PICK UP INTERVIEWロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー 由井学長に聞く

[由井学長]

よろしくお願いします。

[インタビュア]
よろしくお願いいたします。

[由井学長]
由井と申します。よろしくお願いいたします。では、質問をどうぞ。

[インタビュア]
まず一番初めにお伺いしたいんですけれど、ホメオパシーとのいちばん最初の出会いというのを是非お伺いしたいと思いまして。

[由井学長]
そうですね。今からもう17年ぐらい前になると思いますけれど、私は潰瘍性大腸炎だったのですね。そしてその病気が2年間ぐらいずっと病んでいまして、なかなか治りませんで、西洋医学もやりましたし、漢方もやって、鍼灸もやって色々やりましたけれど。治らなかったのですよ。そしてまあ2年ぐらいしてからホメオパシーというものと出会いまして、それを受けに行ったわけですけれど。

そうしましたら白い砂糖玉を四粒もらったのです。そのうちの一種類は癌細胞でもう一種類がヒ素だというわけです。それでヒ素なんか飲んだら死んでしまうし、誰の癌かもわからないしという話をしましたら、もう天文学的に薄めているので癌細胞も全く入っていないし、ヒ素も入っていないけれど、癌細胞やヒ素のパターンだけが入っているんだよというわけですよ。まあ、だまされた気持ちになりましたけれど、50ポンドは払いましたので、とってみまして。

そしてとり終わった5日目に、私が26歳の時にインフルエンザにかかりまして、高熱が出て体がブルブルしてなんともならないんだけれど、仕事でどうしても休めなくてもう点滴を打ちながら仕事をしていた時の状況が戻ってきたわけです。不思議と思い出すんですね。体は治りきってなかったんですね。高熱が40.5度ぐらい出ました。まあ三日目ぐらいに這いつくばって電話口に出て、彼を、ホメオパスというんですけれど、ホメオパシーの専門家のマーチンさんを呼んで、「あなたのこの四錠のレメディーをとったら私はもう高熱が出て動けないと。体中が痛くて動けない」と言ったら「おめでとう、よかったね」と言ったんですよ。そして、そうのこうのしているうちに、一週間ぐらい高熱が出ているままでしたけれど、治って行ったわけですね。

熱が治ると同時になんとなくこういろんなことが違ってきたんですね。まず春の光の色。今まで私、庭なんて見てなかったのですけれど。なぜかというと時は金なりという人生を生きてきましたので、庭の花とかそんなものは何も金にも何にもなりませんから、いつも庭師にお願いしていたぐらいだったのです。だけどビクトリアプラムというプラムがあるんですが、その色が真っ白く咲いていて、あー、きれいだなと思いまして。そして庭に出てみたわけです。まだ寒かったですけれど。ロビンというのがいまして。こちらのウグイスみたいのですけれど。胸が赤い鳥ですけれど。そしてクロッカスも出ていたし、庭中に生命があふれているという感じを受けてしまったわけですよ。私はこういうことも感じる暇もなく働きづめできたんだと思ったら涙があふれてきたんですよ。わーなんて自分を突き動かして夜も寝ないでやってきたんだろうと思いまして。で、そんなことをしているうちに昔の感情が吹き出てきたんですよ。私はうちの母親にほめてもらいたかったから一生懸命やっていたんだというのがよくわかったし、自分が完璧にできない時に自分を責め立てるんだということもわかったし、自分には自分は容赦しないんだということもわかったし、いろいろいろいろ感情が出てきたんですよ。

そして1ヶ月が経ちましたら、まあ泥状のような便だったのですけれど、きちっと形がある便になったんですね。もちろん血便は止まっていました。それで私、これはすごいなと思ったのですよ。病気が治ることもさることながら、いちばんすごいなと思ったのは、治る過程の中で自分の中で未解決だった心の「自分を許さない、完璧でなくてはならない、弱い自分は駄目なんだ」と思った心が吹き出てきたんですね。ホメオパシーというのはなんだろうと思ったんですよ。だからすごい療法だなと思って。それからいろいろ、潰瘍性大腸炎はだいたい症状としては1ヶ月ぐらいですっとよくなりましたね。

[インタビュア]
そのレメディーをのんでから。

[由井学長]
はい。でも心の中が治まらないんですよ。やっぱりイギリスにいたんですけれど、国際電話で母親に電話して。「何であのときほめてくれなかったのか」とか「何でお兄ちゃんばかりかわいがったのか」とか「何で私は泣くこともできなかったのか」とか、母親を責め立てるようなことになってしまいまして。そうですね。心を治すのにそれから二年間かけてやったんですよ。自分を許してあげられる様になるまで2年かかったということです、実は。

だからあのまま潰瘍性大腸炎が治って心が治らないままでいたら、また自分が自分自身を突き動かして、体なんか何とかなるんだといって、がんがんやっていたんだと思うのですね。ですから自分の癖ですね。完璧でない自分は駄目なんだという自分、この癖を取るには2年間かかったんですよ。これが私を病気にしていたわけです。

[インタビュア]
元々、気持ちから、病は気からといいますけれど、その部分が改善されたんですね。

[由井学長]
そうですね。病気というのは気が病むと書くんですよ。ですから体はふだんなんもないのに病まないんですよ。例えば、ほら、ある時あなたが失恋した時に「自分はなぜ選んでもらえなかったんだろう」「自分はやっぱり選んでもらえない、こういうところもある、ああいうところもある」と自分を卑下するじゃないですか。卑下すると自己治癒力というのは、きゅっと縮まるんですよね。縮まったところにちょうど誰か風邪を引いて咳をしていますよね。そうすると自己治癒力が縮まりましたので風邪のウイルスが入りやすくなりますよね。それで風邪をひくわけですよ。

ですから大体風邪をひいたとか、熱が出たとか、調子が悪い時というのはいつも何か心の背景があったはずなんですよ。例えば共通一次にすべったとかね。そういう時にあなたが自分自身を卑下したりとか、いろんな人を恨んだりとか、色々するわけですよ。その結果としてそういう心の背景を治そうとして症状が出て、その症状は病気ではないわけですよね。私達は、症状が出る、熱が出てる、鼻水が出る、瘤(こぶ)が出るということは、治ろうとして出ているだけのことなんですよ。頭をぼこんと打ちましたよね。そうしたら私達の生命力というのは頭のところの炎症を起こして瘤が出るわけですよ。

