スティーブ・ジョブズが選んだ代替医療による治療という選択肢は間違いだったのか?

スティーブ・ジョブズから私たちが学ぶ教訓は、「西洋医学と代替医療をきちんと、それぞれの利点と欠点をわかった上で、相互を補完するように使うことがベスト」ということでしょう。

瞑想だけでなく、実際に気の流れを整える鍼灸をチョイスし、さらに食事療法で栄養分も取り入れていたことを考えると、スティーブ・ジョブズのチョイスは、「代替医療によるがん治療としては、かなり機能的な方法」であり、テクノロジーの分野だけでなく、代替医療の知識も豊富に持っていたことがわかります。

にもかかわらず、最終的には「手術をせざるを得ない状況になり、命を落としてしまう」ことになったのは一体なぜなのでしょうか? 一般的な医療の常識からすると、がんが発見された時点で手術をしていれば、もっと長く生きることができたのに、「スティーブ・ジョブズは代替医療にこだわったために手遅れになった」といえます。

 

【スティーブ・ジョブズの後悔と代替医療の恩恵】

117865069

 

スティーブ・ジョブズの死因となった「膵臓がん」は、進行が早く他の臓器に転移しやすいために「致死率が高いがん」として知られています。しかし、彼のがんは早期発見が出来たために、その時点で手術をしていれば「完治が可能だった」ところを、代替医療だけに頼り、9ヶ月間、身体検査も受けずに過ごしたために、がんが転移することになってしまったのです。

このように表記すると、「代替医療は愚かな行いである」ように感じるかもしれません。実際に、「スティーブ・ジョブズは自分の選択を後悔し、がんが見つかったならば早期治療を受けるべきだ」というメッセージを残しています。

しかしながら、膵臓がんが見つかったのは2003年、手遅れといわれる手術が行われたのはその9ヶ月後。つまり、手遅れといわれながらも彼は「8年間生存」し、その間、世界的な企業である「Apple社のCEO」を続けていました。このような激務に対処でき、8年間にわたって転移を抑えられたのは、手術後には「医学と併用して果実と菜食による栄養補給と、鍼灸や瞑想といった代替医療を続けた」ことによる恩恵があった可能性も充分に考えられるのです。

膵臓がんだったことは有名ですが、実はスティーブ・ジョブズは2009年に「肝臓移植手術」を受けています。これはがんが肝臓に転移してしまったためですが、非常に大がかりな手術であり、「肉体的にも精神的にも大きなダメージをうけるもの」です。しかしながら、彼はこの大手術を乗り越え、その後CEOに復帰、日本への旅行も行うほどの回復を見せたのです。

 

【がんになったその時に、選ぶべき道は?】

143091085

 

このようなことを前提に考えると、スティーブ・ジョブズが寿命を縮めてしまったのは、代替医療に頼ったからではなく、「自分の力と信念を過信しすぎてしまったのが原因」といえるでしょう。iPhoneなどの製品が大きな人気を集めたのは、彼の天才的なセンスによるものですが、そんな、いくつもの世界的ヒット商品を生み出してきた信念を、自分の身体にも適用し、かたくなに手術を拒むことなく、「最初から西洋医学と代替医療を併用するような治療を行っていた」としたら、スティーブ・ジョブズはさらに延命し、もしかしたらがんを克服することすら可能だったかもしれません。

前述したように、がんと闘うためにスティーブ・ジョブズがチョイスした代替医療は非常に理性的なものであり、西洋医学の欠点を補うために鍼灸が用いられたり、食事療法が使われたりしています。肝臓移植手術を乗り越え、なお経営者として活動できた不屈の精神は持ち前のものもあるでしょうが、瞑想や坐禅といった習慣によるものだったことも充分に考えられます。

スティーブ・ジョブズから私たちが学ぶ教訓は、「西洋医学と代替医療をきちんと、それぞれの利点と欠点をわかった上で、相互を補完するように使うことがベスト」ということでしょう。自分の判断力に自信があっただけに、彼は後悔することになってしまいましたが、がんの特効薬が開発されるまでには、まだまだ時間がかかることは確実ですので、もし自分ががんになったならば、「冷静に判断して双方の医療の良い部分を取り入れて、癒やせるように心構えをしておく」ようにしたいものです。

Steve Jobs and alternative medicine.
The relationship between alternative medicine and medicine.

 

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/betar/?c=78809