褒め言葉パワーの効果的な使い方、愛の獲得に

人は誰しも相手から褒められたいものです。しかし、ただ褒めれば相手から愛されるということではありません。人間に大きな影響力を与える「褒め言葉」について、アメリカの心理学者エリオット・アロンソンらが行った実験を参考にお話ししましょう。

こんにちは、心理士の村田です。

一時期話題になった「ビリギャル」ですが、私は読んでいないのですが、これも「褒め」を利用したオペラント条件づけの効果のようです。

頑張れば成績が上がることや成績が上がっていくことを褒められると嬉しくなり、やる気が出てくるのです。そして、やる気が出てくれば勉強も楽しくなり、成績も上がるというポジティブなサイクルが出来上がります。

恋愛も同じ。褒められると嬉しくなり、恋愛に対するモチベーションが上がり、愛が深まっていきます。

 

喜びが大きいほど愛情は強くなる

このように「褒め言葉」は人間に大きな影響力を与えます。そして、褒められた人は大きな喜びを感じます。前回、「喜びが愛を呼ぶ心理、喜びと愛の関係」でも述べたように喜びが大きいだけ、大きな好意が得られるということになります。

喜びが愛を呼ぶ心理、喜びと愛の関係

しかし、ただ褒めれば相手から愛されるということではありません。効果的な褒め方があるのです。

Male Doctor Talking with Patient

Male Doctor Talking with Patient

 

一旦けなしておき、次に褒めると効果的

アメリカの心理学者エリオット・アロンソンらはある実験を行いました。実験の参加者と4つのグループに分けられ、実験者から4つのパターンの対応を受けました。

1、 初めから終わりまで褒められる

2、 初めから終わりまでけなされる

3、 初めはけなされ、その後に褒められる

4、 最初は褒められ、その後にけなされる

その結果、3、1、2、4の順で好感を持ちました。つまり、最初にけなして後から褒める方が好感度が得られやすいということです。

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「◯◯さんは、軽い性格に見えるけど、仕事ができるね」といった褒め方です。しかし、「君は太っているけど、可愛いね」というのはダメ。自分が関心を持っていることをけなされると気分を悪くします。けなすのは、他愛のないことで、褒めるのは相手の関心の高いことにすべきです。

 

人づてに褒めると効果的

もう一つ効果的な褒め方があります。それは、人づてに褒めるテクニックです。例えば、気になる人の友達に、「◯◯さんの仕事は素晴らしい」と褒めておくのです。そうすると、「☓☓さんが、君のことベタ褒めだったぜ。」という話になるでしょう。ときには、「気があるんじゃないか?」という尾ひれもつくでしょう。

友達の言葉は、第三者の発言として直接褒めるより説得力があります。従って、それだけ好感度も高くなるのです。

ちなみに、このテクニックは商談や組織内でも有効です。商談の場合、窓口担当者に上司の「褒め言葉」を伝えておきますと、その上司に伝わり、あなたの好感度はあがります。また、部下を褒める場合も部下の友達に部下の「褒め言葉」を伝えておくと、部下にそれが伝わり、モチベーションが上がります。

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逆に悪口も説得力がありますので要注意です。

 

褒めるときの注意

賞品などでモチベーションアップを行うと、賞品がないとやる気が出なくなります。これが、アンダーマイニング効果です。子供に勉強させる場合、おもちゃや菓子などの報酬を与える代わりに勉強させると、報酬がなければ勉強しなくなります。

褒めるのはいいですが、プレゼントなどを頻繁にあげることは、プレゼントをしなければ、言うことを聞かなくなりますので、要注意です。

あまり同じシチュエーションで褒めると、褒められることに慣れてしまい、効果が薄くなるので、要注意です。

褒め言葉は非常に強い力をもっています。その力を使わない手はありません。恋愛だけではなく、教育や仕事に活用できるテクニックです。

 

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