優しさの行き場所~優しさは難しく考えないで、心の声に導かれて~

時には優しさのつもりが、有難迷惑と思われる事もあるかもしれません。 でも、それも結果論に過ぎないのです。

もちろん駆け引きが悪いということではありませんからね。
人はあらゆるところで駆け引きをするものですし、気がつかないと相手のペースに乗せられてしまう危険性もあります。

ただ、損得勘定で優しさを考えると、内側から優しさが出て来なくなってしまう気がするのです。

たとえば友人の子にプレゼントをあげたという行動は自発的な優しさだと思います。
ただ、それはそこで終了して良いのです。
相手が喜んだかどうか、お礼の有無はどうかとか、そういう問題は相手の問題であって、優しさを与えた人が決める権利ではないのです。

相手に喜ばれて嬉しかったとか、お礼を言われて嬉しかったとか、それは結果論に過ぎないのです。
それを期待というか前提で優しくしたのであれば、それは駆け引きです。

ハンバーグをご馳走したらラーメンの話題で盛り上がられたら、確かに悲しい気持ちになります。
でも、優しさは関係無く、そのハンバーグの美味しさを伝えたかっただけだったら、伝わらなかったのは残念な結果ですが、そうでなければ「なんか、あまり喜ばれなかったな……」程度に解釈すれば良いのです。

とはいえ……。だからといって、本音を言えば、どちらのケースも悲しいですよね。
どんなにキレイごとを言っても腹も立つし、マナーを知らないのかと思いますよね。

ただ私が言いたいのは、自分の感情を否定してでも相手に優しくしなさいということではありません。
大切なのは、優しくしようと思う気持ちであり、実行する行動力だということが言いたいのです。
それは、紛れも無くあなたの内側から出て来た大切な優しさなのです。

生まれ育った文化や時代によって優しさの解釈も違うかもしれないので、何とも言えないのですが、恩をあだで返したり、まったく感謝の気持ちを持っていない人とは出来れば関わりたくないものです。

仮にですよ、自分の周囲にそういう人間しかいなかったとしたら、それは必ずしも周囲が悪いわけでは無くて、その環境に属してしまった自分も問題だったりするのです。

確かに無礼な人やマナー違反な人たちと関わらななければならないこともあるとは思います。
でも、最初から問題アリの人物とわかっていたら、優しくする以前に極力関わらないように意識すると思うのです。

優しさは損得で考え無い方が良いとは言いましたが、自分からわざわざ危険人物の中に飛び込めとは言っていません。
自分の頭と心で考えたり感じたりしながら、距離感を判断すれば良いのです。

自分の見極めが間違えて、良い人だと思ったら実は微妙だったという場合もあると思いますが、それもそれです。
優しくして損したと解釈してしまうともったいないです。
優しくしてあげたいと思った気持ちと行動に意味があるのです。
その後、その人とどういう関係でいたいかはまったくの別問題なのです。

 

自分を責める結果で終わらせないで

「あの人に優しくして損した」
「あの人に利用されただけだった」
「あの人に感謝されなかった」
「私は人を見る目が無いんだ」
「私は感謝されない人間なんだ」
「私は優しくしても優しくされない人間なんだ」
「私は所詮、その程度の人間としか関われないダメな人間なんだ」

極端な例ではありますが、時々、本気でこのようなことを悩む方もいらっしゃいます。
優しさに対して、恩をあだで返されたり、感謝されなかったり、つけ上がられたりしたら、この上ない悲しい気持ちになります。
それは誰しも一度や二度は経験したことがあると思います。

だからと言って、それを自己否定につなげることだけは止めて欲しいのです。
世界は優しさで出来ているのです。
世界から優しさが消えてしまったら、世界は一瞬にして滅んでしまうと思います。

そして、優しさに対して不平不満を言っていると自分自身の価値が下がってしまってもったいないことになってしまいます。

そもそも優しさとは、自分を責めたり他人を責めたりするツールでは無いのです。
時には優しさのつもりが、有難迷惑と思われる事もあるかもしれません。
でも、それも結果論に過ぎないのです。
誰かに優しくしよう想いと行動が、時には失敗があったとしても結果的に、プラスの行動に変わるのです。
もちろん、相手が嫌がる善意はしない方が良いですよ。

もし、優しさで自分や他人を責めたくなって自分が抑えられなくなってしまったら、そんな自分を否定せず、ゆっくりと深呼吸をして下さい。
そして、信頼できるカウンセラーやセラピストに相談してみるのも良いかもしれません。
本当は優しさの問題ではなく、別の問題が、ネガティヴな気持ちを引き出してしまっているのかもしれません。

 

感謝しよう!

そして逆に自分が誰かに優しくして貰ったら、それが大なり小なり素直に喜んであげて下さい。
損得では無いと言っても、反応があった方がお互いにとって気持が良いですからね。
そして、感謝の言葉をきちんと伝えてあげて下さいね。
そうすれば、優しさのリンクはどんどんつながって行きますから。

 

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