中村うさぎさんコラム「どうせ一度の人生・・・なのか?」 part.27 〜TRINITY編集長、遠藤との対談を終えて・・・スピリチュアルとは、ひとつの世界観であること〜

前回までの対談を終えて、中村うさぎさんが思ったこと。スピリチュアルは、ひとつの世界観であり、つまりは「世界の解釈の仕方」である。そして。「第六感」としか呼びようのないスキルを持っている人物の存在……。その例としてあげられたお父様の虫の知らせとは。
中村うさぎさんコラム「どうせ一度の人生・・・なのか?」 part.27 〜TRINITY編集長、遠藤との対談を終えて・・・スピリチュアルとは、ひとつの世界観であること〜

遠藤さんとの対談を終えて、いろいろ考えたことがある。

たとえば「サイキック」の問題。
遠藤さんが言うように「勘の鋭さという才能」というのは確かに存在すると思う。

それは人の表情や仕草で心に思っていることを読み取るという「観察眼」「分析力」「想像力」などが人並み外れて豊かな人で、たとえば架空の人物ではあるが「シャーロック・ホームズ」などはその典型といえよう。
まぁ、探偵小説に登場する名探偵は、たいてい、このような鋭い観察眼と分析力を備えている。
そして、彼らほどではないとしても、おそらく現実にもこのような人はいるように思える。

また、それとは別に、世の中には「第六感」としか呼びようのないものを持っている人が確かにいる。
たとえば私の父親は、二度ほど驚くべき「虫の報せ」力を発揮した。
一度目は祖母(父親の母)が亡くなった折だ。

祖母は心臓が弱くて寝たきりだったのだが、とはいえ今日明日にでも死にそうというわけでもなく、私たち一家と同じ家で普通に暮らしていた。
そんなある朝、父親は単に会社をサボりたくて会社に電話をかけ、「母の具合が悪いので会社を休みます」などという大嘘をついたのだった。

そしたら、その日の午後、本当に祖母が亡くなってしまったのである!

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それから数年後、今度は会社ランチタイムの後に、父親はまたもやすっかり仕事をしたくなくなってしまい、「家族が急病になったので」という大嘘をついて早退した(てか、おまえは小学生かよ!)。

そしたら、ちょうどその頃、娘の私が車にはねられて病院に担ぎ込まれていたのだ。
携帯電話もなかった時代だから、もちろん、父親はその事実を知らなかった。
早退して帰宅してみたところ、近所の奥さんが飛んで来て教えてくれたため、急いで病院に駆けつけたのであった。

まあ、偶然と言ってしまえばそれで終わりである。
私も、これは偶然だと思っている。

人間、これくらいの偶然は人生に何度かあるだろう。
ただ母親は、「お父さんの虫の報せ」を信じていて、よくその話をしては感心していた。
ま、要するに「解釈」の問題だ。

そんなわけで、前述した「探偵能力」とこの「第六感」を持ち合わせた人間がいたとしたら、確かにそれは「サイキック」と呼ばれる能力の持ち主になり得る潜在的可能性があるだろう。
あとは本人が「サイキック」となるべく、自覚的にその能力を訓練し、なおかつ手品師のスキルでも身につければ完璧だ。

実際、そのような人が巷で「サイキック」と呼ばれているのだろうと思う。
それはインチキでも何でもなく、本人の才能とスキルの賜物なのである。
何でもかんでもインチキ呼ばわりするよりは、そういう解釈をした方が、私のような人間も納得できるし、何より世界が楽しく見えてくる。

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スピリチュアルは、ひとつの世界観であり、つまりは「世界の解釈の仕方」だと私は考えるようになった。

霊が実在するのかしないのか、そんなことはどうでもいい。
霊がいるという前提で世界を解釈しようと、あるいは、いないという前提で解釈しようと、個々人の自由なのだ。
ただ、どのような世界観が本人にとって一番しっくりくるか、その点が大事なのだと思う。

我々の知らないことは、この世にたくさんある。
科学ですべてを説明するのは不可能だし、スピリチュアルですべてを説明するのも無理がある。
科学とスピリチュアルの境目に存在するもの……それが、我々の世界観に新しい視点を与えてくれるのではないか。

私はそんな気がしてならないのである。

 

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