2015年2月8日、高江洲薫氏によるアルケミストヒーリングカレッジのヒーリングフェスティバル特別記念講演会がミューザ川崎・市民交流室にて行われました。
高江洲氏が心血を注ぎ目指しているのは、真のヒーラーを教育しより多くの「癒し人(癒しびと)」を世の中に排出することだ。獣医師であることからアニマルセラピーにも精通されている。氏の志を体現したアルケミストヒーリングカレッジでは、10年以上にも渡りヒーラーへの教育を行っており、毎年卒業生の実践披露と労いを兼ねて行われているヒーリングフェスティバル。「幸せをもたらす 愛と癒しの世界」と題した今回は、「がんが消えた」(日本教文社)、「フィンドホーンへのいざない」(サンマーク出版)の著者で、腎臓癌を愛によって克服した寺山 心一翁さんをゲストにお迎えした三部構成。
Program
○ 寺山先生チェロ演奏とお話
○ 寺山先生×高江洲先生対談
○ 高江洲先生講演・誘導
ありがとう。
感謝でいっぱいです。
無垢な少年のようなキラキラした笑顔で寺山氏は現れた。声のトーンも佇まいも、純粋とはこういう在り方ですというお手本のようだった。
低音から高音までのアプローチだけでなく倍音も出せるチェロに惹きつけられ、奏で、愛でているお話の中で、「倍音が細胞核のミトコンドリアを刺激する」という。ミトコンドリアが不活性状態だと病気になりやすく、加齢も進む。ご自身の癌を愛によって克服されたプロセスには、膨大な学びがあったことを示している。しかし、こんなことも話されていた。
「人の話を鵜呑みにしないでください。腑に落ちるまで。第二チャクラ(丹田付近)にそのことが感じられるまで、鵜呑みにしないでください」
寺山氏は、ご自身が癌の体験により愛に目覚めた体験を話された。
「親より先に死ぬ不孝はするな」と記されたお母様の直筆の書がスクリーンに映し出され、全ての人が生まれ持っている自然治癒力の素晴らしさを笑顔で説かれた。
身体の声を聴く。嫌な感情や恐怖を感じても辛抱強くそれらに付き合いながら呼吸を続け、意識を研ぎ澄ましていく中で心が静かになること、知識と智慧の感じること、そして毎日天気に関係なく小鳥たちは日の出の42分前に一斉に朝を告げる鳴き声をあげることなどなど……。
最後に核となるエッセンスとも言える言葉で締めくくられた。
「意識が一番の鍵です。当たり前のことに気づくことからはじまるんです。誰でもいつか死ぬ。死亡率100%! だから、死ぬのは誰にでもできることなんですよ。だったら恐れを忘れて、愛してみる。愛に目覚めてみると人生が変わってきます」
「ありがとう。感謝でいっぱいです」と合掌された姿は神々しかった。
痛いところがあれば、
指を指して愛を送る。
ヒーラー育成に尽力する高江洲氏と身体に備わった治癒力を愛によって高めた寺山氏。お二人の対談は、知識を披露する評論家の域を超えた実践者による英知の交換のようだった。
寺山氏 「断食は24回していますが、僕のやり方は一週間かけて食を減らし、一週間水だけでその後二週間かけて通常食に戻していきます」
高江洲氏「僕は、排泄排便断水で倒れたことがあります。兄に頼むからやめてくれと頼まれ、素うどんを作ってくれたんですが、食べる力も無く数本しか喉に通らなかった経験があります」
1984年、奇しくも同じ年にお二人は人生の大きな試練を体験されている。高江洲氏は火災により住まいとご家族を亡くされ、ご自身も30%の火傷を負われた。寺山氏はこの年右腎臓癌が発病。どちらも生死の間で自分を見つめざるを得ない出来事ではないだろうか。目の前にそびえ立つ山が高ければ高いほど、険しければ険しいほど、到達した者はその体験から恩恵を受けるのではないか。乗り越えたからこそお二人は口を揃えてこう語られる。
「死と直面し、生きるとは何か!? を突き付けられましたよね」
当時を振り返り、高江洲氏は「こんな経験は二度としたくないと何度も思ったんですけど、今思えばあの経験がなければ今の自分はないんですよね」。
「病気ほど自分にレッスンを与えてくれたものはありません」と、寺山氏も。その流れから、高江洲氏は常々胸に思われていることを続ける。
「でも、辛い経験をしなければ得られないんでしょうかねぇ……」。
自分は乗り越えてきたが、後に続く者たちに同じような苦しみを味わってほしくないという思いが垣間見られる。寺山氏の語る「欲はなく、怒らずいつも静かに笑っている」というフレーズに両者うなずきながらお互いを認め合うような視線が交わされ、二人の超越者は固い握手をし、対談を締めくくった。
現実は、過去に考えていたものが形になったもの。
気に入らないなら、変えればいい。
「愛とは、命そのものです」と、短くはっきりと深遠なる真実のフレーズから始まった。
この記念公演第三部で高江洲氏はスクリーンに映し出されたメッセージを読み上げながら、会場に集う100名の卒業生たちに語りかけた。
い=生きる
の=望み
ち=力
そして、「魂は永遠です」と……。
それから高江洲氏による誘導ワークが行われた。
「あなたが毎分毎秒、神聖な呼吸を行うならば、あなたの身体も心も魂も、神の力に満たされてあなたの持つすべての才能、能力を発揮することができるようになります」と参加者に語りかける。
誘導によるワークでは、時空を広げて未来を意識的に創るための意識の持ち方を提示された。
「一歩踏み出すのは意識がなければできない。現実というのは過去に考えていたものが形になったものだから、気に入らないなら、変えればいい」と。
二人組になり、互いに互いの素晴らしさを言葉にしたり、近未来に自分がどうなっているかを宣言しあったり。高江洲氏は会場の全体的な様子を観ながら、落ち着いたトーンで誘導されていた。
通常直線的に認識されている時間の概念を、山折谷折りして縮めていく感覚。参加者たちは、目を輝かせながら近未来の自分を静観しつつ宣言し合っていた。
株式会社アルケミスト 代表 高江洲 薫
有限会社寺山心一翁オフィス 代表 寺山 心一翁