運命の人との出会いの扉を開こう〜のんちゃんとイケメン神さまのレッスン その2〜

神さまなので全てお見通しのようです。

突然現れた神さまと名乗るその男は、冷蔵庫から“勝手に”缶チューハイを取り出すと、私が手にしている缶チューハイに乾杯するように当てました。

紀子は“勝手に”椅子に座りながら缶チューハイをおいしそうに飲む男の姿を見つめていると、段々と頭の思考が冷静に戻ってくるのを感じ、こう思いました。

(この変質者をなんとかしないといけない……近所中に響き渡る声で叫んでみるのがいいかもしれない……あるいはトイレで110番をすればいいのかしら……)

そんなことを考えていると、「叫ぼうが電話しようが、全部無駄! きみの声は誰にも聞こえないよっ♪」とまるで心の中をすべて見透かすように、深い濃褐色の目で見つめながらその神さまとやらは言いました。

「な、なんで(私の考えていることが)分かるの?」と紀子は顔を引きつらせながら聞くと、「え~、のんちゃんてバカなの?? さっき僕は神さまだって言ったよね? そんなことするのりちゃんを止めることなんて簡単なんだから」と顔をにやつかせ、すご~く小馬鹿にしたような言い方で答えました。

「今、すっごいムカつくって思ったでしょ? のんちゃんのかわいい顔が台無しだよ」とヘラヘラしながらしゃべるこの神さまに向かって枕を思いっきりぶつけると、「帰れ―っ!」と叫びながら、紀子はワンワンと泣き出してしまいました。

「合コン8連敗で心の底から疲れたと思って帰ってきたら、神さまだっていう男が部屋に突然現れて……訳わかんなく混乱するのも当たりまえなのに、こんなにバカにされて……ひどい! ひどすぎる! もぅ~嫌! もう嫌だ! もう何もかもが嫌だ~!」

きっと他の人が聞いていたら、嗚咽しながら大泣きしている紀子が何を言っているのかわからなかったでしょう。

 

でも神さまなので全てお見通しのようです。

「のんちゃんを結婚させてあげるよ。僕は神さまだからね。」

その言葉に驚いた様子で紀子は顔を上げました。

涙でぐっちゃぐちゃの鼻が赤くなった顔は、誰にもお見せできないくらいNGシーンです。

「ただし、僕の教育プログラムをこなすならね!」と言った神さまの深い濃褐色の目は、さっきまでふざけていた感じとは真逆のやさしく洞察に富んだまなざしでした。

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