こんな視点はいかがでしょう? MIKAKUの易占アドバイス(9月第2週)

この「損」の卦の面白いところは、「ボランティア」のように、自発的に・自分から動かなくてはいけないのですが、じゃあリーダーシップを取っていくのが良いのかというと、そういうわけでもないというところです。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

 

嫁と(小)姑

今週は、「睽之損」(睽、損へゆく)の卦から得られる指針をご紹介します。
「睽」の中に「損」が包み込まれているという運気を示すわけですが……。

メインの運気である「睽」(けい)は、「そむく」と訓読みします。「反発」を象徴する卦です。
ただ、この「睽」が意味しているのは、「家庭内不和」や「内輪もめ」といったニュアンスでの「反発」です。

典型例が、「嫁姑問題」や、「会社内での派閥争い」です。

「『同にして異』ということの意味を考察せよ」、「天地は反しているけれど、その働きは一体である。男女は異なるからこそ、愛情が通じあう。」、「深いところでは通じ合っている」……などの言葉が『易経』に示されています。

つまりは、「ケンカはしても、それでも家族(仲間)。どこかで通ずるものはある。」と、そういう運気を示しているのが、「睽」であるというわけです。

内輪もめをしているのですから、何か大きなこと、積極攻勢を仕掛けるようなことには向いていません。もっとも、内輪もめは外敵が現れると途端に治まってしまうもの。防御には案外適していて、大ピンチには粘り強さを発揮できる運気と言うこともできます。

なお、今回は、易占の用語で「一爻変」と言われる卦で、特に意識すべき爻辞(占いの言葉)があるとされるケースです。
その占いの言葉を、意訳ですが、紹介いたします。
「反発されて孤独な思いをする。しかし、立派な人物と出会って誠意を通わせることができる。したがって、危ういけれども、大問題にまでは至らない。」という言葉です。

孤独を感じてしまうような時、何かのヒントになれば、幸いです。

 

誘い受け?

「睽」に内包されている、サブの運気が「損」です。

「損」の卦は、現代的に表現するならば「ボランティア」です。何かと「しんどい努力が必要になる」とされる時期を象徴します。
また、「相手次第」という部分がありますので、やはりなかなか大変なイメージもあります。

この「損」の卦の面白いところは、「ボランティア」のように、自発的に・自分から動かなくてはいけないのですが、じゃあリーダーシップを取っていくのが良いのかというと、そういうわけでもないというところです。

リーダーシップを象徴するのは「益」の卦。字面からしても反対ですので、「損」の指針にはなりにくいところがあります。

こんな「損」の卦を説明するのに、ぴったりの言葉を最近耳にしました。
それが「誘い受け」です。

基本的には「受け身」、誰かにリードしてもらうんだけど、そういう状況に持っていくように「誘う」、つまり自分から動いていく。
これが「損」の卦にはぴったりの行動指針ではないかと思っています。

また、今回は、「一爻変」の卦。「睽」の卦に見られる「特に意識すべき爻辞(占いの言葉)」に対応する爻辞が、「損」の卦にもあります。
「病気の根を断とう。素早く動けば喜ぶべき結果になるだろう。大問題にはつながらない。」という言葉です。

直接的にも、比喩的にも、分かりやすい言葉が得られました。
思い当たる事情がおありの時には、参考にしていただけると幸いです。

以上より、今回の卦である「睽、損へゆく」からは、以下のような指針が得られます。

「嫁姑問題や、会社の内紛、その他小さな争いごとがある」。
そんな時には、「自分が仕切るのではなくて、他の人に解決のリーダーシップを任せるという手段もある。ただ、その流れを作るための努力は欠かさない。」という姿勢がお勧めになることがあります。

嫁姑問題であれば、ご主人(息子さん)に頑張ってもらうということですね。

ご主人(息子さん)を上手に動かして、家庭の平和を取り戻す。

こんな視点はいかがでしょう?

 

細かく動くよりも、本質を見ると良いかも

個別の問題について、指針を提案いたします。
参考になるところがありましたならば、幸いに存じます。

金運:やや不調な時は、好転要因を見逃さないことが大切になりそう。
仕事運:裏切る人がいても、信頼できる人もいます。見極めたいものです。
就職・転職:自己主張も大切ですが、相手の話を聞いて、会話のリズムを合わせることも大切かもしれません。
恋愛・結婚運:細かいチェックポイントで加点減点するよりも、全体を見て大まかな印象で決める。そんな決め方もあるのでは?
家庭:信用できる人に舵取りを任せると、案外うまくまとまることも。
学問・芸術・趣味:いろいろ神経質になってしまう時には、基本に帰ってみては?

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