「たかが歯」なんて言えなくなる!? 歯とカラダの深い関係その①

ほんの1ミリでも噛み合わせが狂うと全身に大きな影響が出る!? 

小さい頃に虫歯になり、泣きながら歯医者へ行ったという
記憶のある方も多いのではないでしょうか?
そんな誰もが経験した事のある歯科治療ですが、
そもそもなぜ歯は必要なのでしょうか?
そんな誰しもが感じる素朴な疑問を
新神戸歯科院長の藤井先生にお聞きし、ご紹介します!

歯は目に見える骨!エネルギーを取り込む場所
歯は人間の身体のなかで、唯一外から触れる事ができる骨と言える。
しかし、新陳代謝を繰り返して常に新しい細胞を生み出す骨に対して、
虫歯等で一度抜いてしまった歯が自ら生えてくることはない。
骨折しても時間が経てば元通りに再生するし、切り傷だってよほどのものでなければ
どこをけがしたのかもわからないほどに回復する。
そういった点からみても、歯は人間の身体を構成するあらゆるもののなかでも、
大切にするべき貴重な器官であると言えるのだ。

そして、歯には消化器官としての役割もある。
消化器官と言えば胃や腸などの内臓をすぐにイメージするかもしれないが、
そこに食べ物を届ける最初の通り道が口。
歯で食べ物をしっかりと噛み砕く事ができなければ、その先の内臓に
負担をかけるだけではなく、せっかく食べても栄養をきちんと吸収できなくなってしまう。
人間は生きるためのエネルギーのほとんどを口から取り入れているのだから、
健康な歯は私たちが生きていくために必要な、もっとも根本的な部分を支えているのだ。

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噛み合わせが狂うと全身に大きな影響が出る!? 
歯の健康を維持する上で、虫歯治療に匹敵するほど大切なのが噛み合わせだ。
私たちが生きていくなかで受けるさまざまなストレスや、
昔に比べて大きく変わった環境生活が、実は噛み合わせにとってマイナスとなる影響を及ぼし始めている。
その大本といえるのが食事の内容

日本人が一回の食事で行う平均咀嚼回数は、戦後から一気に激減。
今は戦前の約半分にまで下降し、歯の強度や顎の力が無くなってきているのだ。
噛む行為は食べ物を砕くだけではなく、
同時に脳や顎といった頭のあらゆる部分を刺激し活性化させる効果があるため
痴呆症患者を同じ年代で比較した場合、痴呆症を発症している人の方が
歯の喪失率が高いことも実証されている。

“ある寝たきりで歯のない老人に適正な入れ歯をつくったら
起き上がる事ができた” なんていう話もあるくらいだ。

噛み合わせは、人によって正しい位置が違う。
そしてわずかだが、歯は日々少しずつ動いていて、全身と密な関わりを持っている。
そのため ほんの一ミリずれるだけ、数ミクロン削られるだけでカラダに変化が起き、 それが正しくない方法だった場合に肩こりや頭痛、身体の歪みという不具合が
生じる事が認識されてきている。
とはいっても自分でこの噛み合わせが正しい、間違っていると判断する事はできない。

だからこそ医師との信頼関係が大切。

やみくもに見た目をキレイにしてOKというのではなく、
健康になるための噛み合わせを考えよう。

TRINITY 18号[女の歯学]より

藤井先生

藤井佳朗先生
新神戸歯科院長。歯が全身に与える影響を追及している。
Oリング治療の第一人者。