大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。
少しずつ、秋らしく。
今年は残暑も緩やかで、秋の訪れが早いような……。
そんな季節に相応しい? かもしれない卦を2つ、ご紹介いたします。
まずは、「豊(雷火豊)」です。
「豊」の卦が得られた時は、「今が一番いい運勢」という状態です。逆に言いますと、これから先は、運気があまりよくない状態に入ります。
そんな「豊」には、2つのイメージがあります。
ひとつは、「秋の豊かな実り」です。タイミングを逃さず素早く収穫して、やがて来る厳しい冬を乗り切ろうというイメージです。
もう一つは、「収穫」ではなくて「剪定」です。実を切り取ることは同じなのですが、上手く育たず腐ってしまった果実を切り離す、というイメージを持つというわけです。
腐れ縁?
この「豊」の卦の直前に置かれているのが、「帰妹(雷沢帰妹)」です。「きまい」と読みます。
「帰妹」は、「若い女性がとつぐ」という意味です。しかし、これはめでたい運勢ではありません。不正常な男女関係を意味します。この卦が出た時には、「いろいろあるけれども、何事につけそのウラにある男女の問題に注意せよ」という運気です。
……言葉を飾りましたが、アレです。ひと言で言ってしまえば、「不倫」を象徴する卦です。
かりに不倫でないとしても、「強すぎる思い、行きすぎた情熱、むき出しの欲望」、そういったものが背景にあることを感じさせる運気と言われています。
先週の記事とも少し関わりがあるところですが……。
易占は、「道徳的な占い」ということを、おもてに掲げる占いです。
ただ、この「道徳」の内容も、時代によって変わってきますよね。
たとえば、古代の農業社会であれば「リスクを取って冒険する」ことは、それだけで「道徳的に悪いこと」とされがちでした。それが「良いこと」とされる占例は、よほどの極限状態ばかり。
しかし、21世紀に生きる私達は、「自分でリスクを取って判断すること」を、むしろ好ましいこととして眺めることも多いですよね。
「不倫」については、それを良いことと申し上げるつもりは、毛頭ありません。
しかし、「絶対悪」・「占いを立てることすら許されないほどの悪事」とまでは、私には思えないのです。(最も典型的な例は、婚姻関係が破綻しているようなケースでしょうか。)
易占が本来想像していた社会と、現代社会とでは、複雑さが大きく異なっています。
もちろん、いつの時代・どの社会にも通ずる倫理というものも、あるとは思いますけれど……。
あんまり杓子定規に(ことに儒教的な意味合いで)、「善悪」や「道徳」を振り回しすぎてしまうのも、いかがなものかと思うのであります。
腐れ縁を、切り離す。
本題に戻りまして。
「帰妹」の次に「豊」が並んでいる。
この関係にも、いろいろな意味がありますが。
そのうちの一つが、「腐れ縁(帰妹)だから、切り離そう(豊)」というイメージだ、というわけです。
夏の恋、ちょっと浮かれて失敗しちゃったなあ……。
そんな時には、「もったいないように思えても、スパッとお別れ!」という発想がお勧めになることも、あるのではないでしょうか。
と、こんな視点はいかがでしょう?
うまくいかない恋にしがみつづけるのは、どうなのでしょう?
個別の問題について、指針を提案いたします。
参考になるところがありましたならば、幸いに存じます。
金運:勝ち逃げ・損切り、考えるべきかも。
仕事運:関係の見直しも、時には必要ですよね。
就職・転職:必要ならば、ズバッと。
恋愛・結婚:うまくいかない恋にしがみつづけるのは、どうなのでしょう?
家庭:決めるべきところは、ピシッと決める。
学問・芸術・趣味:うまくいかなかった試みは、いったん放棄してみては?
《未畫齋さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/mikaku/?c=91777