世間には様々な占いがあります。「~占い」という感じで、毎月のように新しい占いが登場しているといっても過言ではないでしょう。しかし、一般的によく知られている有名な占いの起源も実はそんなに古くないのというのをご存じでしょうか?
「九星気学(きゅうせいきがく)」という占いがあります。「一白水星」「七赤金星」などといった用語を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか? こちらは、運勢だけでなく、どの方角にいけば良い気を貰うことができるのか、また、家相判断なども含まれているために、多方面で活用できることから、非常に人気がある占いです。
最近では、お笑い芸人「キングコング」の西野さんが、ネタとして「九星気学」をとりあげたことからもわかるように、多くの人に知られている占いなのですが、その歴史は100年程度しかありません。
この占いのベースとなったのは「九星術」というもので、『陰陽五要奇書(いんようごようきしょ)』などが原点とされています。こちらは古いもので、18世紀には存在していたものですが、そこに記載されていた九星術をベースにして、明治時代の易者である「園田真次郎(そのだしんじろう)」という人が創り上げたのが「気学」と呼ばれるものであり、九星術の一流派として「九星術気学派」などと呼ばれていたことから、現在のように「九星気学」と呼ばれるようになったのです。
また、赤ちゃんが誕生した時に気にする人も多い「姓名判断」は、さらに新しい占いです。成立には諸説あるのですが、一般的にいわれているのは「熊﨑健翁(くまざきけんおう)」という人物が、易学の知識をベースにして、昭和3年に考案したというものです。
この熊崎式姓名判断は、翌年の昭和4年に雑誌『主婦之友』に付録としてつけられたことで、人気が爆発し、現在の姓名判断のもとになったのだそうです。
占いというのは、時代にあわせて常にアップデート
占いというと、古代からずっと伝わっているもの、という印象があるかもしれませんが、実際のところはそういった占いはそんなに多くありません。たとえば、平安時代に陰陽師が使っていたという「六壬式占」は、戦国時代にほとんど情報が散逸してしまっていますし、情報が残っている古い占いがあっても、現代とは文化も風習も違うので、そのままで使うのは難しいという状況があるのです。
こういったことを考えると、占いというのは、時代にあわせて常にアップデートしていくものであり、現代のように次々と新しい占いが生み出されているというのは、まさに正しい姿なのかもしれませんので、皆さんも占いを選ぶ時に、歴史や伝統などを重視するのもいいですが、インスピレーションで決めた方が、よりよいものに出会えるかもしれませんよ?