そして治ろうとして瘤が出ているだけのことですので、その瘤がいけないと瘤を抑えても駄目だと思うのですよね。ですからもう、下痢にしかり、熱にしかり、嘔吐にしろ、排泄を出しているんだということを頭に入れておくことが一番大事で、「症状=病気」ではないんですよ。病気はやっぱり最初に心が病むんですね。誰もあなたをくずだのといっていないのに本人がくずだの、あほだのいうわけですよね。それは心が病んだということですよ。その結果、怒りを作ったり私は潰瘍性大腸炎になったりしましたけれど。

自分を許さないから、そうやって自分自身を潰瘍を作って虐待して、自分を切ってしまっているわけですよね。潰瘍というのは切った切り口と同じですものね。

[インタビュア]
そういう症状を出すことで体がサインを出してくれているんですね。

[由井学長]
そうなんですよ。そしてそのサインを出すのに同じような同種のレメディー、健康な方がそれを取られると同じようなサインが出るものを同種であてがっていくことによって自己治癒力がより触発されて刺激されて自分自身で治していくのがホメオパシーなんですよ。ですから癌の方がいますよね。癌になって乳癌になっていったけれど、どんどん広がっていって、癌が治らないわけですよ。

もしあなたの自己治癒力が動いているなら癌を制覇してどんどん押し出して治っていくべきですよね。だけど完全に自己治癒力が動いているわけではないんですよ。まだ癌を認識していない。そういうのは癌細胞を希釈振盪したものを与えるわけですね。そうすると癌のパターンがその人に入ります。それであたかも全身が癌になったかのように体は反応するんですよ。

自己治癒力は、「おっと、あぶないぞ、癌だらけじゃない」と初めて気づくんですね。気づくとそれを押し出そう、押し出そうとするわけです。気づかせるためには同種でなければならないんですよ。だから私達は鬱の方には鬱のレメディーを与えるし、悲しんで泣いている人にはもっと悲しくなるレメディーを与えるわけですよ。そうすることによって悲しみや鬱を自分自身で追い出して、いつまでも鬱にばかりなってはいられないよねと。「いつまでも悲しんでばかりはいられない。先に進まなければ」となるわけです。それが同種療法ですね。

[インタビュア]
それでは最終的には自分で治すものを手助けするものなんですね。
[由井学長]
そうですね。私達は生きていますから、生命力もありますし、生命力って何かといったら自己治癒力であるわけなんですね。ですからそこに刺激を与えるものが大切なわけです。

でもその刺激を与えるものは異種ではなく同種でなければならないわけです。それでまた希釈振盪したものでなければならないわけです。自己治癒力とか心や感情とかこういう目に見えない部分が先に病むならば、そして目に見えないものに効かせようと思うならば、やっぱり希釈振盪して、物質じゃない、目に見えないパターン化されたものがいちばん合うわけですよ。あなたの腎臓、肝臓が悪いというのならば、もっと目に見える腎臓、肝臓に合う物質的なものをやればいいわけですね。

でも、私達の観点では病むのは心であると思っていますので。だって、肝臓なんていうのは、きりきりいつも怒ってばかりいて、怒りを外に発散させないとどんどん肝臓は病んでいきますよ。で、腎臓はいつも何もないのに恐怖におののいてブルブル震えて、隣のおっさんが塀を乗り越えて怒鳴り込んでくるんじゃなかろうかだとか、後からついてくる男が私を犯すんじゃなかろうかと、妄想につぐ妄想をして恐怖におののくわけですよ。毎日何もないのに。

そうやると腎臓はやられていきますよね。何が問題かというと腎臓、肝臓そのものはそんな簡単にやられるほどやわじゃないわけです。病ませる心が長い間、たとえば2年ぐらい恐怖におののいたりするとそういうことになってしまうわけですよね。

もちろん酒を大量に飲んだり、薬を大量にとったり、塩を大量にとったりするとさすがに腎臓、肝臓がやられますけど…。自己治癒力というのはみんなもっていますので、それを触発するものであるということ。ホメオパシーのレメディーという砂糖玉とホメオパスという職業は、別に何もしているわけではなくて、その人の一番の同種のレメディーは何かと客観視して選択しているわけですよ。

客観視した情報と、マティリア・メディカというレメディーの症状像を重ね合わせていきます。症状像というのは健康な方があるレメディーをとられたらば、このような症状になったといって、「実証」、「プルービング」というんですけれど。実証にはレメディー一種類を100名くらいでやります。そうすると100名が全く同じような症状が出たりするわけです。

[インタビュア]
あーそうなんですね。

[由井学長]
そうするとこのレメディーはこのようになるんだということがわかりますよね。でも人体実験をしますから、毒物をそのままとってしまうと大変なことになってしまうわけですよ。

[インタビュア]
怖いですよね。

[由井学長]
ですからそれを希釈振盪したもので、毒が全くない状態でやってもこの人たちはある症状を出すわけです。例えば「金(きん)」という「Aurum(オーラム)」というレメディーがあるんですけれど、ゴールドの金を希釈振盪して、薄めたものを100名の方に与えます。そうすると多くの方が次のように言うわけです。もう四方八方からのプレッシャーで自分はつぶれてしまいそうだって。金を希釈振盪すると金の気持ち、金のスピリットというのがわかるわけですよ。

[インタビュア]
希釈することでですか?

