相撲の神様は男尊女卑? — 土俵の上に女性が上がれない理由は —

こんにちは、よいぼしのなぎうたのkinaです。
先日、尾道市で巡業を行っていた大相撲の土俵の上でくも膜下出血を起こして倒れた市長に救命処置を施したにも関わらず、「女性は土俵から降りて下さい」とアナウンスし、さらに女性が上った土俵に大量に塩をまくという騒動は海外にまで報道されて色々と波紋を拡げています。

動画を見た限り、心臓マッサージを行った看護師さんは意識確認抜きでいきなり心臓マッサージに入っているので、市長は1ヶ月の入院で済んだとはいえ、事態は相当切迫していたんだな……と思ったりしました。

地味に救命講座を受けることが多いkinaとしては、あの女性の方の対応は凄かったと思いますし、必要な時にはああありたいと思っています。
さて、相撲の神様は男尊女卑か? というのが今回のテーマです。

 

相撲の神様は男尊女卑ではない? このキーワードから見えてくる、相撲の神様の本心

「女性は土俵に上がるな」とだけ見たら、「大相撲って何て男尊女卑」と思うかもしれませんが、怒る前に相撲の動作を思い浮かべてみて下さい。
四股を踏む、相手を投げ飛ばす、突く、時には土俵から落ちる……女性単体なら「別に」と思うかもしれませんが、これがもし妊娠中の女性だったらどうでしょうか
その光景を見たほぼ全員が顔を真っ青にしつつ強制的に制止させる、となるのではないでしょうか?

昔は日本に限ったことではありませんが、妊婦の出生率は医学の問題も有りますが低い状態でした。
妊婦の出産率が向上したのは、日本でも戦後の高度成長期以降のお話ですよね。
大昔、女性と子どものことを考えて、相撲の神様的な存在の方が「(妊娠に気づかない女性もいるし、そんな人に何かあったら大変だから)女性は土俵に上がるな」とするのも、出生率の低さという観点から考えたら、男尊女卑よりもむしろ「女性の安全に配慮した決まりごと」とも言えるかと思います。

 

女性も土俵に上がれます!? 故九重親方の地元から見る、土俵に上がる女性達と熱き戦い

「女性は土俵に上がるな」というご意見を真っ向から吹っ飛ばすイベントが、北海道の道南にある福島町で開催されます。
福島町は桜で有名な松前町の隣りにある町で、ここは千代の山・千代の富士という二人の大横綱を生んだ町としても有名ですし、夏には大相撲の九重部屋が稽古に来ています。
その横綱にちなんで、福島町で母の日に行われる恒例のイベントが「女だけの相撲大会」
もちろん土俵の上で行われてますし、力士(?)の方には四股名もあります。
ついでに女性はもちろん裸ではなくてTシャツ短パンにまわしをつけて、女性達が相撲を取ります。
連覇した女性の方もいらっしゃいます。
優勝には豪華賞品(3万円でしたっけ)があって、結構白熱した戦いが展開され、必ずTVのローカル版でも取材が入ります。
なお、このイベントで日本相撲協会から「女性を土俵に上げるな」というクレームが来たという話を、割とそこに近いところに住んでいたkinaも聞いたことがないことも付記いたします^_^;

色々書きましたが、日本の神様は「ケガレ」を嫌います。
ケガレとは色々有り、実は生理中の女性も含まれますが、最大のケガレは「死穢」、つまり人の死です。
相撲は神様に見せるものでもあり、土俵は神がおわす神聖なものであるからこそ、ケガレを運ぶ可能性がある女性を上げないという気持ちはわかるのですが……土俵の上で人が死んでしまったら、それこそ一番土俵を汚すことになってしまいます。

尾道市長に救命処置を施した女性は人の命を救ったという意味ではもちろんですが、神様の世界から見てもケガレではなく、むしろ土俵を最大のケガレから守った功労者となりうるのではないでしょうか。
「何故女性が土俵の上に上がれないのか?」という理由を調べて、もっと柔軟な対応が出来る大相撲であってほしいと思います。

 

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