脳に栄養を与えて元気にさせてくれるケトン体って知っていますか?

「ケトン体は食事制限によって生産することが可能」です。ある程度の断食をすると、栄養を取っていないはずなのに、「頭脳が明晰になり精神が研ぎ澄まされる」というのも、ケトン体が関係している可能性が高いのです。
脳に栄養を与えて元気にさせてくれるケトン体って知っていますか?

【脳にエネルギーを供給するブドウ糖】

私たちの脳に栄養を与えるものといえば、「ブドウ糖」が一般的。頭が疲れた時や、頭脳労働をした後に、「甘い物を食べたくなる」のは、このブドウ糖を補給するためだという説が有力でした。しかしながら、最近ではこの定説に疑問が提示されるようになってきたのです。

 

【もうひとつのエネルギー源であるケトン体】

今までは脳に栄養を補給できるのはブドウ糖だけだといわれてきましたが、最近では「ケトン体」と呼ばれるものも、同じように「脳に栄養を供給できる」ことがわかってきたのです。これは「アセトン」「アセト酢酸」「β-ヒドロキシ酪酸」という3つの物質の総称です。これらの物質は「肝臓が脂肪を分解する」ことで作り出されるものです。水溶性であるために、脂肪由来の成分は通る事の出来ない脳の関門を通過して、ブドウ糖と同じように脳に栄養を補給することができるのです。肝臓で作られるものですが、肝臓では利用できずに、脳の他に、「心臓や腎臓、骨格筋」などにも栄養を補給してくれるのです。

ケトン体は「ブドウ糖が不足することで作り出される」ものです。このように書くと代替品のように思えるかも知れませんが、最近の研究によってブドウ糖よりも遙かに健康にとって有用であり、「脳の機能を高めてくれる可能性もある」ことがわかってきました。Trinity読者の皆様ならば、「白砂糖や精製された小麦粉が身体に悪い」という話は一度はきいたことがあると思います。

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【糖質によって快楽物質が分泌される】

白砂糖は糖質ですが、小麦粉などの炭水化物も糖質に変化します。これらは、前述したようにブドウ糖としても使われるのですが、「糖質を摂取することで、脳のA10神経が刺激され、ドーパミンという脳内物質が分泌される」といわれています。ドーパミンは一種の「快楽物質」ですので、その快楽を得たいがために、栄養補給ではなく糖質を摂取するようになる可能性もあるわけです。一説によると、「ドラッグなどと同等の中毒性がある」ともいわれています。

「でも、糖質がないと脳がエネルギー不足に陥ってしまうのでは?」と思うかも知れません。確かに脳にとってブドウ糖は必要ですが、過剰に糖質を摂取すると体内の血糖値が上昇し、それを抑制するためにインスリンが分泌されることで、最終的に「ブドウ糖が抑制されてしまう」のです。栄養補給のためにとった糖質が反対にブドウ糖をなくしてしまうわけです。こうなってしまうと、脳は当然栄養不足に陥ってしまい、頭が働くなくなり、眠気を催したり、ぼーっとしたりすることになります。昼食後に栄養をとったはずなのに、「頭が働かない、むしろ眠い」という時は体内でこのようなことが起こっている可能性が高いわけです。

 

【ダイエットにも有用なケトン体】

一方ケトン体は、体内にブドウ糖が不足した場合に、脂肪を分解することで作り出されます。糖質は中性脂肪を増やしますが、こちらは反対に「脂肪を減らしてくれる」わけですので、この原理をつかった「ケトン体ダイエット」というものもあります。こちらは、かなり厳密な炭水化物、すなわち糖質制限をすることで、ケトン体を生産し、それによって脂肪を分解し、なおかつ太りにくい体質にするというものです。

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【ケトン体は脳を活性化する】

このことからもわかるように、「ケトン体は食事制限によって生産することが可能」です。ある程度の断食をすると、栄養を取っていないはずなのに、「頭脳が明晰になり精神が研ぎ澄まされる」というのも、ケトン体が関係している可能性が高いのです。ある実験によると、ケトン体を多く有しているマウスの方が「脳の認知能力が高くなった」ともいわれていますし、最近では「アルツハイマー病の患者にたいして、脳の認知機能を回復させる」ために使えるのではないかという研究も進んでいるそうです。

 

【脳を最大限に使うために12時間断食をしてみよう】

ケトン体ダイエットも断食も、しっかりとした体調管理をしなければ「危険性がある」ことも事実ですので、行う場合は前もってきちんと栄養について学んでから行うことをオススメしますが、なにか「脳を回転させたい場合」は、「12時間程度の断食を行うと効果的」です。

体内のブドウ糖は「12時間程度で枯渇する」といわれていますので、その時間断食をすることで、ケトン体が作り出されて、脳に栄養を補給するとともに、活性化させてくれます。12時間というと長いように思えるかもしれませんが、睡眠時間を加味すると比較的簡単に行うことができますので、実際にケトン体がどのような効果を発揮するのかを体感したい人は、一度試してみて下さい。

Ketone body to supply energy to the brain.
Ketone bodies with various forces.