[由井学長]
ええ、希釈振盪すれば、精神的特徴が明確になってくるわけです。金というものはその地中の中でどうやってできるかというと四方八方からえらい圧力がかからないと金はできないのですよ。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
そうなんですね。鉛に押され、四方八方から押されてぎゅっと圧がかからないと金はできないんですよ。こういう仕事の中で責任の中で四方八方から大きな重大なる責任をもってやっている方々にこの金のレメディーがいいんです。

[インタビュア]
あーそうなんですね。それはまた同種といいますか。

[由井学長]
同種なんです。本当に地中の中で金をつくろうと思ったらば、えらいプレッシャーをかけないとできないんですよ。プレッシャーというのは圧ですね、圧力を。ですから金たちはそのような心を持っているとプルービングを通して初めてわかるんです。

金というのは自殺したいナンバーワンレメディー。それも飛び込み自殺をしたいんですよ。あまり圧がかかりますと、そこにいられなくなってぽんと出るんですよ。出ますよね。ぷちんとはじけるわけですよ。そこでぎりぎりのところでもっているのが金の状態だ。

だからそういう方にあてがう。これは会社の社長の方とかある団体のトップだとかそういう人にはとてもいい、四方八方から問題を投げかけられて、そして大きな責任の下で頑張っていかなければいけない人たち。この人たちは愚痴は言わないけれど、ある日突然、新聞に飛び込み自殺をしていたと出るでしょう。こういう人。

牡蠣(カキ)の殻というのがあるんですよ。牡蠣の殻というのは、それを希釈振盪しましたら、人が自分をどう思っているのか。そして自分は脆いんだ、柔らかくて脆い、自分は弱いんだと思っているんですって、牡蠣は。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
それを100人の方に与えるでしょ。そうすると一様にそのような言葉が出てくるんですよ。結局自分が弱いから硬い殻で守らざるを得なかったわけですよね。だから鎧をつけているんですよ、一生懸命。だからいつもいつも人がどう思っているかと気にしながら、鎧をつけて仮面の自分で生きているんですよ。それで自分自身が脆いということを知っているのであまりいろんなことに挑戦しません。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
牡蠣からとったものをカルカーブといいますが、彼らはゆっくりとのんびりと自分の時間でやりたいわけです。この人たちはとても心配性で慎重なんです、全てが。牡蠣が月光に照らされて、口をちょっと開けるんですよ。それでもう波打ち際で波がばんと当たるとすぐ閉じるんですよ。それぐらい慎重で怖がりなんです。[インタビュア]
世の中にある自然なものというのは全てレメディーになりうるんですか?

[由井学長]
その通りです。ですから私の患者さんのおばあさんは、ネコのタマちゃんがいて、70歳ですから、ずっとそのタマちゃんはいたんですよ。だけども最近になって、タマちゃんをいじると鼻水が出てくしゃみをして手が痒くなるというのが出てきたわけです。私はタマちゃんの毛を頂戴といったわけです。

そうしたら彼女はもうネコの毛なんか10本ぐらいでいいのに、彼女、バリカンでタマちゃんの毛を削いで送ってきた。そんなにいらないのに、本当にホメオパシーは少量でいいのよ。希釈振盪すればするほど効果があるんですよ。パターンさえあればそんなに量いらない。だからすごくエコロジーなんですよ。そのタマはかわいそうに。それを希釈震盪して、タマ30Cというレメディーを作ったのよ。で、彼女にとらせたわけ。おばあちゃんに。

それから一ケ月経って、どうですかといったらネコのタマを触ってもくしゃみも出なくなったし、手も痒くならないし、また元に戻ってよかったですといったの。だから皆さんスギの花粉症だったら、スギ花粉を持ってきてくれれば希釈振盪してまたその人にあてがうことができる。でも花粉症の原因がスギ花粉ではなく、人工的な化学物質が体内にたまりすぎていることのほうが多いのです。

[インタビュア]
そうやって原因となるものを希釈することで、それが同種として作用するのですね。今悩まれている方、皆さんにお伝えしたいと思いますね。

[由井学長]
そうなんですよ。ですから、ある人なんか夫が来ると痒くなる人がいるので、夫を希釈振盪して奥さんに与えれば治るかもしれない。(笑い)

[インタビュア]
是非それも実証を。

[由井学長]
だから私達は原因となるものがよいレメディーとなるということを知っているわけですよ。わかります? 同種療法だからですね。よく昔からある民間療法だって同じだったわけですよね。熱が出たときは布団をかけるんでしょ。喉がひりひりしたらひりひりする生姜湯を飲むわけでしょ。みんなひりひりにはひりひり、熱には熱でやっていたわけですよ。

[インタビュア]
それがいつの間にか上から症状を抑えるスタイルになってしまったのですね。

[由井学長]
いつの間にか病気は外から来ると言い始めちゃったわけですよ。気が病むというよりかどちらかというと病原体があって、それで病原体は外から来るから抗ウイルス剤、抗バクテリア剤、抗カビ剤、抗菌剤というのを作ったんですよ。

[インタビュア]
全て「抗」ですね。相反する。

[由井学長]
病気の菌たち、バクテリアだとかウイルスが体内で増殖するというのは結果であって最初ではないんですよ。病原体がいるから病気になっているんじゃないんですよ。病気の結果、その患部を見るとその溶連菌があったり、ウイルスがあったりするだけのことなんですよ。最初からあったわけではない。腹が濁ったり、腸がおかしくなったり、肺が濁ったりしないように、いつも痰は出しましょう、腸は必ず排便しましょう、汗は出しましょうということをいっているわけですよ。でも汗は汗止めを塗るし、下痢したら下痢止めをとるし、痰が出たら痰を出さないように、鼻水がでたら、鼻にシュッシュの点鼻薬をやって。

だからこうやってどんどん出るものを有り難がらずに中に閉じこめてしまったために老廃物が体内に溜まり続けたわけですよ。溜まり続けた結果、そこを媒介としてウイルスたちが蔓延していくわけです。だからウイルスは悪くない、バクテリアは悪くない。

[インタビュア]
自分が出そうとしている力を自分で抑え込んでしまっているんですね。

[由井学長]
自分というよりも多くは薬で抑え込んでしまっている。熱でも下痢でも嘔吐でも。老廃物があるから出そうとしているだけのこと。それを薬で抑えてしまっているからこの老廃物はまた中に引っ込んでしまうわけですよ。そういうことを繰り返していると老廃物が体にとって異物ではなくなってきて、やがて排泄できなくなってしまうんですね。

そして体全身が老廃物でいっぱいになっていくわけですよ。もともとは分離されていたわけですよね、痰として、下痢として、汗として。老廃物は分離されていたわけですよね。それを排泄できないから、また中に戻った時には血液に戻りますので、全身で病んでいくわけですよ、今度。

