神主のカウンセラーが神社カフェで語る「太古の神社での、占いと癒しの世界」PART1

神々は、占いで自分の心を振り返り、癒す

東京・高田馬場の占いヒーリングカフェ 神々の森神社」を運営している、神職・カウンセラーの北澤と申します。「近代以前の文化(特に神道文化)が持っていた、心を癒す流れを取り戻し、現代的な心理学やヒーリングと調和させる」ことを目標に、神社・占いカフェ・カウンセリングルームが一体となった施設(神社カフェ)を運営しています。連載で、太古の神社で行われていたと思われる、心を癒す方法についてお書きしていきます。

神社と失われた伝統、神々は占いで自分の心を振り返り癒す
まず、私が確信しているのは、太古から近代以前において、「神社は、誰もが神々と繋がり、神々を感じ、癒される場所だった」ということです。「今だってそうじゃないの?」という風におっしゃる方もいらっしゃると思います。とても素晴らしい感性をお持ちですね。はい、私も、境内の森の中に、空気の中に、十分に神々を感じます。癒される場だと感じています。しかし、近代以前からずっと古くまで遡る間、神社という場には、今では失われた伝統が息づいていました。それは、「神々のメッセージを受け取る」ことの、具体的な方法があったということです。

失われた伝統が見られるもの・その豊かさ
「失われた伝統」は、実に様々なところに顔を出しています。それは古い伝承や古記録など、また神話や神道書などの内容などにおいてです。そこには、素晴らしく豊かな、神々が息づく世界があります。そして、現代の心理学やカウンセリング理論の観点から見ても効果的ではないかと思われる、癒しの世界があります。私たちの生活に生かせるところもたくさんあると思います。

古事記を見る
今回は、「古事記」の神々の行いを見てみましょう。神代巻の第三段、文末部分の意訳です。「(世界を不完全に生んでしまった)2柱の神は次のように話しました。『今、我々の生み出した、子である世界は不完全である。より根源となる神に問いを立てて、理由をお教え頂こう』そして問いを決め、占いをし、『我々が世界を生み出す時の思いに問題があり、順番を間違えてしまったのだ』と知りました。」 これは日本の神話の、世界が生み出される場面の話ですが、いくつか注目すべきポイントがあります。私たちが悩んだ時や失敗した時、そのまま参考になる点が多くあります。

神話について
神話とは、最古にして根源にある哲学である」と、哲学者のレヴィ・ストロースは言っています。神話をよく感じることの中に、私たちの心の本来のありようが見えてくるということです。一般的にはあまり言われませんが、日本神話には、大きな特徴が2つあります。

・神々が、試練を乗り越えて成長するということ
・神々が、迷った時に占いをし、より根源の意思を受け、気づき、癒されること

この2つの要素は、世界のほかの神話にほとんど見られないものです。先ほどの神話でも、神々が占いで神の意思を受け、自分の成長に繋げています。

神道と、占いと、心の癒し
このように、神道文化において、「占い」というものが非常に重要であることは間違いありません。今でも、いろいろな神社のお祭りに、粥占や釜鳴占と呼ばれる、様々な占いの神事が残っているのをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。こうしたものの本来の形は、1人1人が神を感じ、心を癒し、気づくための技法でした。占いとは現代では、「未来を予測する」ものだというイメージが強いのですが、神話や神道文化に見られる占いは、明らかに「神々の意思を受け取り、気づくために行う、セルフセラピー」です。そして、今回の神話で見たように、それは「迷った時に、神に問い、己の心を確かめる」という形で行われており、それが日本人の持っている、根本となる心の癒しの方法ではないかと思うのです。

■占いヒーリングカフェ 神々の森神社■

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森と神社のある占いセラピーカフェ・新しい癒しの場所です
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