「病は気から」という言葉があるように、心の状態が身体に影響を及ぼす例を多く見てきました。
多くは、会社を辞めた途端、内臓が疲弊していた方がとても健康的な内蔵になったり、家庭のストレスから解き放たれたら、脳血管障害のリスクから遠ざかれたというように、マイナス環境から脱した後に健康になる事が多いです。
ですが、その逆もあります。
それは、自分が信じて、結果も出ていると感じている健康法を続けていたのに、実は身体は気がつかないうちにボロボロになった……という例です。
自分は健康だと思っていたのに……
私が見た例は、とても信頼している人や思想が大好きな人の勧める健康法を行った方々です。
その方々は、自分自身でも「健康になった感」があり、健康になっていることを信じて疑わなかったそうです。
ですが、私が身体の状態をよく観察すると、身体の中はボロボロ……。
それを伝えても最初は「え？ そんな訳ない 健康なハズです 実際に以前よりずっと身体の状態が良いんですよ」と、とりあってもらえず、まさに洗脳されているような状態でした。
人間の脳は簡単に騙される
そんな状態の人の中には、自分の身体に合わない物を摂るとすぐに拒絶反応が起きるような、類稀なる敏感体質な人もみえたのですが、そんな方でも身体からのメッセージを受け取れずにいることに私はとてもビックリし、いかに脳の情報がアテにならないかということを感じました。
VR体験をされた事がある方は実感していると思いますが、人間の脳は簡単に騙せます。
私が始めてVR体験をした時は『脳ってこんなに簡単に騙されるんだ!?』と、自分の脳の不確かさに大変驚きました。
自身の思考だからと言って、それが脳の情報なら全て正しいと思ってしまうととても危険な場合があります。
ましてやそれが他人の思考であるなら尚更注意しなくてはなりません。
ご紹介したような状態になる方の性格的な特徴として、真面目で他人に迷惑をかける行為をしないように日々気を配っているような方が多いです。
このような性格の方は誠実であるため、自分との約束を守ろうとする傾向が強いので、１度決めた事から意識が外れにくいという特徴があります。
それが自分にとって良い影響をもたらすことなら良いですが、そうでない場合、自分自身や信じた物や人への傾倒が強くなり、自身を客観的に見れなくなったり、周りの意見に耳を貸さなくなる傾向があるので要注意です。
洗脳はなにも、宗教団体への入信やカルト集団への傾倒だけとは限りません。
特定の人物の考え方や健康法にこだわり、「自分は正しい事をやっている」と信じて疑わない状態も、洗脳されているのと同じだと思います。
健康法はどれだけ理論が正しくとも、机の上の理論と身体の中で起こることがイコールではありません。
何か健康法を実行しているなら、自分の行っている健康法が自分の身体に合っているかどうかを確かめながら行うことが重要です。
それには、鍼灸、整体やマッサージなど、実際に身体を触っている方でそれなりの経験のある方や、レントゲン以外で身体の中を見るツールなどを使って、体に詳しい専門家に客観的に身体をみてもらいながら行いましょう。
頭で「良い」と思っていても、そうでない場合に身体は正直に結果を表してくれます。
脳は騙せるけど、身体は騙せないのです。
