『ハリィー先生とトリ子さんのサルでもわかるイントロ談義』
トリ子さん（以下 ト）
「ねぇ、ハリィー先生、なんだかここのところメディアでは、マッサージによる健康被害についての話題が多いんだけど、先生のところは大丈夫なの？」
ハリィー先生（以下 ハ）
「そうだね。うちの患者さんたちも不安にかられて、口々に今その話題について触れるんだけど、どうもここ１０数年で増えた無資格者による健康被害ということらしいよ」
ト「最近になって、大きな看板や派手な広告のディスカウント系のリラクゼーションのお店は、ほんと町中で良く見かけるようになったものね。でもそれとは対照的に昔ながらの『指圧』の看板はもうほとんど見かけないわね」
ハ「うん、浪越徳治郎先生の全盛期に影響されて指圧師になった術者が高齢化して廃業する時期と重なるように、町中から指圧師がいなくなっていったんだね。その間隙を突いて無資格マッサージが雨後の竹の子の如くに一斉に増加したという背景があるね」
ト「でも、有資格者の鍼灸指圧師の法人団体は、これまでこの無資格者の無法営業に対して何か対策を取ってきたの？」
ハ「この無資格者の増大という問題はうちら鍼灸指圧業界にとっても死活問題となる喫緊の課題だったわけで、政治的な動きも随分としてきたんだよ。でも、やっぱり最後の詰めが甘いというか、今のところうまくはいっていないね」
ト「ふ～ん、でもこうした無資格者の無法営業がこれだけ増大しているということは、それだけ需要があるということだから、みんなやっぱり相当のストレスを感じたり、疲れているってことかしら？」
ハ「ストレス社会とも、心身症社会とも現代は言われているから、みんな癒しを求めていることは事実だよね。その癒しが結果として健康被害になるなんてナンセンスなんだけど、基本的な生理学や病理学や解剖学は施術者には必須の知識だから、それすらない者がマッサージをすれば、当然、こうした結果は自明なんだよ。だから受け手の利用者が賢くなって、当面は無資格者を避けて有資格者だけを選別するしかないね」
ト「オッケー！ ハリィー先生はガチンコの有資格者だから安心よね」
ハ「もちろん鍼師、灸師、按摩マッサージ指圧師のすべての国家資格を有する臨床歴２３年以上のベテランだから、安心して当院の治療を楽しんで頂きたく思います」
ト「ところで先生、前回の宿題なんだけど」
ハ「あっ『サルは東洋医学のふるさと』だっけ？ うん、その答えはグルーミングにあり。では、第八話の講義、いってみましょう！」
『レッツ・グルーミング！』
ト「ねぇ、ハリィー先生、よく按摩マッサージ指圧と、ひとくくりで呼ばれるけど、それぞれに何か違いはあるの？」
ハ「ザックリと言うと、按摩は中国系、マッサージはヨーロッパ系、指圧は日本系、みたいにカテゴライズできるね。ようは発祥地ということだけど。でも、一般的には自分たち治療師がこういった手技をおこなう場合は、この３つの手技のすべてが融合したようなその治療師独自のやり方になるね」
ト「なるほどね。でも先生は指圧にこだわっているよね？」
