鍼灸師が答えます。つらい脚のむくみ。その原因と解消法は?

むくみの原因であるふくらはぎのポンプ作用の低下や、リンパの流れの悪くなる根本的な原因とは?
鍼灸師が答えます。つらい脚のむくみ。その原因と解消法は?

夕方になると靴がきつくなる、脚がだるい、すねが痛い、ふくらはぎが張るなど、足のむくみに悩まされている方は多いと思います。むくみの原因は、ふくらはぎの筋肉が硬くなることでポンプ作用が十分に働かなくなり、血液やリンパの流れが悪くなるため、と一般的には言われています。 確かにその通りなのですが、なぜふくらはぎが硬くなるのか、なぜリンパの流れが悪くなってしまうのかについてご存知の方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。 今回は、足のむくみの原因であるふくらはぎのポンプ作用の低下や、リンパの流れの悪くなる原因を探ってみたいと思います。

足は第二の心臓

心臓から動脈に送 り出された血液は、体中に酸素や栄養を送り届け、体内を循環して老廃物や二酸化炭素を受け取った後、静脈を通って再び心臓へ送り返されます。 行きは重力方向ですのでスムーズに流れますが、帰りは重力に逆らうことになるため、心臓のポンプ作用だけでは不十分です。そこで、ふくらはぎの筋肉を使って下半身の血液を心臓に戻すのです。「足は第二の心臓」と言われるゆえんです。リンパは静脈にそって全身にはりめぐらされていて、静脈で吸収しきれなかった一部の老廃物や、体に入ってきた異物を吸収して処理します。血管には心臓というポンプがありますが、リンパにはなく、またリンパにある平滑筋層の運動は微々たるものなので、血管以上にふくらはぎのポンプ作用が重 要になります。

土踏まずがあるのは何のため?
足は体の大きさの割には非常に小さいです。また、人間は二足歩行をするため、四足歩行の動物に比べて足にかかる負担が大きくなっています。犬やネコの足の裏をごらんになったことがあるでしょうか? 彼らの足にはアーチ( 土踏まず )がありません。 立位や歩行の時に四足動物よりも足に負担がかかる人間にだけアーチがあり、二足歩行に耐えられるようになっているのです。

脚のむくみの原因は?
脚を流れる血液やリンパ液は、主にふくらはぎの筋肉のポンプ作用により心臓へ送り返されるのですが、ふくらはぎの筋肉が硬くなってしまうと、そのポンプがうまく働かなくなってしまいます。では、ふくらはぎの筋肉が硬くなってしまうのはなぜなのでしょうか?

人間は歩く時、足の指の付け根あたりで蹴り出し、かかとから足先へと順番に着地していきます。その時、足の指の付け根が軽く反り、足の甲の骨の間が横に広がります。歩くという動作は、足の裏に全体重が勢いよくかかるため、このようにして負担を減らしているのです。足の指の付け根が硬くなっていていると、着地する際かかとからドスンと着くようになります。勢いよく地面に足の裏を着くと、体の防衛反応から足首やふくらはぎが緊張します。すると足首の動きが悪くなり、ふくらはぎの筋肉も硬くなり、ふくらはぎや足の裏に大きな負担がかかります。足の裏が痛くなる足底筋膜炎や、マラソンランナーに多い、すねの内側が痛くなる「シン スプリント」と呼ばれる症状も、ほとんどの場合足の指の付け根が硬くなることが大きな原因です。

足の指の付け根が硬くなってしまうのはなぜ?
ピクチャ 9 一番の原因は脚が伸びていないことです。これは、簡単に言うと、骨盤が前傾しているために脚を開いて立つことでバランスをとる、いわゆるO脚の状態になっているということです。脚が伸びていると、立っている時に股関節に重心が乗ります。これが一番体に負担がかからない立ち方です。しかし、脚が伸びていない場合、重心がかかるのは膝の上です。試しにその場で膝を曲げて、前に突き出してみてください。体重が膝の上にかかり、重心が足の指の付け根の方に移動した感じがわかると思います。すると、うまく土ふまずで体重を分 散できなくなり、足の指先の付け根に必要以上に負担がかかります。脚が伸びていないと体が冷えやすくなるので、体が冷えている人はむくみやすいと言えます( 詳しくは、前回記事の「脚が伸びていないと冷えやすい」の項をご参照くださいhttp://www.el-aura.com/post_hiesho_acupuncturist_20150210/ )。

靴にも注意!!
足に合わない靴も、足の指の付け根に負担をかける原因です。先の細い靴、ヒールの高い靴、靴ひもの締めすぎなど、歩く時に足先が縦横に動くゆとりがないと、足の指の付け根を硬くしてしまいます。 歩く時は、足の指の付け根の関節が背屈( 反りかえる )して、かつ横に広がるのが正常な状態です。歩く時にいろいろな筋肉をスムーズに連動させることができれば、足首もふくらはぎも大きく動き、ふくらはぎのポンプ 作用が十分に働きます

歩くとすぐに疲れるという人の多くは、足首やふくらはぎが硬くなっていたり、脚を上に上げる筋肉がうまく使えていません。足のすねと膝の下だけを使いペタペタ歩くため、すぐに疲れてしまうのです。長時間立っていたり、座ったままでいると、誰でも多少は足がむくみますが、少し体を動かすことで楽になると思います。一番簡単なのは歩くことですが、足先が硬くなってしまっている人は歩いてもむくみが取れませんので、まず爪先立ちになって背伸びをするのが良いでしょう。足の指の付け根を大きく動かすように、ゆっくりやってみましょう。

ピクチャ 10 無理せず痛くない範囲でかまいません。足の付け根が十分に動く柔 らかい靴なら、履いたままでも大丈夫です。背伸びをする事により、足先が柔らかくなり、むくみが解消されるはずです。日ごろから、足の指の先が硬くならないように気をつけましょう。先の細い靴やハイヒール、靴紐の締めすぎは足のためにはよくありません。

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トーエ治療院 東江英行