『サルでもわかるハリィー先生のアヴァンギャルドな東洋医学講座』第六話.~カワカツでカワイクなる?~

スウェーデンで100人以上の子どもたちを調査した研究によると、マッサージをすることを日課に取り入れた子どもたちは落ち着きが出て、友達や大人とのかかわり方に成熟が見られたそうだよ。

「ちょ、ちょっと、先生、これやっぱり、川勝知事もビックリの凄いニュースじゃない! それじゃあ、アレだよね、ウチの子が通う小学校や幼稚園でも大々的にマッサージの日課を取り入れたら、子どもたちが大人しくなって、ますますカワイクなるってことよね?」

「そりゃあ、間違いないだろうね。まあ、でも、ほら子どもは基本的に気まぐれでさ、簡単に大人の言いなりにはならないのが、またカワイイというか、子供らしいところでさ」

「先生、せっかくマッサージのもたらす教育的効果のハナシを盛り上げようとしてるのに、そんな意味不明の湯冷ましみたいな発言はしないでほしいわ、まったく!」

「だはは、悪い、悪い。うん、それでね、なんでもこのスウェーデンの子どもたちへのマッサージ実験で興味深かったのが、いわゆるクラスにひとりやふたりは必ずいるヤンチャで乱暴者の問題児ね、そういう学級崩壊のトリガー役になるような子供に、むしろもっとも劇的な変化が現れたことだったんだよ。つまりもともと大人しいイイ子ちゃんたちには、それほど目だった変化はなくて、そうした問題児にハッキリとした変化が出たの」

「あ~、でも、それってなんかすごくよくわかるわ。子どもの感情って、親の気分でも随分と変わるもんね。そうか、親子が触れあう機会の多い愛情のある家庭で育つ子は、つまり愛情ホルモンに満たされて情動も安定する。でもそうじゃない家庭では、やはり愛情ホルモンが不足して問題児化してしまう?」

「オキシトシンは別名を愛のホルモンなんて言うから、あながち、それは間違っていないね。でも、生まれてくる家庭環境はある意味、子どもたちには選択の余地はない。でも、もしもそんな親子の触れあいの少ない淋しい家庭に生まれても、学校に来て、みんなでマッサージし合うことで、不足していたオキシトシンが潤沢に分泌されるようになって、それでそんな問題児のようだった子どもたちの情動が安定するのなら、どんなに素晴らしいことかって、つくづく思うね」

「いや、なんか、わたし、涙が出そう。先生、本当にそんな事が実現できたら、学校でのイジメもなくなるんじゃない?」

「うん、けっこう、簡単にイジメも学級崩壊も無くなってしまうかもね。学校に行ったら、まず朝の挨拶の後で、みんながマッサージしあう。そうすることで、みんなでカワイクする運動を実現できたら、どんなに素晴らしいだろうね」

「えっ、カワイクする運動? カワカツが皮活だから、カワイクは『皮育』?」

「そう、脳トレでも腸トレでもない、ハリィーはずっと『皮トレで皮育で皮活のスキンレボリューション』を引き寄せたいと願っていたんだよ」

「先生、マジでもしかして、カワカツでカワイクするブームが来るかもよ」

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「ぜひ、そうしたいものだね。鍼灸指圧は皮膚オキシトシンの合成分泌を促進することで、オキシトシンの幅広い生理作用を後押しできる。そう鍼灸指圧こそがスキンレボリューションを引き寄せる最良の療法なんだよ。オキシトシンの生理作用には、ストレスホルモンのコルチゾールの血中値を下げることでストレスリダクションの作用があることがわかっている。これだけでも、凄いことだよ! つまりオキシトシンを誘導できれば、ストレス解消につながるってことがすでに科学的に客観的に立証されているんだからね。さらにオキシトシンには血圧を低下させる作用や鎮静作用、抗炎症作用、鎮痛作用なんかもあることがわかっている。このオキシトシンの鎮痛作用と鍼灸指圧の鎮痛作用がかなり密接にリンクしているんだけど、次回はそのへんをクローズアップします」

「鍼の鎮痛と言えばβエンドルフィンというのが常識だけど、そこにオキシトシンがどんな風に関与しているのか? いよいよオキシトシンと鍼鎮痛の真実が公開されるのね? 楽しみだわ」

「鍼が鎮痛作用をもたらすことは、だいたい一般化してきているけど、その最前線のエッジ、分子レベルの局面における細かいメカニズムはまだまだ未解明の部分が残る。そのニッチを埋める分子リンクがオキシトシンかもしれないってね。あっ、先走って、すでにネタバレ全開で、キモを言っちゃってるじゃん、俺(笑)」

「先生はいつもそうやって、先走るクセがあるけど、それもまた先生のアヴァンギャルドな魅力だから、許しちゃうわよ。でも、『皮活で皮育する鍼灸指圧』をここで定期的に受けて、わたしも少しはカワイクなってるかしらねぇ、先生?」

「トリ子さんは、いつも、メッチャ、皮イイですよ」

「先生、そこ、可愛い、って書いてよ」

「ダハハ、ちょっと照れくさいじゃん。では、次回!」

 

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