[インタビュア]
もっと複雑化していくんですね、その病気自体が。

[由井学長]
慢性化するわけ。症状がないことは病気がないことだと思ったら大きな間違いで、症状がなくて10年たったら癌だったという人がたくさんいるんですよ。癌の方々はあまり風邪をひかないし、病気にかかったようにみえないし、症状がでないんだ。汗も便も尿も、排泄物が少なくなっている人が多いです。

[インタビュア]
そうなんですね、溜め込んで最後の最後に出てきたんですね。

[由井学長]
開けてみたら老廃物が多いので、その老廃物の溜まった血液でも細胞分裂しなければいけないんですよ。老廃物がいっぱい多いと、異種細胞を作っていきやすくなるわけですよ。その中から癌細胞になるものも出てくるわけです。

[インタビュア]
ではこちらの学校にいらっしゃるいちばん最初にいらっしゃる生徒さんはきっとそういう考えというのを持たれてない方が多いかと思うのですけれど。

[由井学長]
始めはこのようなホメオパシー的考えを誰も知りませんよ。ですから、このパートタイム科であれば四年間かけてそれを学んでいくわけですよ。だから症状は敵ではなくて症状はありがたいという感覚を学んでいかなければいけないし、出るものはありがたい、ひききる、かかりきる、出し切るということを学んでいくわけですよ。

でも日本では明治ごろまではそうだったんですよ。同種療法だったわけですから。どの国の民間療法も同種療法ですけれど、でもいつの間にか抗生物質、「抗」なんとかが増えて、いつの間にか予防接種なんかも増えてそんな中でみんなが当たり前になったんですよ。風邪を引いたら薬をとるって当たり前になってしまった。

だから私、ゴホンといえば○○散じゃなくてゴホンといえばアンチモニウム・タータリカムとかね、ドロセラとかいっているわけです。熱が出たら○○湯じゃなくてベラドーナだよとかね。そのようにしてもっともっと熱が出たらもっともっと熱が出る花、ベラドーナがあるのでそれをとらせるわけです。そうすると自己治癒力、怠けた自己治癒力はどうしても気づかざるを得ないわけですよ。

元々熱が出ているんだけれど、おっぽり出している自己治癒力はその上にそれをとると熱がかーっとあがるもののパターンを入れることによって体があたかも熱が二倍ぐらいに上がったかのように思うわけです。そうすると自己治癒力が「ワー、私、熱じゃない、何とかしなければ」と思うわけですよ。

[インタビュア]
そこで回復に向かっていくわけですね。

[由井学長]
同種のレメディーの刺激をうけて、かかりきるんです。ひききるんです。出し切るんです。途中で止めることはできない。自分自身の自己治癒力を信じることができなければホメオパシーってなかなかできないですよね。でも私、これに染まって16年ですよ。一度も病院に行ったこともないし、薬をとったこともないわけですよ、一切。でもこんなに元気で生きているじゃないですか。今まで去年までは365日働いていましたよ。

[インタビュア]
休みなしですか。

[由井学長]
そうですね。今は月曜日休んでいますけれど。

[インタビュア]
出し切るという、じゃあ学校ではまず症状を有り難く思いましょう。そしてそれを出し切りましょうというところから教えてくださるんですか。

[由井学長]
それとマティリア・メディカというものを勉強するわけですね。それにはこういうものをとって、人体実験したらこういう症状がでたという、症状像が書かれています。それをひたすら覚えさせます。これを覚えないと患者の症状像に合わせてレメディーを選択することができません。それが三千種類あるわけですからいっぱい学ばなければいけないんですよ。風邪ひいても喉が痛くなる人もいれば風邪ひいたら下痢する人もいれば、風邪をひいたら腰が痛くなる人、などいろいろあるわけですよ。

そうするとみんな同じレメディーじゃない、同じ薬じゃないですよね。ある人が喉が痛い、ある人は腰が痛い、ある人が下痢しているわけだからレメディーは別個なわけです。だから風邪といっても何百種類のレメディーがあるわけですよ。それはその方のいちばん弱いところから出てくるわけです。

[インタビュア]
弱いところからですか?

[由井学長]
そうです。それが先祖の方々がかかって、治りきらないまま適応してあなたを産んでいるのでDNAの中に弱さ、もろさの記憶があるわけです。それをマヤズムというのですけれど、ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)では、このマヤズム医学というのもしっかりたっぷり時間をかけてやらされるわけです。それはかかりやすい傾向というのをひとりひとりもっているということ。どの病気でもマヤズムの分類の中に入っていくわけですよ。

このマヤズムはこの病気。この病気はこのマヤズムって。RAHはこの部分もとても得意です。また医原病といいまして、いわゆる薬や現代医学による治療からくる病気も得意です。元々リウマチがあったのね。それを、リウマチを抗炎症剤だとか、抗痛み止めだとか、とってしまったために「リウマチ」プラスアルファ「抗炎症剤病」「痛み止め病」という医原病ができあがるわけですよ。自然な病気と人工病の二つの病気を持っているわけです、この方は。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
それを医原病といいます。この医原病医学というのをうちはどんどん教えていきます。この医原病に関しては日本がトップでうちの学校でしか教えられないと思います。

[インタビュア]
日本がトップなんですか。

[由井学長]
なぜならこんなに薬を使う民族はないからです。

[インタビュア]
日本は異常に薬を使っているんですね。

[由井学長]
好きですね。だから医原病をどう蓋を取っていけばいいか教える学校がなければ日本でホメオパシーをやっても患者はなかなか治っていきませんよ。医原病の蓋が重いものですから、とてもとても普通のやり方では適わないです。それがわかったのです、私がやっていて。私、最初イギリスでやっていまして、イギリスの国民は予防接種は50%なんですよ、平均。また、一人の方のリピートが四回なわけですよ、予防接種。日本人の方は95%、予防接種をしていて、リピートは15回もあると思います。

[インタビュア]
全然数字が違いますね。

[由井学長]
数字違います。2006年のタミフルというインフルエンザの経口の錠剤ですよね。これはスイスで作ってそれで世界各国に売られるべきものの約80%を日本人が消費したという記事が新聞に出てましたよね。

