ミディアム、アデプト、サイキック……。 霊媒、霊能、超能力者……。コレって??
ウディ・アレン監督の最新作映画!

4月11日公開!「マジック・イン・ムーンライト」
ミディアム、アデプト、サイキック……。 霊媒、霊能、超能力者……。コレって??<br> ウディ・アレン監督の最新作映画!

4月11日公開!「マジック・イン・ムーンライト」
〜Rayのスピ的シネマ・れびゅー!

論理的な知識人のセルフイメージをぶっ壊したら、
大切にしていたお宝が見つかる!?

お話しの舞台は1928年、南仏の美しいリゾート地。瞬間移動などの華麗なイリュージョンで名の通った天才マジシャン若く美しいスピリチュアル・パワーを持つ占い師が物語を紡いでいく。

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時代背景でいうと日本は昭和3年で昭和天皇の即位の礼が挙行された年。平成生まれの方には、年号が一つ前でしかも一桁だし、かなり昔と感じるかもしれません。この年は大相撲のラジオ実況放送が始まったり、映画界では LA のディズニースタジオで 短編アニメーション映画 『 プレーン・クレイジー 』がお披露目され、ミッキーマウスとミニーマウスが初登場した 87年前 の時代です。

ガラケーやスマホ、インターネットなどゆったり流れる時間に横入りする無粋なものは存在しません富裕層の別荘や住まいが点在する 穏やかな海を臨む コートダジュールには、仕事とか家事や子育てなどの日常がほとんど介在しない。そこにステージ上で像を瞬間移動させる天才マジシャンと降霊術を行う占い師、非日常のエリアで活動する二人をポトンと置いてみる……。ウディ・アレン監督がこの映画を撮ろう! と思い立った瞬間を味わってみたくなった。

アレンが 設定したのは、非日常。登場人物の資質が前面に出てくることになる。言い換えれば、その人物の内なる葛藤をしっかり描けるということではないだろうか。「こうしたいけどこうできない」 一つの望みに対する複数の考えが心の中で綱引きを起こすからドラマが面白くなるのです。

相思相愛で盛り上がり結婚式を挙げ、日本を離れた新婚旅行先で、ママに電話したり、ママのお土産買ったりしている夫に驚愕し、成田でグッバイしてしまう成田離婚。例えが若干飛躍していますが、非日常って日常では見えないその人の素顔が見えてくるのでしょう。

天才マジシャンは “ 東洋の魔術師 ” の異名でならす 中国人奇術師 ウェイ・リン・スー を演じているが、実は英国人。ステージ上で人の目を欺いてはいるものの、種もしかけもあり日々イリュージョンを成功させるための練習に力を注ぐガッチガチの現実主義者だからこそ、ペテン師を忌み嫌う。他人を騙しても自分は騙されたくないわけです。

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一方若く美しいスピリチュアル・パワーを持つ占い師 他人は見透かしても自分は見透かされたくない。ステージママと連れ立って行動する、ちょっとワケあり風な様子。

ああ、なんて立派な葛藤。ドラマ作り放題じゃないでしょうか。何故かルンルンしちゃいます。男女ともに各自心の中でしっかり綱引きしているものだから、隠そうとしたり突っ張ったり、必死になったりゲゲっとなったり、キュンとしたり……。脇を固める共演者もドラマを盛り上げます。

恋を盛り上げる要素はもう一つ。マジシャンには婚約者、占い師にはウクレレで愛の歌を捧げる富豪の求婚者の存在が……。「人を裏切ってしまうかもしれないイケナイアタシ!!」っていう感覚って、どうしてこうも人の心を萌えさせるのでしょうふふふ、これもまた、綱引きなのです。

ミディアム、アデプト、サイキック……。
霊媒、霊能、超能力者……。コレって??

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本作品で、私はもしかしたら字幕翻訳した石田泰子さんに一番注目したかもしれない。若く美しいスピリチュアル・パワーを持つ占い師を対象に様々な表現がされていた。ミディアム、アデプト、サイキック、ギフト……。英語で表現されるワードを、霊媒、霊能者、超能力者と、翻訳されていた。

「 映画の字幕って、文字数が限られているからニュアンスや状況を短い言葉の中で表現しなきゃならないんです。 」と以前字幕翻訳の第一人者、戸田奈津子さんにインタビューしてお話したときのことが思い出される。ああ、できることなら石田さんにお尋ねしたい。これらのワードを翻訳するときの基準みたいなものって何だったのでしょうかぁ。サイキックは超能力なんだろうけど、ミディアムとかきっと困ったんだろうなぁ……、それとも何か指針があったのだろうか?

日本には亡くなった方と交霊するときに媒介となる “ いたこ ”という役割を担う方がいる。古くは、卑弥呼のように神示を受ける “ 巫女 ” とか。その役割を英語だったら何と訳するのだろう??

さて、「 まやかしなんぞ自分が暴いてやる! 」という勢いのマジシャンだが、粗探しをするため 降霊会 に立ち合うと、霊媒師役 の占い師が呼びかけた声に応えるようにロウソクが宙を舞うという現象を目の当たりにする。さらに、彼女の霊視術によってあろうことか 中国人奇術師 ウェイ・リン・スー であることを言い当てられてしまった……。相手のネタばらしをするはずが、自分の秘密が暴かれてしまい、彼女から目が離せなくなってしまう。

jon_chirashi サプライズな驚きや、新鮮な視点からの言葉……。恋のお約束が散りばめられています。ウイット に飛んだ セリフが、コートダジュールや プロヴァンス の豊かな自然とリッチな設定に溶け込む アレンマジック が展開する二人の恋の行方を見守りながら楽しめる作品です。 「え?そこ!?」と言われちゃうかもしれませんが、私的にはミディアムという英語を日本語で表現するって難しいなぁ〜という印象を強くもった作品でした。

Ray

 

■コピーライト
Photo: Jack English © 2014 Gravier Productions, Inc.
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■監督&脚本:
ウディ・アレン 『ブルージャスミン』『ローマでアモーレ』『ミッドナイト・イン・パリ』
■出演:
コリン・ファース 『裏切りのサーカス』『英国王のスピーチ』『シングルマン』
エマ・ストーン 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
『アメイジング・スパイダーマン』『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』
マーシャ・ゲイ・ハーデン 『ミスティック・リバー』『ポロック 2人だけのアトリエ』
■提供:KADOKAWA、ロングライド
■配給:ロングライド
【2014年/アメリカ=イギリス/98分】
■公開表記
4月11日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、Bunkamura ル・シネマ他、
全国公開

■公式サイト
magicinmoonlight.jp

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