神主のカウンセラーが神社カフェで語る「太古の神社での、占いと癒しの世界」NO.4―占いに含まれる「嘘」

「 ~座は◎◎ です 」というような発信の仕方は、20世紀に入ってから、アメリカの新聞で生まれた。

東京・高田馬場の「占いヒーリングカフェ 神々の森神社」を運営している、神職・カウンセラーの北澤と申します。「近代以前の文化(特に神道文化)が持っていた、心を癒す流れを取り戻し、現代的な心理学やヒーリングと調和させる」ことを目標に、神社・占いカフェ・カウンセリングルームが一体となった施設(神社カフェ)を運営しています。連載で、太古の神社で行われていたと思われる、心を癒す方法と、そこから発想される様々なことについてお書きしていきます。

◆占いの好きな部分と、残念な部分
冒頭の文章にもありましたが、「 神々の森神社 」は、神社でもあり、カウンセリングルームでもありますが、まずは「 占いカフェ 」です。ただし、思い切って書きますが、ここには大きな悩みがあります。現代社会で言う「 占い 」というものについて、とても好きな部分と、残念な部分があるためです。

◆占いの好きな部分
自分が占いというものにあくまでこだわりたい理由は、人間の持つ素晴らしい能力、「 直感 」というものに、ここまで純粋に重きを置いているものは 他にないと思うからです。日本の神話を見てみます。日本神話では、神々は、悩んだ時、あるいは物事がうまくいかないときに、自分の本当の心を占いで把握します。そして、前向きな、神々らしい行動を行うように成長していきます。そういうものとして、日本神話の中 には占いが満ちています。こうした行為で、最も重んじられているのは、直感なんですね。

◆日本の神話の中の「占い」
ここで行われているのは、現代的には占いというより、セルフセラピーとでも言うべきものです。しかし、本当の心( あるいは神の心 )を形に示すという儀式が必ずあります。ここがやはり、決定的にセラピーやカウンセリングではありません。占いです。このように示された象徴を素直に受け取り、直感を働かせる こうしたものとしての占いは、私は本当に好きですし、本当に価値があるものと確信しています。カウンセラーとして言いますと、直感に重きを置く心理技法たとえば フォーカシング・ 絵画療法 ・ ナラティブセラピー等 を最も深化できるものだと思っています。占いは、直感にもとづいて、自分で問うためのもの。自分の本当の心を照らし見るためのものです。そして、他者はそのフォローをするために居るものだと思います。

◆占いの残念な部分
しかし、占いの残念な部分があります。その感覚は、現代の占いに、「嘘」があると感じることから来ています。(強い言い方ですが、あえてこうお書きします)「 〜座は◎◎です 」という形で、「占い」という名前の情報が氾濫しています

占いとは、何か類型に当てはめて、
よくわからない予知やアドバイスをするものだ・・・

こんな占いへのイメージを持つ方が多いのは、メディアに 氾濫する占い を見れば当然と言えます。こうした、「 ~座は◎◎ です 」というような発信の仕方は、20世紀に入ってから、アメリカの新聞で生まれたと言われています。そして、あくまでもこれは、占いの発想のごく一部を、かなりデフォルメ して使っているものです。

◆占いの嘘について
結論から書きますが、「 ~座は◎◎です 」という形の、類型としてのメディア上の占いは、かなりの程度に近い部分がある、言わざるを得ないと思っています。私も今までに、こういったメディアに載る占いを作ったことは何十回もあります。恐らく、偶然マッチする状況で記事を見て、よい教訓になった、参考になった、と思う方もいるでしょうし、全然ズレてる、たかが占いだ、バカバカしい、……と思う方もいるでしょう。

◆マッチしないのは当たり前
当たり前ですけど、人の数だけ生きる場面があるのですから、類型で分けて言及したら、その方の状況にマッチする可能性が 低いのは当たり前です。占いとは、理論的にも、本質的にも、類型分けをして、あなたはこうでしょう、と語るようなものではありません( 占い理論に関する細かい説明は、今回は省きます ) 占いの本来の形からいくと、かなり無理をして作っているのがメディア上の占いです。 そして私はそういった記事を、その「 ~座 」の人に、全て当てはまるわけはない、と思いながら、「 ~座のあなたは◎◎ 」と、名指しして言及する形で書いていました。今まで接した、多くの占い記事のライターの方も、同じような気持ちで書いているのかもしれません。…これって、明らかに「嘘」を書いている、という部分があるのではないのでしょうか。

◆占いの嘘は害悪か?
もちろん、こういった占いでは、読んでいる人について超具体的な言及はしないのが普通でしょう。またそれゆえ、その占い記事にあまりに強い期待をする方も、ほぼ いないはずです。だから嘘だとしても、その害は無視できるほどに小さい。エンターテイメントであるそのように考えることもできなくはないでしょう。私も半分は、嘘だとは言っても害悪は小さい、とは考えています。しかし、発した言葉を真剣に取る人が少数派だから、嘘をついてもいいのでしょうか。また、発した内容が抽象的だから、嘘をついてもいいのでしょうか。また、教訓として役立てる人が中には居るからといって、嘘をついて良い理由にはならないと思います。

もしそういう教訓としての面を役に立てたいならば、「 ~座は◎◎です 」などという書き方ではなく、「~という教訓が、これを読んでいるどなたかに役に立つ可能性があるので、とりあえず見てみてください」という書き方が正しいのではないでしょうか。

・・・・・・・・・続きは、また次回にお書きします。・・・・・・・・・

◆とりあえずまとめ
占いとは、自分の心をよく捉え、今という時間の本質と、生き方の方向性含めて「 気づく 」ことであり、私達の原点にあるものだと思っています。そして、こうした感性は、私達の祖先が大事にしていたものであることも間違いありません。「占いヒーリングカフェ 神々の森神社」は、そうした感性を、伝統と現代の知恵をどちらも含めて、取り戻せる場でありたいと思っています。

■占いヒーリングカフェ 神々の森神社■

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