[インタビュア]
80%ですか。

[由井学長]
ええ、異常ですよね。

[インタビュア]
異常ですね。

[由井学長]
インドなんかというのはホメオパシーが第一医学なんですよ。現代医学じゃないんですよ。ですからインドは昔イギリスから独立した時には一つの抗生物質を買おうと思ったら家が一軒買えるぐらいの同じ値段だったわけですよ。だからすごく貧乏な国でしたので、薄めたらいっぱいレメディーができるこのホメオパシーを第一医学にもって来たのですよ、賢いですね。

またマハトマ・ガンジーが賢かった、目覚めた人だったので、自己治癒力を触発するホメオパシーを第一医学にもってきたわけです。インドはまだそれほど医原病が深刻でないのです。ですからホメオパシーが盛んだといっても私達はインドから医原病の部分ではそれほど学ぶ事ができないわけですよ。

[インタビュア]
臨床例がないから。

[由井学長]
ええ。世界でもトップの医原病大国の日本でたくさんの患者さんを見てきて、これをなんとかホメオパシーで改善させたいという一心でやってきました。気がついたら医原病治療で世界をリードしていたという感じです。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
どうやって蓋を取っていくかということですね。もちろんうちの学校では、基本となるマティリア・メディカも覚えやすい形いでうまく教えます。四年間かけて覚えていきます。そしてマヤズム医学をしっかり学びます。全て病気の病名がつくものはマヤズムの中に入り込んでいきます。

もう一つが現代病である、医原病です。薬が原因となった病気。それから水道水の中に塩素があります。慢性的に塩素中毒になっている。ですから胃潰瘍だとか、潰瘍を起こす。粘膜がはれてしまう。口の中の粘膜、口腔内がはれて口内炎ができたり、口の中を噛んだりするわけですよ、はれて。これが塩素の問題です。これもある意味では医原病ですね。フッ素の害などもそうです。

[インタビュア]
この分野でいちばん進んでいるのが日本で…。

[由井学長]
このロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシーですね。だって私、日本に帰って来たら患者がなかなか治癒していかないんですよ。イギリスの患者と同じようにやっているのにです。イギリスの患者はみな比較的簡単によくなっていったのに……。

[インタビュア]
そうなんですか。

[由井学長]
ですからどうしようかと、よくよく調べたら、薬の使い方が半端じゃなかったということがわかったんですよ。抑圧の蓋が半端じゃなかった。

[インタビュア]
だからこそ日本で学校を設立しなければということを思ったのですか。

[由井学長]
最初は、日本にもホメオパシーを広げたい。そのために専門家を育成しなければならないと考えたんですね。だって私一人で日本のすべての患者をみることはできないですから。医原病は、学校を始めてから気づいたことです。何とかしなければいけないと思った。

まだ私はイギリスにいましたけれど、日本人がある意味でいえば、貯金高が高いので、薬屋さんに目を付けられてアメリカやヨーロッパやいろんな所から薬屋さんが日本に来てましたよね。また、みんな日本人は従順なところがあるので、偉い方が良いというとみんなとるんですよ。

[インタビュア]
そうなんですね。情けないというか。

[由井学長]
従順じゃないですか。ヨーロッパ人なんかいわれてもとりませんよ。自己治癒力にまかせればいいものでもすぐ薬をとるため、老廃物を押し出せなくなって、日本国民全体が非常に免疫の弱った人になって、ほとんどの方が水虫を持っている。水虫とかカンジタというのはこれは免疫が弱かったからこそこういうものになっているわけです。これを弱らせた原因のひとつとして予防接種があるわけです。

この国の予防接種率は高過ぎますからね。リピート回数が多すぎる。もう自閉症と予防接種の関係を見ればきりがない。私の自閉症の子供たちに予防接種を希釈振盪したものを与えます。MMRだとかB.C.G.だとかはしかなどのね。そういうものを与えるとすごくよくなっていったんですよ。この事実は変えようがないでしょ。誰がこの病気を作ったのかということがわかるわけですよ。

[インタビュア]
これは本当に実際に体験していらっしゃる、日本という国だからこその特徴になるんですよね。

[由井学長]
予防接種に関しては、ヨーロッパでも深刻な国があります。特にフランスなんかすごいですから日本と同じような状況になっている。ゆえにいっぱい癌になる子が多い。子どもなのに。血液癌、白血病。

[インタビュア]
そういう部分で世界を引っ張っていくような学校を作られているのですね。

[由井学長]
私達は残念なことに医原病先進国になってしまいまして、だからそれをどう私達が新たに、ハーネマンという二〇〇年前にホメオパシーを体系化した先生から二〇〇年経っていますが、当時は、抗生物質もありません、ステロイドもありませんでした。でも今は塩素も抗生物質もステロイドもあるんですよ。環境汚染もあるわけですよ。ダイオキシンもあるわけですよ。この中で生きている私達が新しく、またいろんなやり方だとか、新しくレメディーを発見しなければやっていけないです。

[インタビュア]
確かにですね。

[由井学長]
進んでいかなければいけないのです。ハーネマンから土台を学んで。基本はしっかり学びましょう。そしてプラスアルファ日本独自のものをやっていかなければいけないというものが私の考えであり、私達は進んでいかなければいけない。手をこまねいて二〇〇年前のハーネマンのままやっていたって、できないんだということが、私はイギリスでやっていて日本に帰ってきてわかったわけです。

[インタビュア]
そこでイギリス本校と英語ではなく日本語で授業をしていらっしゃるとお伺いしたのですけれど。

[由井学長]
イギリス本校で日本語でやるのはイギリスの先生方を通訳をつけてやりたいからですね。私達はいわゆる島国なわけですよ。そして極東といいまして、ファーイーストなわけですよ。ホメオパシー的にも私達はファーイーストなんですよ。

[インタビュア]
まだまだホメオパシーの認知度も日本では低いですよね。

[由井学長]
世界の中でホメオパシーが入るのがいちばん遅かったのは日本だったんですよ。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
私がもってくる一一年前まで全く入っていませんでしたから。

