インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.12 〜ナチュラル洗髪で美しく健康的な髪を!〜

インドでは、シャンプーなどいくらでも買える裕福な家庭の女性たちよりも、シャンプーを買うこともままならないような経済状態の家政婦クラスの女性たちの方が、とても髪が美しいのです。

本物美髪を育てる、アーユルヴェーダ伝統・ナチュラルヘアケア法<2>
Ayurveda tradition〜Natural hair care part.2〜

シャンプーを使わないと、髪はどんどん健康で美しくなる!
~ナチュラル洗髪のススメ~

今回は、私がシャンプーを一切使わなくなった経緯からお話したいと思います。

インドで暮らすようになり、髪にいいといわれる伝統ハーブを片っ端から試し、腰のなかった弱々しいネコ毛に艶とハリが増してくるにつれて、髪はそもそも、泡立てて頻繁に洗う必要がないこと、逆に泡立てて洗えば洗うほど、頭皮や髪が不健康になることを実感しました。

それ以来、もう十年以上は経ちますが、市販のシャンプーに手を伸ばしたくなったことは、今現在まで一度もありません。

シャンプーで髪を洗うことをやめ、ハーブや自然なもので髪を洗うことが習慣になると、シャンプーを使っていた頃よりも、髪は健康で美しくなり、フケや抜け毛といったトラブルもかなり減り、ゴージャスな髪になるのです。

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シャンプーが世に登場したのは、そもそも1930年代以降といわれています。
シャンプーは、私たちの忙しい生活様式をより楽に、快適さを求めた結果、作られるようになったものです。

インドでは、シャンプーが一般的に浸透し始めたのは、ほんのここ20〜30年のこと。
それまでは、身近にある自然のもので、髪を清潔に美しく保つことが当たり前でした。

では、インドの人たちは、シャンプーを使い始める前、何を使っていたのでしょうか。

リタ(ソープナッツ)、シカカイ(ソープポット)といった、天然の石鹸成分サポニンが含まれる昔ながらの伝統ハーブや、泥、ベサン(ヒヨコ豆の粉)、重曹、体を洗う普通の石鹸、木の灰などを使って髪を洗うのが定番でした。

泥? 木の灰? 普通の石鹸??

これを聞くと、髪にとっては逆にダメージを与えるような印象を受けますが、実際にこの方法で洗髪してきた人たちの髪は、そのイメージに反し、揃いも揃って、

長くて美しく、艶々で、シルクのような滑らかな質感の、抜け毛などまるで知らないかのようなフサフサ髪が当たり前!

アメリカインディアンの髪を想像してもらうと分りやすいかもしれません。
(リタは実際、アメリカインディアンも使っていたハーブといわれています)

そもそも、髪を洗うのは週一度程度で、毎日頭に泥やら灰を塗っているわけではないところがポイントです。

面白いのは、シャンプーなどいくらでも買えるインドの裕福な家庭の女性たちよりも、シャンプーを買うこともままならないような経済状態の家政婦クラスの女性たちの方が、とても髪が美しいことです。

このような、経済的に苦しい女性たちや、シャンプーソケット(インドの日常雑貨店で売られている、5mlほどのシャンプー液が入った使いきりパック)が手に入らない貧しい地域に住んでいる人たちは、昔のインド人がやっていたように、泥、木の灰、重曹などを使って髪を洗っています。

今回は、そんな昔ながらの方法のひとつ、重曹を使った洗髪方法をご紹介したいと思います。

baking soda

★必要なもの:
重曹 大さじ1
(※髪の量が多めの人、脂性の髪の人は量を増やして調節してください)
熱湯 2カップ

★洗髪方法:
(1)熱湯と重曹を混ぜ、よく溶かします。
(2)液が冷めた後、髪を湿らせ、重曹液を髪に少しずつ注いでいきます。
(すでに髪にオイルを塗っている人は、髪を湿らせずに乾いた髪のまま液を塗る方が汚れが落ちます)
(3)頭皮に液を擦り込むようにマッサージしながら、液を髪全体にのばした後、3、4分間置きます。
(4)ぬるま湯でよく流します。

★頻度:
洗髪の頻度は、最低4日間あけるのがベスト。

繰り返しになりますが、ポイントは、洗髪を頻繁にしないこと。

目安は、週1、2回程で十分なのです。