インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』! Vol.8〜神の恵み「ギー」の効能とつくり方をご紹介。

バター? オイル? ギーは、摂取すると脳と神経系を強化し、記憶力を改善すると言われています。さらに、塗れば最高のマッサージオイルと化し、乾燥肌改善、老化防止に繋がるんです。

肌を浄化しながら滋養する、
アーユルヴェーダの美肌マジック<5>

前回では、セサミオイルをご紹介しましたが、今回は、アーユルヴェーダで
はセサミオイルとともに絶対に外せない重要なオイル、ギー(精製バターオ
イル)についてお伝えしたいと思います。

伝統的に使われてきたオイル その2.
ギー(精製バターオイル)

gheeギーは、無塩バターを加熱して作られる、常温保存ができるオイルです。
古代インドでは、傷の回復を促進する治癒オイルとして、特に怪我を患った
人たちのためや手術後に皮膚の再生を早めるために使われてきたことで知られ
ています。

アーユルヴェーダでは、牛のギーは、食用として最良のものと考えら
れ、元気回復剤、若返り薬、そして長寿を促進する食べ物と見なしています。

インドの人たちは、ギーを肌の外用薬として、さらに体の内側から毒素を引
っ張り出す内服薬アーユルヴェーダの解毒治療では、毎朝ある一定量の
ギーを数日間飲み、胃腸にへばりついた毒素を柔らかくして体外へ排出しや
すい状態へ整えます)としてはもちろん、日常的に料理やお菓子にも頻繁に
使われています。焼きたてアツアツのチャパティ(インドの家庭パン)にギ
ーを塗って食べれば、寿命が延びるとインド人たちは信じて疑いません。
実際ギーは、脳と神経系を強化し、記憶力を改善するといわれています。

ギーは、セルフマッサージにとてもよいオイルの一つ。
特にキメの粗い乾燥肌の人には、最高のマッサージオイルで、
肌に滋養を与えながら柔らかな質感をもたらし、肌自体を丈夫にします。

ギーでマッサージすることの利点は、なんといっても消化器官を通さずに
ギーの薬効を直接的に肌の表面から身体組織のより深い部分へ浸透させる
ことができるところ。

アーユルヴェーダの経典チャラカ・サンヒタによれば、規則的なセルフマ
ッサージ(アビヤンガ)は、老化した肌に最高のアーユルヴェーダ薬とされ、
老化プロセスを遅らせるとともに、肌艶をよくし、小じわを減らし、また、
どんな種類の湿疹にも効果があります。また、お年寄りや衰弱した人の床ず
れに驚くほど効くといわれています。

ただ、私自身の体験としては、、
ギーは乳製品独特のミルキーな匂いがあるので、全身にたっぷりと塗りこむ
よりは、顔や腕といった部分的に使うか、あるいは他のオイルと混ぜて使う
方がよいかもしれません。
というのも、一度実験に全身をたっぷりのギーでマッサージしたことがある
のですが、確かに肌はふんわりしシルクのように滑らかさになったものの、
マッサージの数日後は、ベサンでまめにスクラブしてみても、全身からミル
キーな匂いが漂い続け、「インドの匂いがする」と数人から指摘されることに。。

実際インドでも、どちらかというと小シワ消しや保湿をアピールしたフェイシャル用マッサージクリームといった、部分的なマッサージに使われるクリ
ームに、ギーが原料として入っていることが多い印象でした。

もし、乾燥肌がとても酷い状態の場合は、ギーに精油などを加えてマッサー
ジするのがおすすめです。

いろいろと薬効の高いこのギーですが、実は自宅で簡単に作れます。
ぜひ、作ってみてください。

ギーの作り方:

1.生の無塩バター(オーガニックのものがあればベスト)約500g
弱火~中火で約15分間加熱します。
バターは自然に溶け出し、沸騰しはじめます。
沸騰すると、表面にスープのようなものが浮かんできます。
この泡には薬効が含まれているので、取り除かないでください。

2.火をごく弱火にし、加熱し続けます。バターは黄金色に変わり、
ポップコーンのような匂いがしてきます。

3.水を一滴か二滴ギーの中に落とすと、パチパチという音がなります。
このサインが出たらギーの出来上がり!

熱を冷ました後、濾し器でこし、容器に入れて常温してください。
ギーの薬効は置けば置くほど増してくるといわれています!

0

脂肪分の多い水牛ミルクはジンジャーと組み合わせると◎

インドでは牛は神といわれていますが、まさに牛乳が一つあれば、チャイも
チーズもバターもギーもヨーグルトも、なんでも自宅で作れてしまいます。
そんなインドの伝統に、当時はとても感動したものです。

 

★次回は、アーユルヴェーダといえばこのオイルも外せない!
伝統オイルその3.「美肌&美髪を保ち、ついでに脳を強化するアーモンドオイル」
についてお伝えしていきたいと思います。