[インタビュア]
ではまだ11年なんですね。

[由井学長]
そうですね。今年で一一期生ですから。それで日本の先生方もさることながら、イギリスに本校があったら、ホメオパシーそのものはイギリスの政府が認めてますので、学校法人にもなりますし、また本校があったらそこに海外のヨーロッパの著名な先生が来て教えてくれて、それを生中継で聞けるという、極東にいながらにして聞ける。または現場に行って、イギリスに行って英語も勉強しながらホメオパスにもなれるという画期的なこともやる気があればできる。

若い人で向こうに2年間行くことができるんだったらそれはすごい得策だと思っています。それでもそれができないという条件下にあるならば日本でその生中継で聞ければいいなと思っていますし、また働きながらやっている人は土日、月に二回ぐらいの土日を四年間行くんですけれど、土日に勉強するやり方もあるんですよね。また、夕方だけのイブニングコースもあります。それは働きながらやれるのです。

[インタビュア]
となるとどんな生活スタイルをされている方でも興味さえあれば学べる環境は整っているという。

[由井学長]
整いましたね。何はともあれイギリスで勉強するのか、日本で勉強するのかが違いなだけであって整っているわけです。ですから多くの方にホメオパスという職業になっていただいたら自己治癒力を触発するためのお手伝いができれば、そして皆さんが心も体も健康になっていってくれるのであればどんなに嬉しいかなと思うし、そうすることによって国民自身が強くなると思うのですよ。

かかりきる、ひききる、出し切るということがいちばん強くなる第一歩だと思います。それには用事があって熱が出る、用事があって下痢をしている、用事があって汗をかいていると思える教育がないといけないんですよ。ウイルスがあった場合は熱が出なければウイルスを制覇することはできませんよ。熱が出ますとウイルスは包囲されるんですよ。包囲されましたら熱というものによって三九度ぐらい出るとウイルスは活動できなくなるわけです。ですからそこで包囲されまして、それが解熱剤を入れてしまいますと一気に熱が下がっていきます。そうするとウイルスは解決しないままそのまま脊柱を上って、脳髄に上がって髄膜炎になるわけですよ。

[インタビュア]
悪化する一方ですね。

[由井学長]
だからボルタレンを解熱剤をやればやるほど髄膜炎になる確率は高くなります。

[インタビュア]
それを日本国民は知らずにいいものだと思ってきたんですね。

[由井学長]
そうです。それは現代医学が強すぎる国だからです。そしてあたかも善のように偽善者がそのようにいうわけです。私達は熱が出て出しきった時に健やかに元気になるんですよ。出しきらなければ慢性化しちゃうんですよ。急性が慢性になっちゃうんです。そうすると今度は高熱は出せないけれど微熱を出して慢性疲労症候群になるんですよ。

[インタビュア]
だからもうすでに悪循環に入りかけているんですね、今は。

[由井学長]
入りかけているというかもう入っちゃっている。

[インタビュア]
それを由井学長はどう改革しようとしているのですか?

[由井学長]
原点に戻ろうという話をしていますので、だから「症状はありがたい」という言葉をどうやって教えようかと手を変え品を変えてやっているわけですよ。

[インタビュア]
「症状はありがたい」という言葉が私の中ですごい印象的なんですけれど。

[由井学長]
ある意味でいえば病気はありがたいこと。だってあなたを気付かせてくれるでしょ。今までやったこと、何かが間違えているからだ。正せばいいわけですよ、いろんなことを。

[インタビュア]
その人その人にあった、あなたはこういう症状が出ているからこういう、元々はこういうものなんですよ、ここを治していきましょうって、教えて、伝えていくというのも一つホメオパスの仕事だと。

[由井学長]
そうですね。それをサジェスチョンといいますけれど、こうなった理由。病気になった理由。やっぱり夜も寝ないで欲をかいて、夜遅くまでインターネットをずっとやってしまう。それでまた朝起きて会社でぼーっとして、また夜になってインターネットをずっとしたいという、そういう欲。何故寝ないのかということだ。寝れば治るじゃないの。そういう不摂生をしながら生きることはできないですよ。

やっぱり体の健康を守ろうと思ったならば、食事をしっかり食べて、睡眠をよくとり、いい水を飲んで、心がけをよくすること。だからそれには自己訓練がいるわけですよ。それが面倒くさいからすぐ薬でとなっちゃうわけですよね。まあニンジンを食べるよりビタミンAをとった方が早いからとそれもやってしまうわけでしょ。

[インタビュア]
そうですね。

[由井学長]
でもニンジンの中にあるビタミンAと人工的に作ったビタミンAは全く違いますよ。ニンジンを食べるんですよ。

[インタビュア]
そこの部分でやっぱりホメオパスを職業とされる方はモデルとしても見られるかと思うのですけれども。健康を維持するためには忍耐力も必要ですね。

[由井学長]
私達は健全に生きようとしていますので、酒も飲みませんし、ほとんど。たばこなんか全然吸わないし、そしてやっぱり空気のいいところに行こうとしますから、あまり買い物なんかも行きませんよね、デパートなんかに。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
そういうことに中毒にならない。買い物中毒、チョコレート中毒、甘いもの中毒、中毒にならないんですよ、生き生きと生きていれば。心が満たされないから中毒になるわけです。

[インタビュア
そこもまたカウンセリングすることで元の何かというのが見えてくるんですね。

[由井学長]
そうですね。

[インタビュア]
やはりホメオパスという仕事の魅力というものを是非お伺いしたいのですけれど。

[由井学長]
私この仕事やらせていただいて患者さんたちがどんどん皮がむけて、タマネギの皮がむけるようにこの人を本来のこの人が出てくるというのを見て、あーこの仕事をしてよかったなと。で、楽になりましたと。今までは仮面をつけてびくびく生きていたと。そしてこんなことをいったら嫌われるんじゃないかってびくびくして会社にも勤めていたと。でも自分の本当の性格が出て、それで向こうが腹を立てるの、それはおかしいと思うというようになった時に、よかったね、あなた皮がむけたねと私はいうんですよ。私ら人生の中でこう生きたら得策なんだといって、人が泣いたり怒ったり喚いたりすると嫌われるんですよ。泣いたり怒ったり喚いたり喜怒哀楽が出ているだけの事なんだけれど、嫌われるんですよ、人は。

