『養生アルカディア 凝りを巡る哲学的考察とセルフケア』vol.9

「炁(き)」と出会う毎日は、アヴァンギャルドに宇宙的。気というミスト(粒子)との出会いについて、様々な視点から「炁(き)」について皆さまへ伝授します!

【炁(き)との出会いは喜びに満ちて】

祝トリニティウェブ、リニューアル! 拍手喝采、パチパチパチ!

めっちゃ、シンプルでカッコイイです!
このクールな画面にふさわしいキレのある記事をこれからも連発していきますので、どうぞ読者の皆様、編集部の皆様、今後ともよろしくお付き合いの程、お願い申し上げます。

さて、今回も臨床歴23年余のアヴァンギャルド鍼灸指圧師ハリィーが渾身の「炁(き)」を込めてお届けしているドキドキ気論の第3講です。

今回はどんな論説が飛び出すことやら!
いよいよ、未知なるドキドキ気論の第3ステージです!

 

【気はミスト】

「天地氤氳、万物化醇」

この中国の古い言葉は、「てんちいんうん、ばんぶつかじゅん」と読みます。

この言葉の意味を直訳すると、「天地宇宙に雲(くも)や霧(きり)や霞(かすみ)のようなミスト(粒子)が漂い、そのミストのようなナニかがもとで万物が生み出された」となります。

それで、このナニかが何なのかが問題なのですが、もちろんこのナニかとは、「火と水と心と無」の意味を含み、カオスとコスモスがロマンスに融合した「炁(き)」を表現していることは論を待ちません。

最新の現代宇宙論においても、宇宙の始まりはいまだに完全に解明されておりません。

しかし、様々な観測機器の発達により、宇宙の始まりは砂粒のような宇宙のタネが、一瞬のうちに数百億年の大きさに膨張するインフレーションという現象が引き金だった、というのが定説です。

そして、この宇宙誕生のインフレーション・イベントの後に宇宙は超高温の状態になり、そこで素粒子が次々に発生するビッグバンが起こったとされます。

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宇宙の誕生は今から138億年前の無の真空のゆらぎに始まり、原初の宇宙エネルギーがインフレーションに解放され、超高温状態をもとに我が宇宙を構成する18種類の素粒子が生まれ、万物が化生した。

この最新の宇宙論における宇宙の始まりの仮説と、冒頭の中国古典における「万物化醇」の理が、フラクタル(相似)に一致します。

以下は、今を遡ること20年以上前、ある伝統鍼灸の研究会にて、カミワザの腕をもつ盲目の鍼医に鍼術の初歩を、てほどきされるハリィー(私)と師匠との会話。

師「違うねぇ~、そこはツボじゃない!ぜんぜん、違う。そんなんじゃあ、ヒトを治せないよ」

私「……(ヤバイ、なんで、患者のモデル役の脈を師匠が触って診ているだけで、俺が探しているツボが間違っているのがわかるんだろう?冷や汗もんだぜ、ヒエーッ、勘弁してよ、だって、オレはまだ鍼医になりたてのホヤホヤだもん、そんな簡単にツボなんかわかりっこないじゃん、でも、……ウンッ、あっ、なんとなくコレかも、おっ、探してるツボはココかな?)……」

師「そう、ソコッ!そこへ鍼を刺して、そうそれでしっかりと鍼穴を閉じて、気を込める!」

私「はいっ!……(なんか妙に身体が熱いな、あっ、でも、なんかイイ感じかも、アレッ?目がかすんできたのかな?ナニか光りのミストみたいなのが、ロウソクの炎のカタチみたいにゆらめいて鍼を打ったツボのうえに立ち上がってきて、漂っているじゃん!鳥肌が立ってきた!俺、頭でもおかしくなったのか?)……」

師「うん、イイねぇー、『炁(き)』が立ち昇ってきたよ!そう、鍼を少しだけ回転させて、うん、もっとゆっくり、慎重に、そう、ヨシッ、そこで鍼を抜いて、すぐに閉じる、どうだね、鍼の世界は奥深いだろう?」

私「はいっ、なんか、ものスゴク微妙で、ものスゴク奥深くて、スゴイです!」

師「スゴイって、まったく、今風の若者の言葉だね、ハハハ、そうだろう、スゴイんだよ(笑)、うん、でも今回は、なかなか良かったよ、今村くん」

気というミスト(粒子)との出会いは、こんなドキドキの瞬間から始まりました。

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【気はインフォメーション】

東洋医学の本場中国。

この中国においてここ50年来、中国伝統医学の担い手である鍼医たちによって経脈における気の研究が行われてきました。

その最新の成果としては、ヒトの経絡内を毎秒10~30センチのスピードで流れる気のパターンには、粒子性と波動性の素粒子のような振る舞いがある、と結論されております。

気というミストと素粒子という粒は、奇しくもその振る舞いを同じくするようです。

自分が我が治療院「鍼灸指圧 光伯堂」を開業したのは今から23年も前です。

これまで通算で2万人以上の多くの患者さんに接してきましたが、その間には多くの不思議な体験もいたしました。

まず、開業してスグの頃に時折、悩まされたのが、突然に襲ってくる原因不明の痛みでした。なにをしたわけでもないのに、腰が痛んだり、背中の一部だけが凝って痛む。

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いったい、この痛みの原因は何だろう?といぶかしげに思っていると、なんと、まったく同じ部位に痛みを発している患者さんがその後に必ず来院されるのです!