『手の内の気づき~⑪真の癒やしとは~健康は心と体と魂の調和』

「健康は心と体と魂の調和」

バイブレーショナル・メディスンの教科書では、

ひとの体はこの肉体という物理的な次元だけでなく、

それとはべつに、エーテル体やアストラル体やメンタル体や

コーザル体と呼ばれるエネルギー体が多次元に

オーバーラップしていると説明している。

この多次元的な身体構造という教えは

現在の医学常識とはかけ離れている。

だが長年、鍼灸指圧師をやってくると、

このバイブレーショナル・メディスンの身体観、

エネルギー解剖図のほうが、より実際的であり、

手の内の感触とシックリする。

バイブレーショナル・メディスンでは

東洋医学の経絡(けいらく)は肉体と

多次元のエネルギー体をつなぐネットワークとされる。

つまり経絡のつまりを取り除き、

経絡の流れを良くすると、

肉体へと多次元のエネルギーがうまく流れだすのだ。

そうして肉体と多次元のエネルギー体が

しっかりと接続されることが、

結果として心身の健康を約束するのだ。

ひとという存在は決して肉体だけではない。

心と体と魂の三位一体の調和した姿こそが、

本当の意味での健康なのだ。

 

「症状は心身からのメッセージ」

例えば畑仕事をしたり、お掃除をして、

普段使っていない筋肉を使う。

すると、決まって翌日か翌々日になって、

あちこちが痛み出す。

これは普段使っていない筋肉を酷使したことが

原因で、筋肉中に大量の乳酸が発生し、

その乳酸が原因で痛むと常識的に

思われているが、実際はそうではなく

乳酸はむしろATPを生み出す新たな原料として

再利用されることがいまではわかっている。

よってこの普段使っていない筋肉を

使ったことによる痛みの原因は、

じつはまだよくわかっていないのだ。

つまり分子レベルではこの使い痛みの

筋肉痛の原因はわからないのだが、

文学的に言えば、この痛みは

体からのメッセージ、伝言と解釈できる。

この文脈で言うと普段使っていない筋肉は、

痛みを介して、久しぶりに使ってくれてありがとう、

と言っているのかもしれない。

あるいは、そんな風にいきなり使うから

痛みが出るんだよ、と諭していると解釈もできる。

いずれにしろ、体は使えば使っただけの

なんらかの結果が出る。

そして体だけでなく私たちは日々、

心も酷使している。

体も心も酷使すれば、

結果として体も心も疲弊し、

メッセージとしての症状が多発する。

現代社会はまことに心身を酷使する。

ゆえに様々な病苦に悩む者が後を絶たない。

いったいどうしてこの心身のメッセージ、

様々な症状を処理すればいいのか?

 

「真の癒やしとは」

筋肉痛のような使い痛みは、

鍼灸指圧の治療で比較的に容易に治せる。

しかし、心の病は、なかなか難しい。

それでも、辛抱強く体を治療していると、

心の状態も次第に好転してくるケースもある。

体と心はつながっているから、

体を気持ちよくしていくと、

心も軽くなることがあるのだ。

だが、体の症状も心の不調も、

それほど単純ではない。

ケースバイケース、百人百様、

ひとりひとりみな違う。

だから治療にはマニュアルがあって、

マニュアルがないのだ。

そうして治療師として長年様々な症状に

携わってくると簡単に治せない患者が

いることがわかってきた。

その治せないことで随分と私も煩悶した。

そうして治せないことで苦しんで見えてきたのが、

ひとの心身の奥底の魂だった。

ひとの心身は仮の器。

体は使えば痛む。

心はその言霊の語源の通りコロコロと

いつも外界に影響されて移ろう。

しかしその変わり続ける心と体の奥底には

永遠の時を生きる魂がずっとその心身を

見守っていることに気がついた。

バイブレーショナル・メディスンでは、

その魂をコーザル体、ハイアーセルフと呼ぶ。

ハイアーセルフは高次の自己と訳される。

自分の中に自分を指導するもうひとりの

自分がいるのだ。

そしてそれは私だけでなくすべてのひとの

なかにいる。

わたしひとりの力で治療するのではなく、

わたしのなかのハイアーセルフ、

高次の自己と共に治療する。

そして患者もまた患者ひとりではなく

患者の中のハイアーセルフと共に治療に参加する。

そんなバイブレーショナルな治療を目指そうと

思った瞬間に、わたしの治せない煩悶は

少し軽くなった。

真の癒しとは、

心と体と魂の三位一体から生まれるのだ。

 

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