その中で腹が立っても堪え、泣きたくてもぐっと堪え、あまり喜んではいけないと喜ばないと。そういう風にしてなんか普通のなんか手と足がもぎ取られたような適応して、騒動を起こさないような形にして仮面を作っていったんですよ。それを一人前の大人になるといわれるんですが、それだとすると人生は無味乾燥のつまらないものになってしまいます。

そんな自分自身を出せなくて仮面をつけたって何にもならない。結局、仮面をつけたがためにあなた自身を出せずに生きている意味がない。だからもっともっとあなたの個性はなんですか。あなたは誰ですか。この世に何のために生まれてきたのかということを突きつけられるのですよ、ホメオパシーの勉強をすると。

[インタビュア]
深いですね。

[由井学長]
それはそのとおりです。私ら生きて、おいしいものを食べて死ぬということはそれは無銭飲食というんですよ。生きて、体をどれだけ健康に維持できるか。そしてどれだけ魂レベルで成長できるか。これが私達に課せられたことなんですよ。

それを病気にかまけて病気ばかりにエネルギーを払う。または人を恨んでばっかりにエネルギーを払う。そんなのでは生きていてもしょうがないじゃないですか。

[インタビュア]
そうですよね、つまらない人生になってしまいますよね。

[由井学長]
つまらないです。要は生きてもっともっと自分を成長させたいという人は、ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシーにきて、ホメオパスになって働いたらいいです。そしてあなたはあなたが誰か知りたいだろうって。たまねぎの皮がむけて芯こが出てくるわけですよ。これがあなただよっていいたいわけです。
自分らしくし好きなように生きろ、好きなようにやれって、と変わると全身全霊で生きられる訳です。だからホメオパスの職業をやると自分も患者も変わっていくんですよ、どんどん。

[インタビュア]
目に見えてですね。

[由井学長]
その変わっていく様をみること、そしてその人たちが自由になって羽ばたいてくのを見ること、これはこの上もない嬉しいことであって、この職業ならではと思っているわけです。

[インタビュア]
その方の人生を変えてしまうだけの力を持っているわけですね。

[由井学長]
そうです。もちろんそれは自分自身で気づいていくのですが、そのお手伝いができるいい職をもったなと思っています。それが故に私はこれが聖の職だと思っているんですよ。だって私自身がそうだったんだから。潰瘍性大腸炎を患っているときに。なんて私はこう自分自身を許せなくて、なんて自分自身に冷たくて。でも自分が許せない人は人も許せないんですよ。人にも厳しかったですよ。

[インタビュア]
そうなんですね。

[由井学長]
それはそうです。自分を嫌っていましたよね。

[インタビュア]
自分をですか。

[由井学長]
そうすると人も嫌っていましたよね、同じように。だから恋愛なんかできませんでしたよね、自分を嫌っているから。

[インタビュア]
そうですよね。ではもうそういう部分かすべてを解き放してくれたのがホメオパシーだったんですね。

[由井学長]
ホメオパシーですね。この療法はすごいなと思っています。これは他にはもうない療法です。その代わり勉強がちょっと時間がかかりますよね、他よりはね。やる気でやらないといけないだろうし。でもみんなアトピーを抱えて、怪物とか気持ち悪いとかいわれて指を指された人たちが、ホメオパシーをやって治っていったんですよ。そうしたら学校に入るとくるんですよ。やっぱりそこで触発されて自分もこの仕事をしたいと思うようになるわけです。

[インタビュア]
自分が経験されるとその思いというのが更に強くなりますものね。

[由井学長]
そうですね。まあ私はこれにかけようと思いましたので、ありがたいことに、これでまた目的ができたというか…。今はなんの目的もなくふらふら生きている人もいるんだけれど、まあ忙しいけれど、本当に一つのもうみんな自己治癒力があるんだから、自己治癒力を信じてやろうじゃないかと。ホメオパシーはあなた自身を気付かせるんだというね。治すのも病気になるのもあなただよということをいつも言っていて、全国で講演したりしてるんですよ。

[インタビュア]
本当に毎日ホメオパシーの魅力を伝えることに力を注いでいらっしゃってその一つが学校をというスタイルですね。

[由井学長]
魅力といいますか、ホメオパシーというのは手厳しいこともありますので、出るものがありがたいといっても、すごい高熱がでてうんうんいってるんですよ。そしてできものがいっぱい出たりします。そのなかで辛いですよ。ホメオパシーはそんなに楽な療法ではないですよ。だから学校では学生たちにはとても手厳しいですよね。だって人の心や生命を預かり、人生を変えてしまうものなわけですから。それならばきっちり勉強しなさいと思っているわけです。

[インタビュア]
その人の人生を預けられるということですからね。

[由井学長]
まあ正直なところホメオパスにも力量がありますけれど、でも実力あるホメオパスに成長していくためには私の骨子を魂レベルで理解していただきたいと思うのですよ。それにはやっぱりいつも私は言っているのですけれど、自分が信じていることと事実が違ったりした時に、信じているもの、自分が正しいと思っているものを捨てる勇気があるかどうかです。

私達はこのように学んだんだけれど、患者さんがレメディーをとったらこのように言ってきたと。全然違ったりするわけです。でも事実というのは患者さんがレメディーを取ってこのようになったということが事実なんですよ。教科書に書いてなくてもそれが事実なわけです。ですから患者の言葉はありがたいわけですよ。ある意味でいえば。それは教科書に書いてなかったことだからそこに書き入れることをさせるわけです。

[インタビュア]
自分のオリジナルの教科書を作るのですね。

[由井学長]
私達は臨床というのをやらせるわけですけれど、臨床して私の横についてもらいます。患者がやって来て、レメディーをとり終えましたといい、私がいつも最初に聞くのは、さあ前回とった、2ヶ月前にとったレメディーをとっている間に何があったのって、とった後にどうなったのって聞くわけです。これが一番私にとって大事です。私は臨床主義なので、偉い方がマティリア・メディカを書いた。偉いホメオパスがですよ。

でもその書いたものが絶対だとは思ってないんですよ。それはそれである程度覚えます。だけれども本当にこれをこういう方に取らせてみてどうなったかという、事実が大事なんです。だから事実というのと自分が勉強して信じているものとは違うこともあるんだということを臨床から教えます。

