梅雨突入! 傘のスピリチュアルな使い方を学ぼう

今では洋傘の普及によって、ほとんど使われることのなくなってしまった和傘ですが、蛇の目傘には、傘が本来もっていた「魔除けの力をさらに強化する仕組み」が付属していました。 開いた傘を上から見ると蛇の目模様に見えることから、「蛇の目傘」と呼ばれているわけですが、この「蛇の目」は「強い魔除けの力」をもっているとされ、武士が自らのシンボルとして使ったりもしたものなのです。

いよいよ、地方によっては「梅雨入り」するところもでてきました。
雨が多いと、なんとなく出かけるのもおっくうになってしまいがち。
昔の人もそれは同じだったのか、梅雨時に降る雨は「魔の物」としていたのです。

湿気によってカビが多く発生するようになったり、食物が腐りやすくなることから、なんらかの「ネガティブなエネルギーが雨と共に地上におりてきて」、なにか悪さをしていると考えられたようです。

雨といえば、「傘」がつきもの。
その起源は古いものですが、元々は、現在のようなものではなく、頭に直接かぶる「笠」が主流であり、現在のような傘が一般的になったのは「江戸時代以降」だといわれています。

しかしながら、傘も古い時代から存在はしていました。
『日本書紀』には、西暦552年に百済国からの贈り物として「蓋(きぬがさ)」というものが伝えられたと記されています。
こちらは、絹でつくられた大型の傘であり、形自体は現在の傘に似ていますが、利用方法が若干異なっていたのです。

古来の傘は、位の高い人や、高僧だけが使用することができました。
つまり、傘は重要人物を守るためのアイテムだったわけです。
物理的な意味で危険や太陽の光から守るという意味もあったでしょうが、基本的には「邪気から身を守る」ためのスピリチュアルな用途で使われていました。

このような、「傘に神聖な力が宿る」という思想は、元々は中国のものだったようです。
中国に「トン族」という少数民族がいます。
彼らは、紀元前から中国の南方に住んでいた「百越」の子孫だといわれています。

そんな長い歴史を持つトン族が信仰しているのが「薩瑪」という名前の女神。
彼女は、トン族を「敵から守り、悪霊を祓い、実りをもたらしてくれる」といわれていますが、その象徴が「傘」なのです。
これは、戦場で薩瑪が「傘を差しながら戦った」ことが由来とされていますが、それだけ古くから傘によって、守護を得るという考えが中国にはあったということなのでしょう。

「女神が宿る」ほど神聖なものだった傘ですが、時代を経るに従い実用品としての性格が強くなってきました。
そんな中で日本独自の傘である「和傘」として生まれたのが、童謡でも有名な「蛇の目傘」

今では洋傘の普及によって、ほとんど使われることのなくなってしまった和傘ですが、蛇の目傘には、傘が本来もっていた「魔除けの力をさらに強化する仕組み」が付属していました。
開いた傘を上から見ると蛇の目模様に見えることから、「蛇の目傘」と呼ばれているわけですが、この「蛇の目」は「強い魔除けの力」をもっているとされ、武士が自らのシンボルとして使ったりもしたものなのです。

和傘は雨には強いものの、耐久性には難があり、手入れも必須になるということから、今では趣味人しか持つことがなくなってしまっていますが、その美しい姿は量産品の洋傘では到底及ばないものです。

梅雨時に邪気から身を守り、なおかつ古来からの美しさを表現するために、和傘をファッションの一部として取り入れてみるのはいかがでしょう?

Mysterious power with an umbrella.
You incorporate the “Japanese umbrella” in fashion?