ミトコンドリアと乳酸のちょっと味な関係について~『サルでもわかるハリィー先生とトリ子さんのアヴァンギャルドな東洋医学講座』~第14話

自分流に言い直すと『ハリィーにとってはどんな定説も仮説も所詮はヒトの産物だ。ミトコンドリアこそが師であり友である』になりそうだね。

『ハリィー先生とトリコさんのサルでもわかるイントロ談義』

ハリィー先生(以下 ハ)
「5月も半ばを過ぎて、なんだか温かいを通り越して夏みたいに暑い日もあるね」

トリ子さん(以下 ト)
「ほんと、今日も暑かったね。でも暑くなってくると、冷たいモノが美味しく感じるわよ。例えばこの冷たく冷やしたヨーグルトなんか」

「うん、冷たいモノの食べ過ぎは、腸を冷やして腸管マクロファージの活性を低下させて免疫力を下げてしまうから禁物だけど、ヨーグルトなら冷たさもそんなに気にならないし、ミトコンドリアも活性化できるし……」

「えっ、ヨーグルトでミトコンドリアの活性化? なんだか不思議な事をハリィー先生はまたまた言い出しました(笑)」

「イヒヒ、ほらヨーグルトと言えば乳酸菌じゃん?」

「そうね、乳酸菌が牛乳や豆乳の糖分を分解することであのヨーグルトの酸味やトロミができるのよね」

「そう、だから、ヨーグルトは乳酸菌が生みだした食べ物なんだけど、人間の身体のなかでも同じような事が起こっていて、どうもミトコンドリアは細胞内に生じた乳酸という分子を栄養源に活動しているらしい」

「はいっ? ちょっと、待ってよ、先生、なんだかいきなりヨーグルトから細胞生理の分子レベルの話題になってきて、わたしの頭がついていかないわよ。もうちょっと、わたしや読者にもわかりやすいように、ゆっくりと噛み砕いて話を進めてよっ」

「ごめん、ごめん、では本日のお題の『ミトコンドリアと乳酸のちょっと味な関係について』で、ゆっくりとそのへんを語ってみます」

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『ミトコンドリアと乳酸のちょっと味な関係について』

「先生、さっきイントロ談義で言ったなかで、ミトコンドリアが細胞内に生じた乳酸という分子を栄養源にしている、という部分がすごく気になるんだけど、そこを詳しく解説してくれない?」

「オーケー、そこが今回の話のキモになるからね。では、トリ子さんは乳酸という分子については、どの程度、知ってるかな?」

「う~ん、乳酸ねぇ~。なんでも疲労物質とか、なんとかで、短距離走を全力で走ったりしたあとに筋肉が硬くなって痛くなるのは筋肉中に発生した乳酸のせいだ、そんなイメージで捉えてるけど」

「いいじゃない! それがこれまでの乳酸のスタンダードな固定概念なんだよね。でも、もうこの考えは古い、というか、もの凄く古くて、いや、間違い、NGなんだね」

「えっ、なんで、なんで、乳酸と言えば筋肉痛を引き起こす疲労物質で、ソッコーで消し去るべき悪しき害毒分子。この定説が古くて間違いだって言うの?」