低血糖のこと * For オプティマムヘルス
〜ダイエットで崩してしまいがちな恒常性

身体は急激な変化に弱いため、今まで沢山摂っていた糖の摂取が減ると、通常より糖度が高いにも関わらず、各個人の身体の中では低血糖のような状態になります。

こんにちは! Kimiです。
先日、こんなメールを頂きました。

『機会があれば、「低血糖」について取り上げてくださると嬉しいです♪
最近思いだしたのですが、わたし低血糖で、それも十数年来ってくらい。
母方の祖父は糖尿病で、母も糖分大好きなので、家系や遺伝的なものもあるのかもしれませんけど……。

低血糖は、以前ダイエットのためにスムージーやジュースを使っていたときにひどくなったようです。
5年ほど前ですね。
それから定期的に糖分が多いもの、GI値が高いものばかり食べる時期がやってきて、体調が悪化する→原因に気づいて糖分を抑える→また戻る→調整するの繰り返し……。

大学生のときが一番食生活がひどくて、お菓子だけ、パンばかり、食パンと安い肉ばかり、という食事をしていて、この時期から低血糖だったようです。
思い返すと、ヒステリーをよく起こしていたし、メンタル的に不安定でした。
半年ほど前にも、はちみつをよく食べていて、膵臓を弱らせたようです(カイロプラクターに言われました)

その後、低血糖の時間を長くしないように朝食を摂るようにしてからは食後に眠くならない楽な日も増えましたが、食べる頻度をあげることが負担なときも多いです……。

低血糖・低血圧・低体温のセットなのかな〜とも思います。
もし記事のテーマにあげていただけるのであれば嬉しいです!』

 

人間は生きて行くために”恒常性(ホメオスタシス)”が常に働いています。

恒常性とは、生物体に外部環境の変化があっても、体温 ・ 血糖値 ・血圧などの生理的状態を一定に保とうとすることとその仕組みを言います。
暑くても寒くても、体内の体温が約36度前後に保たれているのは、このホメオスタシスが働いているためです。

この恒常性、動物では主に自律神経やホルモンによって行われています。
頂いたメールの内容から察するに、ダイエット時に極端に食事の変化が起き、身体はそれについて行けず、ホルモン等の内分泌系の働きが低下し、自律神経で血糖・血圧・体温を上手にコントロールすることが出来なくなったのではないかな? と思います。

内分泌系が低下すれば当然消化も悪くなるので、血糖値の不安定と同時に、胃腸の不調や未消化物による腸内環境の不安定も引き起こしていたと推測できます。

ダイエットによるネガティブな症状は様々ですが、自分自身の弱いところに出る場合が多いです。
メールを下さった方の場合、遺伝的な膵臓の弱さがあり、血糖値の不安定という形で現れたのだと思います。

 

”糖”は人間にとって最も重要な栄養素のひとつです。

ですから人間の体は、血中の糖分濃度の調節に、わざわざひとつの臓器(膵臓)を備えて万全を期しています。
血糖値が上昇すると、脳はそれを感知し、すぐさま膵臓に「インスリンを出して血糖値を下げて!」と指示します。
指示を受けた膵臓は、直ちにインスリンを出し血糖値を下げます。

ですがこの作業の頻度が多くなればなるほど、脳や膵臓は早く疲弊し、機能が低下してしまうのです。
ですので、遺伝的に膵臓の弱さがある方ほど体内の恒常性を維持すべく気を配らなければなりません。
それは食事だけでなく、体になるべく外的変化を与えないよう、温度や環境やメンタル面に気を配ったりといった事も含まれます。

メールの中に『体調が悪化する→原因に気づいて糖分を抑える→また戻る→調整するの繰り返し』とありました。
実はこの行為がより状態を悪化させていた可能性もあります。

身体は急激な変化に弱いため、今まで沢山摂っていた糖の摂取が減ると、通常より糖度が高いにも関わらず、各個人の身体の中では低血糖のような状態になります。
ですので、糖依存と気がついて糖を止める時は急に止めず、ほんの少しずつ糖の量を減らして行く事で身体の負担を抑えられます。

メールを下さった方の場合はダイエットでしたが、どなたにも何かのキッカケで恒常性を崩す事は良くあることと思います。
ですが、恒常性を取り戻す力には個人差があり、一度崩れると中々元に戻らないという体質の方も多くいらっしゃいます。
そのような方に、私は恒常性を整えるハーブをおすすめすることもあります。
一時的に自然の叡智を借りて恒常性を取り戻し、いずれは自分の身体で恒常性をコントロール出来るように持って行くのです。

 

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