社は20㎞近く離れているのですが、にもかかわらず、それぞれの要石は関連があるといわれています。
どちらの要石もぱっと見ただけではそれとわからないほど小さいものであり、囲いや説明がなかったならば見逃してしまうほどですが、
伝説によると本体はとても巨大であるといわれています。
江戸時代に「水戸黄門」で有名な「徳川光圀」が、本当に巨大なのかを確かめるために、人を使って七日七晩、要石のまわりを掘らせたところ、どこまで掘っても底が現れることがなかったのだそうです。
このことから、鹿島神宮と香取神宮の要石は地下で繋がっているのではないか、ともいわれています。
ちなみに、このふたつの神社ですが、どちらも非常に古い神社であり、伊勢神宮と同じように、皇室から深い崇敬を受けていることでも知られています。
なぜ、それだけ深い崇敬を受けたのかというと、
鹿島神宮も香取神宮もどちらも『古事記』で有名
な武神を祀っているからなのです。
鹿島神宮の「建御雷神」も、香取神宮の「経津主神」も稲妻や刀といった強い力の象徴とされていました。
こうしたこともあり、要石は二柱の神が地面に打ち下ろした剣であり、それによって地震を起こす「大ナマズ」の頭と尻尾を抑えているといわれています。
しかしながら、地震とナマズが関連づけられたのは、江戸時代ごろからといわれており、「安政の大地震」によって大きな被害を受けた江戸の人々が、次はこのような地震がこないようにと祈って作った縁起物である「鯰絵」によって、一躍有名になったのです。
本来の要石は、神様が降りたとされる「磐座」だったという説もありますが、ナマズで有名になる前から、地震とは関連づけられていたともいわれています。
その頃は、「地震蟲」などと呼ばれる龍のような形をしたものを抑えているとされていました。
龍といえば、風水でエネルギーの流れを「龍脈」と呼ぶように、大地のエネルギーを龍に見立てるという思想がありますので、もしかしたら、要石というのは古代の人が設置した、大地のエネルギーを制御するためのシステムなのかもしれません。
今でも、日本の大地を守護している要石。最後にその要石から守護を受けるための方法を紹介しましょう。
「揺ぐともよもや抜けじの要石、鹿島の神のあらん限りは」
という歌を、紙に書いて、3回詠んでから、自宅の門に貼り付けることで地震の害から逃れられるのです。
耐震については、世界有数の技術をもつ日本ですが、このような古来から伝わる伝統もいかして、もしもの時の地震に備えておくというのもいいかもしれませんよ。
Power Stone to suppress the earthquake.
The secret of the “Kanameishi” of suppressing the catfish that causes earthquakes.
(画像参照:ウィキペディア)