カオスからコスモスを引き出す実践的養生法論~其の壱・シャックリを一瞬で止める方法くらい知ってて当たり前?

わたしは生体システムというカオスからたったひとつですが、 シャックリを一発で一瞬で止めるコスモスを発見し、使いこなすことに成功しました。

「シャックリの出る本当の原因は不明」

朝晩は涼しくなり、めっきり秋らしくなってきた今日この頃です。鍼灸指圧師のハリィーこと今村光臣です。
2ヶ月ほどのブランクが空き、少しご無沙汰しておりましたが、新シリーズをひっさげて再起動です。

さて、先日こんなことがありました。子ども達とウチでお風呂に入っていると、小学生のうえの娘が「シャックリが止まらない」と言いました。それで「そんじゃあ、いつものようにトウトがシャックリを一発で止めてやるよ」と言うと、娘いわく「トウトのシャックリ止めは痛いからイヤッ!」と可愛くない返事が(笑)。

それでもなんでも、まあ、いいから、と私が発見したシャックリ止めの秘法をほどこすと、ア~ラ、摩訶不思議、なんとヒクヒクと出ていた娘のシャックリは一瞬にしてピタッと止まりました。

いささか私のシャックリ止めの秘法が痛かったのか、娘はしばらく不機嫌でしたが「なんでシャックリが出ていて気持ち悪いっていうから、止めてやったのに、イイことをして、不機嫌になって怒られたり、お湯をかけられたりするんだよ、もう!」と少しキレ気味に私が娘に言うと、

娘はどこで仕入れてきた知識なのか「でも、トウト、シャックリって本当は何が原因で起こるのか、まだ良くわかっていないんだって」とシャックリネタを振ってきたので「うん、通常医学では横隔膜のケイレンが原因なんて言うけど、ほんと、人間の身体のことは分かんないことだらけってのは、たしかだね」と私は会話をつなげました。

そして、ここぞとばかりに治療師である父のイイところを見せようと「あのね、日本の昔の鍼灸の医書なんかには、シャックリが止まらなくなると死ぬ、なんておっかない事が書いてあるんだよ。それでね、以前にトウトの治療院に来ていた常連さんが、ここ3日ほどシャックリが止まらない、と言って来院した事があって、トウトはその時も一発で一瞬で止めたんだけど、でもね、その患者さんはそれからしばらくして亡くなってしまったの。胃ガンだったって、あとから人づてに聞いたよ。それで、アッ! と気がついたんだよ。古典の医書のシャックリに関する記載はそういうことだったのか、ってね」

「エ~ッ、シャックリが止まらないと死んじゃうの! ふ~ん、不思議。でも、トウトはシャックリを一瞬で止める事ができるから、シャックリが止まらないで死んじゃいそうな人も助けることができるよね? スゴイじゃん、トウト」

「いや、でも、つまりは、止まらないシャックリが出るのは、何か原因がある、ってことだから、その原因を取り除くことができれば、その患者さんを本当の意味で救うことができるけど、ただ現れている現象だけをどうにかしても、それは小手先の対処療法でしかないわけで……」

「なんだか難しいから、トウト、もうそのへんで止めて」と、こんな会話が父と娘のあいだで交わされました。

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「シャックリを止める秘法とはいったいどんなものか?」

シャックリを止める昔からの言い伝えは「うしろからワッと言ってビックリさせる」とか「お湯やお茶をゆっくりと呑む」とか、そんな迷信のたぐいがほとんどです。

少しマジメなものでは横隔膜のケイレンがシャックリの原因という通常医学の常識から引きだしたであろう「背中の肩甲骨の下の辺りを強く押す」「手を組んでもらって、その手を誰かが背中から引っ張る」などがあります。