日本史上最高の巫女であり権力者であった女性~【持統天皇】~

霊によるお告げによって、内宮を訪れ、国中に天照大神をひろめて、今のような存在まで押し上げた、「日本有数の巫女」といえる【持統天皇】。実はとてもスピリチュアルであり、古来の女性が持つ強さと霊性をすべて兼ね備えていた人物なのです。

女性の社会進出という言葉が使われるようになってから、ずいぶんと時間がたっていますが、日本はまだまだ「女性が尊重されにくい社会」といえるでしょう。

このような「男尊女卑」の社会は、日本の伝統のようなイメージがありますが、実際には「比較的新しく導入された概念」であり、諸説はありますが、「明治時代」頃からその傾向が強くなったのではないかといわれています。

古代では、「卑弥呼」が女王として国を統治していたわけですが、現在まで続く日本の象徴である「天皇」の地位についていた女性も多く存在しています。
そんな女性天皇のひとりである「持統天皇」の生涯を描いた漫画である『天上の虹』(講談社)とコラボして、NHKの歴史情報番組「歴史秘話ヒストリア」で持統天皇が取り上げられます。

6月10日に放送される「古代日本 愛のチカラ~よみがえる 持統天皇の都~」では、前述の漫画のイラストを用いながら、最新の研究でわかった持統天皇の功績などが紹介されるということです。

持統天皇は漫画になることからもわかるように、女性天皇の中でも「特に知名度が高い人物」です。
多くの女性天皇が「摂政」という、政治を行う人物をおいたのにたいして、自ら多くの政策を推進したことから、「有能な統治者」だったといわれています。

あまりにも政治的に有能だったために、「壬申の乱」の首謀者であるとか、大津皇子の謀反をつくりあげたなどという、ちょっとダークなイメージもつきまとう人ですが、政治的に有能なだけでなく、巫女としての力も強かったといわれています。

現在、「伊勢神宮」正確には「内宮」といえば、天照大神を祀っており、皇室から強い崇敬を受けている神社というイメージがありますが、実は、実際に「天皇が内宮を参拝されたことはほとんど無い」のです。

例外は「明治天皇」と「持統天皇」だけであり、このふたりの間には1000年以上もの開きがあります。
この謎に関しては、さまざまな歴史学者が色々な意見を述べていますが、一説によると、それまではあまり注目されていなかった「天照大神」を皇室の祖神としたのが、持統天皇だといわれています。

持統天皇の夫である「天武天皇」は、天照大神を重要視しており、死後、持統天皇の夢にあらわれて、和歌によって、日本が「天照大神の国」であると伝えたという記述が残っています。
つまり、持統天皇は、霊によるお告げによって、内宮を訪れ、それをきっかけに、国中に天照大神をひろめて、今のような存在まで押し上げた、「日本有数の巫女」といえるのです。

政治的な側面ばかりが強調されがちの、持統天皇ですが、実はとてもスピリチュアルであり、古来の女性が持つ強さと霊性をすべて兼ね備えていた人物だということがおわかりいただけたと思います。

他の女性天皇も、魅力的な逸話をもった方が多くいらっしゃいますので、また機会がありましたら紹介したいと思います。

Empress was also a shaman.
I will Introduce the “Jito empress”.