養生の道はナニゲに楽しく気持ちいい~『サルでもわかるハリィー先生とトリ子さんのアヴァンギャルドな東洋医学講座』第15話

6ヵ月間、『サルでもわかる』シリーズにお付き合いくださいましたトリニティ読者の皆様には多大なる感謝を申し上げます。ありがとうございました! 次回からの新シリーズもどうぞ宜しくお願い申し上げます

『ハリィー先生とトリ子さんのサルでもわかるイントロ談義』

トリ子さん(以下 ト)
「ねぇ、ハリィー先生、なんだか最近は有名人がガンに罹る話題が多いわよね?」

ハリィー先生(以下 ハ)
「うん、そうだね。ハリウッド映画にもよく出演している自分も好きな某有名男優も、このあいだ初期の胃ガンの手術をしたとニュースになっていたね。彼だけにとどまらず、たしかに芸能人のガンの話題は尽きない。もっとも高齢になればガンのリスクは自然に高まるともいえるけど」

「でも、最近はけっこう若くてもガンになる人は増えてる気がするわ。ハリィー先生、そもそもガンという疾患はどんな病気なの?」

「う~ん、そうだね、超ザックリと言えば、昇天できなかった地縛霊みたいな細胞なんて言えるだろうね」

「えっ、地縛霊みたいな細胞? もう、いったい何のこと? このシリーズはわかりやすさを売りにしているのに、かえってそんな喩えだとわかりにくいわよ」

「そうかなぁ。だってガン細胞ってのは本来ならとっくにアポトーシスされて消えてしかるべき細胞なのに、どういうわけか生き残って、それでずっと永遠に生き延びる力まで獲得した細胞だから、この世に未練があって成仏しきれない地縛霊にかなり似てると思うんだけど」

「あっ、そうか! そうなのね。ガン細胞ってアポトーシスし損なった行き遅れの細胞なんだ。ふぅ~ん、やっぱり先生、うまいこと言うわね(笑)」

「まあ地縛霊なんて喩えだと、ちょっとおどろおどろしくてインパクトがあり過ぎるけど、アポトーシス不全細胞くらいの言い方なら、万人受けするかな?」

「うんうん、アポトーシス不全細胞がガン細胞という言い方の方がわたしは好きよ。でも、なぜ、アポトーシスがうまくいかなかったのかしら?」

「トリ子さん、復習になるけど、アポトーシスを誘導するのはどこのどなただっかは覚えてる?」

「アポトーシスを誘導するのは? そうねぇ~、ええと、あっ、そうか、たしかミトコンドリアがアポトーシスを引き起こすんじゃなかったっけ?」

「おっ、よく覚えていたじゃない。そうミトコンドリアが主体になってアポトーシスが誘導されるケースが多いようだね。でもミトコンドリアだけがアポトーシスを誘導するわけではない。アポトーシスは遺伝子が誘導するケースもあるし、免疫細胞が主体になるケースもある。こうした多様なアポトーシス・アプローチにより細胞の品質管理が行われているんだね。その細胞の品質管理に問題が発生した時に、恐らくはアポトーシスが不全になって、その結果がガン細胞の発生ということになるんだろうね」

「そっか、古くなって使い物にならなくなった細胞を壊すアポトーシスという仕組みも、細胞の品質管理の一環だったのね。なんだかここまでのイントロ談義で、かなりお腹いっぱいな感じがしないでもないけど、先生、今回のお題は何かしら?」

「そうだね、サックリと『養生の道はナニゲに楽しく気持ちいい』でいってみます」

「なんでも『サルでもわかる』シリーズも6ヵ月続いたので、今回でおしまいとか。先生との楽しい対談も今回が最後ね。なんだか寂しいわ」

「でも、またいつか再開するかもしれないよ。まあ、とりあえず、今回も楽しくいきましょう!」

「オッケー、それじゃあ、いつもの熱いハリィー節をよろしくね!」

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『養生の道はナニゲに楽しく気持ちいい』

「先生、さっきのガンのはなしの続きなんだけど、ガン細胞がアポトーシス不全細胞ってのは、なんとなく理解できたんだけど、それじゃあ、ガン細胞を壊すというか、癌の治療となった場合には、ガン細胞を再度アポトーシス誘導していけばイイってことなの?」

「おっ、トリ子さん、相変わらずに、センスのいいハナシの流れだね。うん、ガン細胞はアポトーシスされるはずだったのに、しきれなくて残ってしまった細胞ならば、もう一度、アポトーシスをやりなおしてやればガン細胞は消去できる、という論理は間違ってはいないと思うよ。実際にガンの自然治癒の症例は、どうもアポトーシスが再起動された結果と見なせるからね」