2000年以上前の占星術コンピューター~アストロラーベ~

アストロラーベの「本質はやはり占星術にあった」と考えられています。アストロラーベは、おそらくイスラム圏で誕生したのではないかといわれていますが、その語源は「星を取る」「太陽の均衡」「太陽の鏡」などであるという説があります。

占星術では、個人の運勢をしるために、天体を配置した「ホロスコープ」が必須となります。
現在では、一瞬でホロスコープを算出することができるソフトウェアが色々とありますが、今から「2000年以上前」にも、占星術用のコンピューターが存在していました。

そのコンピューターとは「アストロラーベ」
発明者は定かでは無いものの、最も古いものは、紀元前150年頃のものといわれています。
占星術だけでなく、航海のためにも使われており、無数の使用方法があったようです。

6世紀にはキリスト教の哲学者が現存する最も古い解説書を書き、10世紀になると「アル・スーフィ」という天文学者がなんと、アストロラーベの使い方を「1000種類」も記述した著作を残しています。

このように、さまざまな使い方があったのは、同じ「アストロラーベ」でも、占星術用のものや、航海用のもの、旅行用のものなど細分化されていったことが原因のようです。

しかしながら、アストロラーベの「本質はやはり占星術にあった」と考えられています。
アストロラーベは、おそらくイスラム圏で誕生したのではないかといわれていますが、その語源は「星を取る」「太陽の均衡」「太陽の鏡」などであるという説があります。

星を写し取ったり、太陽をベースに考えているところから占星術の影響が強いことが感じられますが、アストロラーベには、他にも「奇妙な特色」があるのです。
この装置は一見すると「星座早見盤」のように見えるのですが、「星図が裏返し」になっているのです。

つまり、天を見上げるのではなく、天体の外側から星図を見つめる形になります。
天体観測の観点からいうと、東西が逆になってしまうので、星座を探したりするという用途には向いていないわけです。

では、なにに向いているのかというと、太陽が現在何座にあるのか、地平線には何座がでてきているのかという、占星術で必須の情報が目盛りを合わせることで、視覚的に表現されるようになっています。

占星術というと、合理的で数学的といったイメージがありますが、「占」という文字が入っていることからもわかるように、マニュアルに書いてあることだけを行っていては、その的中率は決して高くなりません。
より的中率はあげるためには、星座の位置、天体の位置を把握し、そこから「しっかりとしたインスピレーションを得る」ことが必要になってくるのです。

このようなインスピレーションを受け取るために、神の視点から運行を視覚化できるアストロラーベというのは、まさに占星術師のために作り出された道具といっても過言ではないでしょう。

現代では、科学の発達によってアストロラーベが使われることはなくなってしまっていますが、占星術をやっている方は、この道具を使い、あえて古来の方法でホロスコープを作ってみるというのも面白いと思います。
もしかしたら、技術がワンランクアップするかもしれませんよ?

 

Astrology computer from BC.
“Astrolabe” is a tool to bring about God’s point of view.