不思議な心の世界を体験してください

「心理学」というと難しく考えてしまいますが、日常生活の中では様々な心理状態によって、「不思議な心の世界」が存在しているのです。

こんにちは、心理士の村田です。今回は、人間の心の不思議さについてみていきましょう。
心理学というと何を連想しますか?
不思議な心の世界を体験してください。

 

不思議な心の世界

催眠術、洗脳、トラウマ、異常行動、幻覚、二重人格などは、皆さんも興味があるのではないでしょうか。

また、うつ病、自閉症、引きこもり、いじめ、認知症などの社会問題があります。最近話題になっている脳を鍛えるといった脳機能研究も広い意味での心理学の一分野です。

振り込め詐欺や霊感商法なども人間の心理を悪用した例です。注意しなければいけないと思いながら引っかかってしまいます。

過食症についても、頭では理解していても、理性でコントロールできずに無意識のまま、食べ込んでしまいます。そして、そのあとに自分を取り戻し後悔して、指を喉の奥に突っ込んで嘔吐したりします。

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これらは、ネガティブな例えでしたが、ポジティブな例もたくさんあります。交通心理学は交通事故の削減に一役かっています。以前は、交通戦争と言われた交通事故は1970年に17,000人の死亡者数が4,300人に減少しています。

 

計算ができなくなる

「人間は考える葦である」パスカルの有名な言葉です。しかし、人間は意外に考えていないといえます。

これを試してみてください。5秒以内に答えてください。

「ノートと鉛筆を買ったら110円だった。ノートは鉛筆より100円高い。鉛筆はいくらか。」

周囲の人にも試してください。10円と答えてしまう人が多いのに気付くでしょう。
ノートをX、鉛筆をYとすると、
X+Y=110、X-Y=100
X =105、Y=5となります。

したがって、ノート105円、鉛筆5円ということになります。
人間は時間に迫られると適切な判断ができなくなってしまうのです。

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3割打者の次の打席のヒットの確率

野球中継を見ていても、「○○選手は、ここまで3打席凡退が続いています。3割バッターですからヒットが出そうですね」というアナウンサーの言葉がしばしば聞かれます。

ここには誤りがあります。3割バッターでしたら、次の打席でヒットが出る確率は30%です。

 

負けるのが分かっているのにギャンブルする

ルーレットで、赤が続くと次には黒が来るぞと考えがちです。これをギャンブラーの誤謬といいます。

本来は赤と黒の出る確率は、それまで続けて赤が出ていても、次に黒の出る確率は1/2なのです。また、競馬や競輪、パチンコなどのギャンブルですが、集めた金額から予め必要経費を差し引きますので、配分は少なくなります。

投資総額>回収総額となりますので、回収の可能性は減少します。つまり、冷静に判断する人は回収の可能性が低下するので、ギャンブルや宝くじに手を出すことはなく、ギャンブルや宝くじは衰退することになります。

しかし、現実は逆で、ギャンブルや宝くじは隆盛を極めています。

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脳は「○○してはいけない」を理解できない

次に、これを試してみてください。

自由の女神を想像しないでください。
次に、数字の3を覚えないでください。

いかがですか? 自由の女神や数字の3を想像してしまいますよね。
このように、食べ物のことを考えないと考えるほど、食べ物のことを考えてしまいます。また、失恋のとき、相手のことを忘れようとすればするほど思い出してしまうということです。

いかがですか? 人間の世界はこのように不思議なものです。

 

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