鍼灸師が答えます。そもそも冷えとは? 姿勢のチェック方法。冷えの意外な原因&治し方。

真夏でも寒い。人感センサーに反応しない。冷えの大きな要因は日ごろの姿勢。そもそも女の人に冷えが多い理由は何!?
鍼灸師が答えます。そもそも冷えとは? 姿勢のチェック方法。冷えの意外な原因&治し方。

体の冷えている人は、なぜこんなにも多いのでしょうか?

私は、20年以上鍼灸師として仕事をしていますが、今まで数え切れないほど体の冷えに悩まされている人を見てきました。真夏なのに寒いと言って長袖を着ている方、当院の入口に一時期つけていた人感センサー(体温をセンサーが捉えて音で教えてくれる)に反応しない方・・・・・・。

今回は、冷えについてお話ししようと思います。

 

冷えとは?

冷えは、血液の流れが悪くなることでおこります。
血液の流れがスムーズで、組織に充分栄養が行きわたっていれば、冷えると いう事はまずありません。血液の流れが悪くなっている所が冷えるのです。冷えやすい部位は、心臓から遠い手先や足先です。

他には、頭が血液の流れが悪くなりやすい場所です。冷えているという自覚がある方は少ないですが、慢性的な頭痛めまい不眠のぼせといった症状が現れやすいようです。

なぜ女性に冷え性が多いのか?

これは多くの方がお気づきのことでしょう。
女性に冷え性が多いのは、ホルモンや筋肉量の関係もありますが、やはり一番は日ごろの姿勢の影響だと思われます。
女性は、座っているときには殆どの方が脚を閉じていらっしゃるでしょう。スカートをはいていればなおさらです。脚を閉じたままでいるには、脚の付け根や骨盤の周りの筋肉に持続的 に力を入れていなければなりません。
このとき、特に負担がかかるのが内ももの筋肉です。ここが硬くなってしまうと、それより下の足先などに血液が流れにくくなるのです。

冷えを悪化させる座り方

脚を閉じて座り続けると、脚に負担がかかります。そのため、始めはまっすぐ立てていた膝をどちらかに倒してみたり、脚を組んだりします。さらに疲れてくると、今度は脚を投げ出してみたり、逆に深く座り腰を強く反らせてお腹を突き出すような姿勢をとったりします。
こういった姿勢をとっていると、脚の付け根や骨盤の周りの筋肉が硬くなるため血液の流れが悪くなり、脚の冷えを悪化させてしまいます。すると、腰や背中、首にも影響が出てきます。
男性の場合は無理に脚を閉じて座る人はいないでしょうから、女性ほど脚の付け根が硬くなる事はないと思います。

脚が伸びていないと冷えやすい

体が冷えている人は、脚の付け根や骨盤の周りの筋肉が硬くなっているというお話をしました。このような体の状態ですと、立った時に骨盤がまっすぐ伸びません。
簡単に言えば、骨盤がおじぎをしているような状態になっていて、そのままでは前に倒れてしまいます。
そこで、倒れないように腰に力を入れ、脚を開いてなんとかまっすぐ立った状態を保ちます。
このとき、脚は0脚のように曲がっており、まっすぐ伸びていません。
自分の脚が伸びているかどうかはわかりづらいと思いますが、簡単にチェックできる方法があります。床に仰向けに寝てみて ください。このとき、膝の裏と床の間に隙間ができているなら、脚が伸びていないと思われます。重力は上から垂直にかかりますので、体の力が抜けていれば、仰向けに寝た時に体の背面全部が床に着くはずです。体に力が入っていると、筋肉が緊張してしまうため血液の流れが悪くなり、冷えの原因になります。

女性のための冷え対策

女性の冷えの一番の原因は、脚を閉じて座る座り方ですので、まずそれを改善しなければいけないのですが、女性が人前で脚を開いて座るわけにもいきませんから、難しい問題です。脚を開き過ぎるのもまた体に負担がかかるので、座る時は脚を開きすぎず閉じ過ぎず、脚や腰の力がうまく抜けている状態が理想です。
そのためには、膝を無理につける必要がある短いスカートなどは避けた方が良いと思います。
ただ、いくら力を抜いて座っていても、長時間同じ姿勢でいれば疲れてきます。
本来、人間の体は長時間同じ姿勢でいられるようにできていないのです。
座っていて姿勢が崩れてきたら、そのまま座り続けるのではなく、できれば一度席を立って少し歩いたり、その場で屈伸運動をしたりすると良いと思います。
体を軟らかくしようと、ストレッチで無理に脚を開くのもよくありません。
人間の股関節は90度位開けば正常です。それ以上開こうとがんばらなくていいのです。
当院にはバレエやヨガの先生も来られます。みなさん非常に体が柔らかいですし、もちろん180度の開脚もできます。なのに、脚の内ももが痛いと訴える方が多く、足先が冷えています。要するに、伸ばし過ぎているわけです。
伸ばし過ぎると、体の防衛反応で逆に縮みます。それを無理に伸ばそうとすれば痛めてしまいます。
では、どうするのが一番良いかというと、脚を大きく回すのです。
肩や股関節というのは回るように出来ています。無理に偏った方向に伸ばすよりも、力を抜いて大きく回せば適度に軟らかくなります。手先や足先が冷えている方は、是非お試しください。何も難しいことはありません。ただ手足の力を抜いて、ぐるぐる大きく回せば良いだけです。
うまく大きく回せれば、手先や足先が暖かくなってくるはずです。

トーエ治療院 東江英行