闇への対処法【5】~親や環境からの制限『陽』 僕を守ってくれていたもの~

制限はそのままでは短所ですが、その陽の部分を使えれば長所同様に役立てる事が出来ます。
親が子供を教育するのは、その子が無事に、良い子に育って欲しいという、愛情から発っしたもので、それは未熟な時期の子には必要なものです。

 

◆ 制限をかける理由

両親から受け継いだ制限、環境により付けられた制限、それにより自分の場が出来上がる。
その情動記憶がデータ化され、自身の反応が自動的に出てしまう。
これからの人生に思いを馳せたりせず本も読まない。今と同じままが楽だわ〜♪ と云う方は
亡くなるまでずっとその反応のままに生きて行きます。

0.2秒で出てしまうのですから、それが変わる事はまず無いでしょう。
子供の時のまま、その延長線上の道を歩んで行きます。
親や環境を自分で選んで生まれて来るのなら、何故わざわざそんな不都合なものを背負い込んでしまうのでしょうか? 制限を外し、そこから抜ける事で自分らしさを見出す修行? それもあります。しかし、それだけではありません。

 

人の性根は変わらない! 西田文郎先生の言葉です。

今の自分を変えたい! 成長したい! と、猛勉強し、様々な挑戦をする事で制限を外して行っても、その根っこの部分は変わらないのですね。それにはちゃんと理由があります。
外すというのは、無くすのではなく、それに振り回されなくなる事。

自分をコントロール出来る様になれば、その制限を活かして行く事も可能なのです。
てか、必要だからこそ受け取ったのであり、それを使って自分の仕事をして行く為に、敢えてそれを身に付ける環境を選んだ。それを祝福とも云いますね。
制限はそのままでは短所ですが、その陽の部分を使えれば長所同様に役立てる事が出来ます。
親が子供を教育するのは、その子が無事に、良い子に育って欲しいという、愛情から発っしたもので、それは未熟な時期の子には必要なものです。

僕の場合も、母が厳しかったのは間違い無いのですが、それが暴走を止めて来たのだと思っています。
でないと、基本、限度を知らない人間なので、際限無くどこまでも突っ走ってしまったでしょう。
母から貰った心のブレーキが幼い頃の僕を守ってくれていたんです。
たとえ支配的な親だったとしても、その支配がその子には必要なのです。

そして大人になり、その制限を外す事が本当の親離れになります。
親が子供に制限をかける理由? それは子供を守る為に他なりません。

 

◆ 親や環境からのギフト

僕の育った環境はかなり酷いものでした。喧嘩の強さが一番のアドバンテージとなる町。
時代の影響もありましたが、ヤンキーがイカすファッション。
現在の僕の友人や弟子達は皆成績優秀、地元では一番という方ばかりですので、よく言われたのが、「加藤さんはヤンキーだから」
いやいや、違いますがな! と、ヤンキーってこうなんだよ! と説明すると、
「それはヤ〇ザ、マ〇ィアでしょ!」と、どうやら基準が全く違う様でした。(笑)

高校時代の友人から聞いた職場の話。
60過ぎのおじさま達が、誰が一番喧嘩が強いのどうのと競い合っていると、
それを聞いた僕が「いい大人がレベル低過ぎじゃない?」と言うと、
「君は都会へ出て成功してるからそう言うけど、この町では出世しても、成功しても程度が知れてる。支えになるものが無いんだよ。」

なるほど、納得が行きました。最近、その町の成人式の映像がBuzz Videoで流されてました。
荒れまくり、暴れまくり、市長は告訴をすると話しています。何も変わっていない……
基本、普通の田舎モンの良い人が多いのですが、何が荒れる原因なのか?
最近になってその理由も分かりました。公の場では書けないけど……

そんな町で、それなりに喧嘩の強かった僕は、中学の頃。先輩からグループへのお誘いを受ける事屡々、溜まり場の地下の喫茶店で、よくアイスココアをご馳走になりました。(笑)

タバコやシンナーも勧められましたが、断固として拒否。身体に悪いし、ラリってる姿は何しろかっこ悪い。
自然とそのグループからは遠ざかって行きました。その一番の理由は何か?
怒られるからです。
母も怖かったし、教師も怖い、体罰が当たり前の土地でしたから、世の中で一番怖いのが親と教師でした。
母の実家は曹洞宗のお寺で、お爺ちゃんも叔父も怖い。叔父は特攻隊の生き残りで、出撃後にフィリピン沖合いで銃弾を受け墜落、地元の方々に救助されギリギリで生き残った人ですから、とても厳しい。近所のおじさん達も怖い人だらけ。怒られる恐怖心から、悪い事はやらない子に育ちました。
お世話になった中学の先生からよく言われたのは、「お前はワルに成り切れないくせに云々」
ね! 制限が僕を守ってくれたでしょ?(笑)

因みに僕をグループに誘ってくれた先輩、その10年後には富士の樹海で白骨死体で見つかったそうです。
十数発もの銃弾を受けて。当時の仲間はヤクザになったり、事件を起こして逮捕されてたり……
だから、僕に厳しくしてくれた方々、そんな制限をくれた親や環境、最幸のギフトにとても感謝しています。

 

◆ 闇の活かし方

暴力の制限を外した話は以前書きました。しかし、根強く残っている制限も在ります。
それが僕の心強い武器でもあります。

それは……

僕はお喋りなので記事が長くなりがちで担当者さん泣かせ(笑)
なので今回は2回に分けて書かせて頂きます。

つづく

 

《加藤好洋(かとうよしひろ) さんの記事一覧はコチラ》
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