『手の内の気づき~⑨もうひとつの情報系~からだを形作る鋳型』

「気は生命エネルギー情報」

25年以上のあいだ鍼灸指圧を生業としている。

その間の臨床において私の手の内には、

数々の臨床実績が積み重なってきた。

東洋医学は気の医学だから、

私が臨床で操作しているのは気だ。

では気とは何か?

これまでの経験を踏まえて私なりに気とは何か

をひとことで表現するならば、

気はエネルギーの性質と情報の性質の

二つの性質を併せ持つ生命エネルギー情報となる。

気のエネルギーの側面として手の内で

捉えられるマテリアルは、

温度感、スピード感、脈動感の

素粒子のような粒子性と波動性の気の質感だ。

そして気の情報の側面としては、

こちらの意識を手の内に加えると、

気の質感が増幅するという点が面白い。

ただそうは言っても気に乗せる意識は

あまり重くてはいけない。

あくまで軽くサラッとした気持ちか、

あるいは無念無想の意識の方が、

うまくこちらの情報が気に乗っていく。

これが私が獲得したリアルな気の実感だ。

 

「もうひとつの情報系」

私が25年の臨床の手の内で捉えたリアルな

気の実感は、ではどんな風に生化学的な実体の

この物理的な身ボディと関わっているのか?

そのことについてバイブレーショナル・メディスンの

テキストでは、気という生命エネルギー情報は、

経絡系という身ボディがまとうネットワーク構造を

通じて身ボディよりも高次のエネルギー場である

エーテル体やアストラル体、メンタル体、コーザル体などの

連絡を仲立ちしていると説明している。

つまり気はこの触れることができる実体の体と、

触れることができないエーテル体以上の体との

連絡をするツールと言える。

通常医学が生理学で教える情報系と言えば、

体内のホルモンや神経伝達物質などの分子によって行われる

内分泌システムだけだ。

植物や昆虫は外分泌システムの情報系として

フェロモンを介した伝達系も持つ。

ヒトの場合はすでにフェロモンを感知する鼻腔内の

ヤコブソン器官がそれほど機能していないとの通説から

そうしたフェロモン系の外分泌システムは

それほど利用していないとされる。

だが、ここで気という生命エネルギー情報を

介した情報伝達システムを認めるならば、

ヒトには内分泌系に加えて

もうひとつの情報系があることになる。

 

「からだを形作る鋳型」

ハロルド・サクストン・バー博士は、

かつてイエール大学の神経生理学教授にありながら、

生命には電磁気の場があり、生命体は物質だけでなく、

その生命場の導きによっても生命力を得ていることを、

様々な実験で立証した。

バー博士の発見で特筆すべきは女性の排卵に同期する

電気的スパークだ。

妊娠年齢の女性が排卵する際には、必ず

バー博士たちが開発した電位計測器にシャープな

電位変化が認められたのだ。

排卵期を知る一般的な方法は月経の中間地点の体温を測ることだが、

この方法にバー博士の検出法を加えれば、

排卵期を知る精度はさらに増すだろう。

バー博士によれば生命体がこの世界で統合性を維持できるのは、

電磁気の鋳型である動電場という生命場が

存在するお蔭だという。

生命場という鋳型の情報系がまず存在し、

その生命場の情報に導かれて、

生化学的な身ボディが形作られているようだ。

手の内の臨床で獲得している気は、

もしかしたら生命場と身ボディを媒介するツールの役目も

果たしているかもしれない。

そして気とはクリーブ・バクスター氏が発見した

プライマリー・パーセプションの世界とも通じるのか?

手の内の気に導かれるうちに、私の身体観は

体外へと飛翔し、エーテル体からコーザル体へ、

そして生命場、プライマリー・パーセプションへと

視界が広がってきた。

私たちの体はまことに多層で複雑だ。

 

《今村 光臣 さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/imamuramitsuomi/?c=88528