[インタビュア]
事実を事実として認められる力があるかどうかでまたホメオパスとしての力量の差が出ますよね。

[由井学長]
そうです。あなたが信じていることと全く違うことが出てきた時にあなたがこれが黒だと思ったのに白が出てきたときにあなたはこの黒だと思ったのが捨てられるかということ。その勇気を持っているかということ。こういうのを臨機応変にしなければいけない。

[インタビュア]
かなり難しいお仕事ですね。

[由井学長]
でもしなければいけない。だからあなたがいいとか悪いとか、善とか悪とかを振りかざして裁いてはならないということだ。これが正しいんだとかこれが悪いんだよとかいうわけにはいかないわけです。

[インタビュア]
目に見えたものをそのままみるのですね。

[由井学長]
そうです。目に見えたものをそのまま受け取っていかなければいけない。患者の体は嘘をつかないのです。聞いたものをそのまま受け取っていく。

[インタビュア]
となると相当ホメオパスというお仕事というのは自己を統制しなければなりませんね。

[由井学長]
自己訓練がいりますね。だから常に真実だけを見ていく。常に臨床から出たきたものを書き取っていく力があるかどうかだ。自分の善悪を振りかざさない。自分の中に自分が道徳をもっていたりするじゃないですか。例えば女性がこうあってはいけないとか。患者がそうあらない患者が来た時に、「あなたは女性だからこうしなさいよ」ということは、止めた方がいいと思います。
患者は患者でそのままの人生をきているわけだから、この人はこの人の善悪をもっているわけですよ。私の善とこの人の善は全く違ったりするわけですよ。それを受け入れられるかということだ。100人いたら100人の考え方があって一〇〇人の善があるわけよ。ですね。それをこれが善だと思っているわけだ。この人は。それに対してあなたおかしいよという必要もないわけだよ。そう思っているんだもの。そう思っていたからこそこの人はこうして病気になっているんだから。

[インタビュア]
そこを気づかせて治してあげることですね。

[由井学長]
そこを治すには、要するにこの人を等身大でまるまるで見ていくことだ。そしてこれがいいよ、これが悪いというのではなくて、妄想の中にいるんだということを時と共に自分で理解するようになります。最初だから患者さんはこういうんですよ。もうレメディーとったらえらいことになりました。熱も出て、ぶつぶつも出てほんとどうしてくれます? こういう事は二度と嫌ですからねというんですよ。最初わからないから。

[インタビュア]
ホント理解していないんですね。

[由井学長]
レメディーを理解していないから。でもね、あなた。出るのはいいのよって。排泄がでているのよといっても、何を言っているんです。人ごとみたいに言わないで下さいよって抵抗するわけです。まだホメオパシーに対する理解がないから。それでホメオパスに怒ったりする。次のレメディーでこうなったら私は来ませんよとか言ったりするわけですよ。
わかった。次はあまり出ないよといって、でもまた出るんですよ。同じように。それでも何か患者も楽になっているのでしょう。続けるのですよ。本当にこの一年どれがいいというわけではないけれど、体調もよくなったし、先生、本当は私、排泄が出てなんか熱が出てとか怒ったけれど、本当はあれ老廃物が出ていたんですよねと本人が言った時に、今頃わかったかとそのとき初めてそうだよ、そうやって出していっていたんだよねって。でも最初はわからないよね。それでいいんだよって。でも今気付いたでしょって。

[インタビュア]
その分かり合えた瞬間というのがなんともうれしい瞬間になりますね。

[由井学長]
うれしいですね。こちらを理解してくれたし、そうなると信頼感は絶大ですよね。すごく感謝されるんですよ。特に障害児を持っている子供が、だんだん親の言うことを理解したり、全然歩けなかった子が歩けるようになったりすると親はうれしくて、うれしくて。それをやっぱり私がやったんじゃなくて、この子の自己治癒力がやったのよといいながらもやっぱり私もうれしいですよね、言われるとね。

[インタビュア]
そうですよね。

[由井学長]
いい手助けができたなあと思って。

[インタビュア]
それは最大の魅力ですね。ホメオパスというお仕事の。

[由井学長]
そうですね。その人がその人らしく立って、自分の足で立って、動き始めた。生きはじめたということを見送ることなのです。そしてそれはその人の時間の歩みでやらせることであってプッシュしないのです。

[インタビュア]
それは忍耐が必要だけれど。

[由井学長]
どれも何でも仕事は忍耐が必要なんだもの。あまりにもみんな忍耐がなさすぎるんだ。忍耐をした分、あなたは辛抱した分、あなたはまたよいものをもらえるわけだ。これが私達の勉強だ。

[インタビュア]

本当に、今日いろいろホメオパシーにいちばん最初に出会った由井学長の経験から、また今後の展望ですとか、魅力というのをお伺いできてすごく、私としては貴重な体験をしました。

[由井学長]
そうですね、この療法の素晴らしいところはそのもの自身がそのものを生きるということを助けられるということ。犬は犬らしく、人間は人間らしく、牛は牛らしく、アメンボウはアメンボウらしく生きるというのがいちばん。

[インタビュア]
それはまた日本も元気になるし、世界も元気になるし。

[由井学長]
そうです。自分らしく生きよう。自分らしく生きて初めてあなたがあなたを花咲かせるんだ。これが生きた意味。私は「あなたはあなたを生きていますか?」とみなさんに聞きたいのです。そんなところですかね。どうもありがとうございます。

[インタビュア]
どうもありがとうございました。

■プロフィール
由井 寅子 Torako Yui
日本ホメオパシー医学協会会長。英国ホメオパシー医学協会(HMA)認定ホメオパス。英国認定ホメオパス連合(ARH)認定ホメオパス。日本のホメオパシーの先駆者であり第一人者。ホメオパシーを応用した独自の三次元テクニックを開発、予防接種病などの医原病やインナーチャイルドへの対応では、世界をリードするホメオパスとして活躍中。ホメオパシー専門家の育成・教育機関ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)を一九九七年設立、現在、同校学長。著書は『ホメオパシーin Japan』『予防接種と医原病入門』(ホメオパシー出版)など多数。URL:http://www.homoeopathy.co.jp/index.php