『ラブ&ピースで痛いの痛いの飛んでけぇ~』
ト「先生、今回は鍼灸指圧が及ぼす鎮痛効果について、オキシトシンを絡めて解説する予定だったわよね?」
ハ「その通り。それでまずは鎮痛つまり痛みがある時に鍼灸指圧をすると、なぜ痛みが軽減されたり、消失したりするのか? に関して、トリ子さんが何かこれまでに仕入れてる情報は?」
ト「うん、その鍼の鎮痛に関してはβエンドルフィンというホルモンが関与しているというハナシはわたしでも聞いたことがあるわ」
ハ「そうだね。これまで鍼灸指圧に関する鎮痛という場合、そのほとんどはβエンドルフィンというホルモンで説明されてきた。でね、このβエンドルフィンというホルモンは1975年にまずは動物のブタの脳から発見されたそうだよ。それから少し経ってヒトを含むほとんどの動物がもつホルモンであることがわかったんだ。でね、一説によればβエンドルフィンというホルモンはモルヒネの100倍の鎮痛作用を持つと言われていてね……」
ト「ヒョエー! ちょ、ちょっと、モルヒネの100倍の鎮痛作用って凄すぎでしょー! あぁ、それで、よくモルヒネ様物質とか、麻酔性ペプチドとか、オピオイドペプチドなんて呼ばれるのね?」
ハ「そう、あとは、気分が高揚してハイになるという意味で、快感ホルモンなんて呼び名でも有名だね。このβエンドルフィンはホルモンであると同時に脳内の神経伝達を担う神経伝達物質でもある。その点はオキシトシンも同じで、オキシトシンもホルモンであると同時に神経伝達物質なんだね。さて、それでこの鎮痛ホルモンであるβエンドルフィンは実はオキシトシンの分泌をスタートに活性化するという仕組みがあって、つまりオキシトシン・システムとβエンドルフィン・システムは密接につながっていて、オキシトシンはβエンドルフィンが鎮痛効果を出すためには不可欠で必須の分子であることが、ついにわかったんだよ!」
ト「なんか、今、いきなりザックリと今回のお題のキモを全部、言いまくったよね(笑)。ようは、こういうことよね、先生。つまり鍼灸指圧は皮膚オキシトシンの合成分泌を促進する優れたオキシトシン医療で、オキシトシンはβエンドルフィンを分泌させる起爆装置・インジェクションの役割を担っているがゆえに、オキシトシン分泌を促進する鍼灸指圧がβエンドルフィン分泌も促進できる、と」
ハ「まさにその通りだね。なぜこんな風に断定的に鍼灸指圧とオキシトシンとβエンドルフィンについての新しい見解がここで言えるかというと、実はオキシトシン拮抗薬を投与して鍼治療をした場合は、βエンドルフィンの鎮痛効果が現れないという実験エビデンスがすでに立証されているからなんだよ」
ト「そうかぁ、やっぱり鍼灸指圧によるβエンドルフィンの鎮痛効果は、オキシトシンあってのものなのね。それじゃあ、オキシトシンはβエンドルフィンの生みの親、お母さん?」
ハ「ほんと、そんな感じだね。オキシトシンには鎮痛効果のみならず、リラックス効果、鎮静効果も顕著でオキシトシンを注射されたラットやウシは、動きがおっとりとしてきて、ウシは反芻を始めたり、ラットではケージの隅っこにジッとして、眠ってしまうものもいるそうだよ」
ト「あ~、それはよ~くわかるわ。アタシも今、先生に指圧してもらって、チョー眠くなってきたもん(笑)」
ハ「だいぶ、さっきの首スジの眼に通じるツボの凝りも柔らかくなったね。どう、頭痛は?」
ト「うん、もう、ほとんど、頭痛は感じないわ! 眼もハッキリしてきて視界良好! なんだか、とっても身体全体が軽くなったみたい。これも、もしかしてオキシトシン・システムが活性化して、その結果、βエンドルフィン・システムが起動したお蔭かしらね?」
ハ「まさに、今、トリ子さんの60兆個の細胞は間違いなくオキシトシン&βエンドルフィン祭りのドンチャン騒ぎだね(笑)。愛と幸福のホルモン・オキシトシン。ラブ&ピースなホルモン・オキシトシンを味方につければ、人類は痛みを緩和し軽減することができるという事が、これでよくわかった?」
ト「うん、うん、頭だけじゃなくて、ライブで身体で実感して、ほんとよくわかったわ! へぇ~、ラブ&ピースなホルモンがオキシトシンかぁ。そんな素敵な言い方があるのね。なんだか草場の蔭でジョン・レノンも先生の講義を聴いていそうよね?」
ハ「ほら、地球上のみんなの細胞がオキシトシンで満たされた世界を想像してごらん♪ なんて歌ってるかもね」
ト「ワオッ、それって、サイコーじゃん! 地球上のみんながオキシトシンでハッピーになったら、戦争も環境汚染もなくなるよね、先生?」
ハ「たぶんね。ミツバチのささやき、でなんとかオキシトシン文明を引き寄せたいね!」
ト「いいわねぇ、超クールよ! やろう、やろう、ミツバチ革命ね!」
ハ「とろける甘さのラブ&ピースなハニー・レボリューションだね。はい、では次回はサルは東洋医学のふるさとの近辺から、ハナシを再開します」
ト「オッケー、そのへんもかなり楽しみ。次回も蜂蜜みたいにスウィートな講義を頼むわよ、ハチィー、ありゃ(笑)、ハリィー先生」
ハ「あいよ、ブンブンブン、ハリィーは飛ぶ(笑)」