皆さん、こんにちは。アヴァンギャルド鍼灸指圧師&養生クリエイターのハリィーこと、今村光臣です。
前回はいま話題のオートファジーにスポットを当てました。
オートファジーの概要がザックリとご理解できましたでしょうか?
オートファジーは細胞内の浄化システムであり、細胞内にまで侵入してきたウイルスや細菌はこのオートファジーによって分解処理されます。
ですから、オートファジーは人体の免疫とも深く関わっています。
免疫という言葉はすでに健康カテゴリーではメガトレンドの様相を呈しています。
書店の医学・健康関連の棚で免疫の文字を見ない日はありません。
免疫力を上げる、はすでに時代のキーワードです。
身体を温めると免疫がアップする。
この食材を食べると免疫力が上がる。
こんな、こうすれば、免疫が上がる、という論理が幅を利かせています。
しかし、この論理では、なにかもの足りません。
では、なぜ身体を温めると免疫がアップし、なぜその食べ物を食べると免疫力が上がるのか?
その分子レベルのメカニズムが知りたくなりますよね? ということで、今回は免疫を上げる分子レベルのキモにズームインします。
「免疫とは病気にかからないこと」
免疫という言葉の語源は「疫病(えきびょう)を免(まぬか)れる」です。
今の時代は、いわゆるワクチン接種による抗体産生によって、昔は命を落としていた微生物性の流行性疾患、伝染病の多くが予防できています。この伝染病を疫病といいます。
ですから、疫病を免れる、の本当の意味は、伝染病を予防できる、といえます。
しかし、今では免疫という用語は、もっと広い意味で「病気にかからないこと」と、このような感じで使われます。
ですから、免疫がある、免疫力がある、はイコール病気にならないこと、病気にかかりにくいこと、すなわち健康であること、の意味です。
さて、ではどうしたら、病気にならないで健康でいられるのでしょうか?
はい、だからこそ、免疫力を上げる、ことが重大な目標になります。
免疫には二つの大きな仕組みがあり、ウイルスや細菌や異物に最初に立ち向かう自然免疫系と、この自然免疫系のあとに機能する獲得免疫系があります。
自然免疫系の代表的な免疫細胞が「食細胞」の代表のマクロファージや、その仲間の樹状細胞、白血球(好中球、好酸球、好塩基球)やNK細胞などです。
獲得免疫系の代表はリンパ球のT細胞とB細胞です。
これら2シフトの免疫系がうまく機能することでヒトの免疫が維持されます。
この2シフトの初期段階の自然免疫系の最前線で働くマクロファージに、実は免疫の真相を知る重大なカギがありました。