アロマコラージュ療法®による不登校支援〜受容的な雰囲気のなかで行われるシェアリングで気づきを深めていきます

不登校の小中学生は全国に12万人以上います。不登校と聞いていじめを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、いじめは不登校の要因の一部にすぎません。不登校の要因・背景は個別性がとても高いのです。

ひよこの家では、教室スタッフが一人ひとりの子どもが置かれた状況、子どもの性格を把握し、悩みがあれば膝突き合わせて話を聴き、徹頭徹尾、寄り添います。
お母さんのような、姉貴のような、兄貴のような関わり方。
子どもたちは、護られた場所で自由にのびのびと、時に通級生同士「きょうだいげんか」しながら、過ごしています。

おじいちゃん、おばあちゃんの家みたいな古民家で、家族のように過ごしながら、子どもたちは変化していきます。
子どもたちの変化がアロマコラージュ作品に表れ、作品のなかに子どもたちの内面の変化を見ることができます。

古民家というハードと、教室スタッフというソフトが見事な相乗効果をもたらすひよこの家。
不登校の子どもたちのためにこんな温かな場所がある——手を振って見送ってくれる子どもたちや教室スタッフを振り返るとき、決まって思うのです。
ここは日本の宝だと。

   
(土間の七夕飾りやクリスマスツリー、囲炉裏……。四季折々の表情を見せてくれる古民家。囲炉裏であったまる大学生たち。不登校の子どもたちと過ごすなかで、大学生もまた成長していきます。)

 

体験活動で楽しく通級し自信をつけていく。栃木県真岡市「ライブリー教室」

今年も栃木県真岡市の適応指導教室「もおかライブリー教室」からかわいい招待状が届きました。
「この度、左記のようにライブリー教室の作品展を開くことになりました。(中略)ぜひ、私たちの作品を見ていただきたく、ご案内いたします」

作品展は温かいエネルギーに満ちていました。
絵画、手芸、書道、陶芸、フラワーアレジメント、木工、藍染めなどなど。
通級生たちが1年間かけて体験し作り上げた作品が、一つひとつきれいに飾り付けられていました。
女子中学生が丁寧に案内してくれます。

  

ひととおり見てまわると、談話室で通級生たちが焼いてくれたパウンドケーキを振る舞ってくれました。
ほっこりして、そしてちょっとうるっときてしまいます。

作品展の一画にアロマコラージュ作品が飾られていました。

わたしたちがライブリー教室に伺うようになったのは2015年のことです。
ひよこの家での活動を知ったライブリー教室の先生が、「ぜひうちでも」とお声かけくださったのです。
もともとライブリー教室は、体験活動に力を入れていました。

一般的に、不登校の子どもが必ずしも適応指導教室に通うわけではありません。
見学に来て教室に登録しても、ほとんど通わない子どももいます。
そもそも適応指導教室に登録していない子どももいます。

ライブリー教室では、子どもたちが楽しく通ってこられるようさまざまな工夫をしています。
そのひとつが体験活動です。

夢中になって作品を作ったり、作業をする——こうした楽しい体験が教室に通うモチベーションになり、自信につながっていくことは想像に難くありません。
体験活動なら、対人関係が苦手な子どもも参加しやすいでしょう。

一方で、パーソナルスペースも大切にしています。
午前中は、ついたてで仕切られたブースで、勉強したり読書をしたり思い思いに過ごします。
ブースのなかで勉強を教えてもらうこともできますし、保護者と一緒に過ごしても大丈夫です。
午前中はブースで過ごし、午後はみんなで体験活動。これがライブリー教室の1日です。

ライブリー教室でのアロマコラージュ療法®のワークショップは、静かに穏やかに進んでいきます。
部屋を暗くしての呼吸法・瞑想、フレグランス作り、コラージュ作り、「作品と向き合うためのワーク」。
どれもスムーズに進み、作品完成後のシェアリングでは、子どもたちが上手に作品を披露してくれます。

保護者会として、お母さまたちを対象にしたワークショップも開催させてくださいます。
不登校の子どもをもつお母さま同士、気兼ねなく昼下がりに優雅に作品作り。
子どもたちの作品とはまた違った雰囲気に、先生も「素敵ですね」と感心しきりでした。

たくさんの体験活動のなかにアロマコラージュ療法®を加えてくださっていること、保護者へのケアにも取り入れてくださっていることに対し、感謝の念を抱かずにはいられません。

 

不登校の子どもたちや保護者にアロマコラージュ療法®でリラックス、創作、自己表現、自己表出の機会を。NPO法人として活動を続けます

アロマボランティアは、作新学院大学で心理学やアロマセラピーの教育研究に携わるわたしが、2009年、授業の一環として大学生たちと一緒に始めました。
活動地域が栃木県内であったのはそのためです。

2016年4月、NPO法人を設立し、アロマコラージュ療法®による不登校支援は、大学を拠点とする活動から、NPO法人を拠点とする活動へと徐々にシフトしてきました。

NPO法人設立を機に、新たな活動を始めました。
ひとつはアロマコラージュサロンです。

学校にも適応指導教室にも通っていないお子さんや保護者に外出の機会を提供し、リラックスしたひとときを過ごしていただくサロンを始めました。
また中学校に講師を派遣し、保健室登校の生徒さんにもアロマコラージュ療法®を体験していただいています。
適応指導教室訪問、サロン開催、学校派遣。

こうした不登校支援を、今後は栃木県外でも展開していけたらと思っています。

特定非営利活動法人国際アロマコラージュ療法協会
http://www.aromacollage.com/

《福島明子 さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/aromacollage/?c=129589