「脂肪細胞」という言葉をご存じでしょうか?
一般的な「脂肪」というと、脂肪細胞の中でも「白色脂肪細胞」を指しますが、最近注目を集めているのは「褐色脂肪細胞」というもの。
白色脂肪細胞が、エネルギーを蓄えるものだとしたら、褐色脂肪細胞は蓄えたエネルギーを活用することで、体温を上げる働きがあります。
つまり、この細胞が活発に働くことで、体のエネルギーを効率的に活用し、蓄積される脂肪を減らすことができるのです。
褐色脂肪細胞については、現在も研究が進められていますが、体温の調節機能を司っていることは確かであり、体温調整が苦手な赤ちゃんは、体重の数パーセントが褐色脂肪細胞で占められているといわれています。
この細胞は加齢と共に減少していき、男性の場合は40代以上で激減し、女性は激減とまではいきませんが、徐々に減っていくものなのです。
赤ちゃんや子供が比較的太りにくいのも、この褐色脂肪細胞があるからではないかという説もあるほどですので、この細胞をできるだけ減らさずに、なおかつ活性化させることができれば、自然とダイエットができると考えるのは当然といえるかもしれません。
その方法として、もっとも有力なものは「体温を低下させる」こと。
生命の危機を感じることで、褐色脂肪細胞は活性化します。
しかしながら、本当に死ぬほど体温を下げしまっては大変ですので、お風呂上がりに、褐色脂肪細胞が多くあるという「首筋や肩甲骨」に、冷水をかけるという方法が比較的安全です。
この場合、ずっと冷水をあてているのではなく、お湯と交互にあてることで、より刺激が強くなると言われています。
しかし、刺激があるかわりに、血圧にも変化がでてきますので、高血圧や低血圧などの持病を持っている方は、この方法はあまりオススメできません。
さらに、褐色脂肪細胞を活性化させる方法として「肩甲骨ストレッチ」があります。
こちらは、この細胞が多くあるという肩甲骨をストレッチで動かすことによって、刺激をあたえて活性化するというものですが、実はこちらには科学的な根拠はありません。
最近では、よりダイエット効果に向いているという、第3の脂肪細胞である「ベージュ脂肪細胞」というものも発見されました。
これは2012年にハーバード大学医学部の研究チームによって発見されたものであり、こちらが活性化することで、褐色脂肪細胞と同じような働きがあることがわかったのです。
また、ベージュ脂肪細胞は褐色脂肪細胞に比べて、増やしやすいということもわかってきています。
では、どうやって増やしたらいいのか?
こちらも低温に反応しますので、体を冷やすという手法が使えますが、もっとも健康的で効果的なのは「運動をする」こと。
運動することで白色脂肪細胞の中に隠れていた、ベージュ脂肪細胞が増殖することが確認されていますので、運動をすることで、自然と痩せやすい体になっていくのです。
結論としては「運動をする」という、ある意味もっともベーシックな方法になってしまいましたが、どうしても、運動が苦手という方は、冷水と温水の方法でも、ある程度は活性化することができますので、運動することを前提とした上で、こういった刺激を与える方法も使ってみて下さい。
Cells and diet.
White fat cells, brown fat cells, beige fat cells.
Making the body to lose weight by stimulating the cells.