人工だけれども、偶然に産み出された不思議な石

日本ではほとんど知られていない、その石の名前は「フォーダイト」。「モーターアゲート」や「デトロイトアゲート」などとも呼ばれています。

【人工のパワーストーン】

「人工の石」というと、どんなものをイメージするでしょうか? 有名なものとしては、水晶を加熱し、金などを真空蒸着させることで、今までに無い色味を実現した「アクアオーラがあります。

こちらの石は、人工でありながらも、「オーラの癒やし」「宇宙意識と繋がる」「ネガティブエネルギーから身を守る」といった力があるとされており、必ずしもパワーストーンは天然である必要がないという証明のひとつともいえます。

このようなパワーストーンはいくつも存在しており、「ブルーゴールドストーン」は、溶かした「ガラスの中に亜酸化銅の粉末を混ぜ込んで作られた」ものです。前述のアクアオーラは、核となる部分は天然の水晶を使っていましたが、こちらは、ガラスと亜酸化銅がまざったものであり、より人工度は高いといえるでしょう。

しかし、こちらの石は「自己表現の石」などと呼ばれ、「人や物に出会える良いチャンスを与えてくれる」「カリスマ性を与えてくれる」「魔除け」などといった意味合いをもっています。

このように見てくると、パワーストーンというのは、必ずしも天然であるどころか、美しい模様などがでて、それが人を惹きつけることができれば、その素材さえも問わないということができるかもしれません。

 

【偶然生まれた美しい石】

前述の二つは、ある程度、人間が意図して新しい美しさを産み出したわけですが、意図せずに美しい模様が生まれてしまった人工石という、ちょっと不思議なものもあります。
日本ではほとんど知られていない、その石の名前は「フォーダイト」。
「モーターアゲート」や「デトロイトアゲート」などとも呼ばれています。

冒頭に掲載したものが、フォーダイトを使ったアクセサリーですが、「アゲート=瑪瑙」という別名があるように、とても「美しい縞模様が入っている」ことがわかります。こちらは、その名前の通り、アメリカのデトロイト州で産出されるものですが、通常の石のように地下ではなく、「自動車工場の中で産出する」のです。

今では自動車の塗装工程はかなりオートメーション化されているのですが、古い時代には塗装職人が手動で塗っていました。そんな塗料が通路や機械に飛び跳ね、焼き付き処理によって乾燥するということを繰り返すうちに、塗料の層ができあがり、場所によっては「100層にも及んだ」ということです。

こちらは、「偶然できあがった産物」なのですが、その断面の美しさから偶然に生まれた人工の石として愛されるようになりました。発見された場所がデトロイトですが、他にも似たような行程で車を作っていた古い工場跡地からは産出されており、場所によって塗装工程が違うために、その色合いから、産出地を特定したりできるということです。

 

【失われゆく石のパワーを感じませんか?】

人工といいながらも、ほとんど「自然に生まれた石とかわらない要素を持つ」、フォーダイトですが、地熱によって新たに産み出される可能性がある天然の石とは違って、すでに手動で塗装を行う工場がほとんどなくなっていることから、「現在流通しているものがなくなったら、もう新しいものは出てこない」のではないかといわれています。

フォーダイトには現在のところ、パワーストーン的な意味合いは付与されていませんので、興味のある方は、この不思議な人工石を手に入れて、そのパワーを感じて、意味をつけてみるというのも面白いのではないでしょうか?

Power Stone of artificial.
It occurs by chance “Fordite”

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