ココロセラピストが語る『コミュニケーションについて』 ~話の内容が必ずしも重要というわけではない!~

コミュニケーションは、話の内容のやりとりだけではないのです。言語コミュニケーションの他にも非言語コミュニケーションというものもあるのです。

コミュニケーションは大事だと言う話は、僕は耳にたこができるほど繰り返しています。
これは僕自身が今までにたくさんの失敗をしてきた経験や、生きづらさを抱えた方々から聞いた話を通して考えると、まず間違いありません。

話し半分でも案外大丈夫じゃない?

言葉が通じていなくても、大丈夫な時も確かにあります。
それは自分や相手にとって、それほど重要な案件ではないときです。
たとえば世間話をしているとき。ハッキリ言って覚えていないことの方が多くはありませんか。
もちろん相手の話をまるで聞いていないと言う事では無くて、そのときはお喋りに花を咲かせて盛り上がっていたはずなのに覚えていない。そういうことってありますよね。
脳が重要ではないと判断してしまったのかもしれません。特に覚えておく必要もなかったのかもしれません。

実を言うと、いまいち相手が何を言っているのかわからないけど、その場のノリで「うんうん」とか「へぇ」と適当に聞き流していたという事も案外あったりしませんか。
もしくは逆に「この人、私の言ってる事、通じてないでしょ…」と思いながらも、無理に理解を求めるまでもなく空気を読んで自分から話を流してしまう事もありますよね。

特に食事を楽しんでいるときやお酒を飲んでいるとき等は、話の内容は重要ではないことも多いです。

おばちゃん同士のおしゃべりも、お互いの言っていることが別の話題としか思えなくても、お構いなしに盛り上がっていることもしばしば見受けられますよね。

そういう時は、極端に無礼なことをしたりしなければ、話し半分でもそれほど問題はありません。話し半分ではあるけれど、話の内容に意識が半分くらいしか使われていないだけで、やりとり自身には意識はちゃんと注がれているのです。

ただ、ここで抑えておきたいのは、話の内容が伝わっているからコミュニケーションが取れているとか、伝わっていないからコミュニケーションが取れていないとか、そういう話ではないということです。

言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション

コミュニケーションは、話の内容のやりとりだけではないのです。
言語コミュニケーションの他にも非言語コミュニケーションというものもあるのです。

言語コミュニケーションとは、言葉によるコミュニケーションのことです。
非言語コミュニケーションとは文字通り言葉以外の手段でコミュニケーションすることです。
簡単にいえば、ジェスチャー等です。

話し半分でも問題がないのは、わかりやすく言えば「空気が読めている」のです。
その場の雰囲気を円滑にすることそのものがコミュニケーションなのです。

まったく言語を使っていないわけではありませんが、ここでは「空気を読む」という非言語コミュニケーションが優位になっているわけです。

言語を駆使していてもわかちあえないぞ?

基本的に人間のコミュニケーションは言語が重要です。
これは対面でも書面でも、メールなどのネット媒体を使っても同じことです。

しかし、きちんと自分の考えや伝えたい情報を伝えているにも関わらず、わかちあえないどころか、喧嘩になってしまったり、最悪嫌がらせでもしてやらなければ気が済まないという関係になってしまったりするのは何故でしょうか。

このテーマは色々な要因が絡み合って来ますが、僕が比較的意識しているお話をします。

人間関係の難しいところは「人は誰でも少なからず自分が正しいと思っている」という点です。人間と言うのは、実はそれほど単純ではありません。情報を伝達すればすべてがうまくいくわけではないのです。常識と非常識。正義と悪、合法と非合法…といった具合に単純に物事を割り切って話が進むわけではないのです。

どういう事かと言うと、自分の中では常識でも相手にとっては常識とは限らないのです。正義とは何かという問題もそうです。自分の思う正義と相手の思う正義は違うかもしれません。グレーゾーンの線引きも曖昧です。法律もそうです。法的に問題がなくても倫理的に問題があるかもしれませんし、その倫理観そのものも、相手によって違うかもしれません。

繰り返しますが、人間はみんな自分が基準であり、自分が正しいと思い込んでいるのです。だから、相手の言語が通じていても、意味が理解できても、しっくりこなかったりします。そして自己基準で相手をジャッジしてしまうのです。

わかちあうために…。

大切なのは、まさにここなのです
しっくりこない時こそ、じっくりとコミュニケーションをとる必要性があるのです。

「この違和感の正体は何だろう?」とほんの少しでも冷静になれば、もしかしたらトラブルは最小限に留める事ができるかもしれません。

キレやすい人は、この違和感を再検討する余裕がなく、自分の理解を超越したことを受け入れたくないあまりに攻撃的になってしまうのです。

もしかしたら、どうしてもわかちあえず、時には戦いもやむを得ない状況になってしまうかもしれません。
それでも、コミュニケーション不足が原因で争いになってしまったとしたら、それこそ悲しいことです。
自分のコミュニケーション能力が低いと証明しているようなものですから。

相手が本当はどんな気持ちで、どんな情報を伝えたくて、どんな想いを言葉に乗せているのかを理解することが大切なのです。
その辺が見えてくると、コミュニケーションはかなり円滑になると思います。

どうにもならない相手も存在する…。

例外もあります。何を言っても通じなくて思い込みだけで自分を敵と認識して攻撃してくる人も稀にいます。この事実は否定できません。そういう場合は、逃げてください。ぶつかったところでわかちあえません(?)し、余計に逆上してしまうかもしれませんので…。
双方の身の安全のために逃げる事は決して悪いことではありません。自信を持って逃げてください。