『ネガティブな過去を描き替え欲しい未来を描く、あなたが創る運命の絵』〈Part1〉

透き通る程に澄んだ、森の奥にひっそり眠る湖を描こうとしている時、あなたの手元にある絵の具が、レッドやイエロー、オレンジのみであれば、どうやって限りなく透明に近いブルーを描けばいいのでしょう?

《運命とは》

運命は決まっていると思いますか?
明日のあなた、1か月後のあなた、1年後・10年後・20年後のあなたが、もし、全て決まっているとしたなら、なぜ私達は「こうありたい!」と願いつつ、一生懸命もがきながら生きているのでしょう?

もし、決められた運命が変えられないものだと分っていたなら、必要なのは、それを潔く受け入れる勇気だけ。
あとは、決められた流れに乗って、ユラユラと優雅に漂っていればいいだけです。

 

《刻々と変化する日常の中で》

でも、私達は気付いています。
運命が固定的ではなく、流動的であると言うことを。
『アガスティアの葉』に書かれているかも知れない、あなたの運命とは、何もせず、どこにも出掛けず、誰とも関わらず、じっとただ息をし、流れを動かすことなく過ごした時のみ導かれる結果。

私達は、幸か不幸か? 様々な出会いに満ち溢れ、世界中どこでも移動可能であり、どんなチャレンジさえも、自分の決意次第で可能な今を生きています。
世界の果ての人とまで、簡単にネットで繋がれる今。
あらゆる映像が、まるで目の前で起こっているかの如く可視化される今。
例え家の中から一歩も出ずとも、私達は情報の洪水の中をさ迷い続けます。

無限の自由と究極の選択を、日々迫られながら生きている私たちの人生に、固定的に決められた運命など存在するでしょうか? 良くも悪くも、それはほぼ不可能です。
私たちの運命は、授けられたものをベースに刻々と書き換えられ、創っては壊し、壊してはまた新たな物を創り上げるという作業を、連綿と繰り返しています。

 

《イメージをキャンバスへ》

では、最初にあなたに授けられた運命とは何でしょう? それは、どの様にでも加筆修正色付け可能なキャンバスのみです。
想像してみてください。
薄っすらと下絵が施されたキャンバスが、あなたの目の前に置かれています。
いくつかの絵の具と、筆が手渡され、「さぁ、あとはご自由に!」と。その絵を、どの様に描き、どんな色を重ねていくか? 全てあなたに委ねられている状況を。

キャンバスの形や大きさは人によって異なるでしょう。
キャンパス地の素材も同じではありません。
もちろん、薄っすらと施された下絵も、一つとして同じものはありません。
渡された絵の具の種類も100人100種。絵筆も細筆から極太筆まで、人それぞれ。

そのキャンバスを前に佇み、あなたは何を思うでしょう?
「すてきな絵! この絵にはこの色が一番ピッタリ!」と、すぐにイメージが湧く人もいるでしょう。
なかなかイメージが湧かない人も当然います。
「まず、下絵を手直ししなければ」と、デッサンをお気に召さない人もいるでしょう。
絵の具・筆に不満を持つ人もいるはずです。
「キャンバスが小さすぎるわ」と。
「絵の具や筆を変えてもらえないかしら?」等々。
あなたが、授けられたキャンバスやツールを前に、ただ受け入れるもよし、思い悩むもよし。
いずれにしても、キャンバスの絵を描き始めなければなりません。
これが人生。

 

《イメージのままに描けないのはなぜ?》

目の前に置かれたキャンバスという運命を、イメージ通りの作品に創り上げられるかどうかは? あなた次第
他の人と比べて、運がいいとか悪いとかを、どうしても感じてしまうとしたならば、授かったキャンパスや手にしたツールと、あなたのイメージが微妙にズレているからです。

例えば、細い筆を与えられているにもかかわらず、大胆な描写にチャレンジしようとすれば困難が生じるのは当然。逆も然り。
極太筆を手にしているのに、繊細な描写にチャレンジしても、思うようにはいきません。
その原理に気付かず、何度も繰り返してしまうと、「私は運が悪いに違いない」とネガティブになります。

透き通る程に澄んだ、森の奥にひっそり眠る湖を描こうとしている時、あなたの手元にある絵の具が、レッドやイエロー、オレンジのみであれば、どうやって限りなく透明に近いブルーを描けばいいのでしょう?
眩い程のオレンジに輝く朝陽を描きたい! とイメージしても、ブルーやグリーンしか手にしていなければ、大変残念なことですが、色鮮やかなオレンジの発色を創り出すことはできず、イメージした通りの朝陽は描けません。

 

《あなたに起因しないトラブルへの対処法》

この様なトラブルは、あなたの自信を失わせる一因となりますが、原因はあなたにないことは明らかです。

あなたのイメージに沿った作品を完成させるには、必要な色や筆が必須です。
でもそれが、手元にないのであれば、イメージを変える勇気も必要です。
今あるツールを最大限活用できる作品創りに。
逆に、どうしてもイメージが変えられないのであれば、どうにかして、イメージに沿ったツールを得られる様に努力が必要です。

その努力とは、あなた一人の力で叶う場合もあるかもしれませんが、誰かとの関係性、居場所との整合性、時期的な問題等、状況を見極めながら丁寧に全体の流れを知っていかなければなりません。
授けられた運命というキャンバスに、様々なツールを駆使しながら、バリエーション豊かな色を用いて、あなたのイメージした作品を、あなたならではの個性を活かしで創り上げていくことが、独自の真の運命を創ることになります。
これこそが人生のダイナミズムです。

 

〈Part2に続く〉