何のための携帯だ！
携帯電話の時代になってから、便利になった反面、非常に厄介な側面も浮上して来ました。
それは携帯電話を携帯しているということは、いつでもどこでも電話がかかってきたら応答しなければならないと勘違いしている人が水面下で増えて来てしまったことです。
特に年配のオジサマの中には真剣にそんなふうに思っている人もいるらしく、自分が電話をかけて直ぐに出なかったり、数十秒以内に折り返して来なかったら「俺をバカにしているのか！」「そんなに俺と話したくないのか！」「わざと、気がつかなかったフリをしているのだろう！」「何のために携帯電話を携帯してるんだ！」と怒り爆発になる人もいるそうです。
運転中だったり、料理中だったり、お花畑中だったりしたら、直ぐには電話に出られませんし、折り返すことはできません。
電波状況が本当に悪くても、「わざと切っただろう！」と勘違いして怒り出す人がいるようです。携帯電話ユーザーを相手に電話をするなら、もう少し携帯電話のシステムやマナーを勉強してから文句を言って欲しいものですね。こんなことが頻繁に繰り返されていたら電話が怖くなっても仕方ありません。そんなに緊急だったらメールか留守電にメッセージして欲しいですよね。
そもそも電話が楽しいツールなら恐怖と思わないですよね？
上記の例を参考に考えると共通して言えることは電話というものが、便利で役立つツールと言うより、厄介事引き寄せマシーンのような気がして来ます。
ポジティヴな内容の電話が多ければ、電話が鳴るたびに「良いことが起きそうだ！」という気持ちになれるかもしれませんが、現実的に考えると電話と言うモノは事務的な要件だったり、楽しいとは言い難い内容のモノが多いかもしれませんね。
昔から電話って……
少し違う視点から考えてみます。思い返して見ると、電話と言うのは怪談話のツールとして度々登場する気がします。
これは私の想像ですが、人間は予測できないモノに対して恐怖をおぼえます。そう考えると、突然電話が鳴った時点で予期せぬ刺激なので脳が慌ててしまうのではないかとも言えるのかなと思います。
それこそ黒電話の「ジリリリリーン……」という着信音も、何処となく恐怖をそそるモノがありますよね。折角鳴っても音が小さくて聞こえなければ意味が無いので鳴り響く音だとは思うのですが。
プッシュフォン時代の機械的なメロディが鳴るのも、何処か無機質的で恐怖を連想してしまうのかもしれません。
もちろん、最近のスマホ文化ですと、歌や声で呼び出してくれたりもしますが、それでもやはり機械的な不気味さというものは残っている気がします。
突然鳴りだす壊れたレコードプレーヤー……（表現が古いですか？）というと、さっそくホラーな感じがするように、機械から突然音が流れだすというモノに対して、私たちは潜在的に恐怖を感じたりもするのかなと思います。
電話嫌いを治したい！
仮に電話が人間の本能的に何処かで恐怖を引き出すものだとしても、今の時代を生きていくために電話は必須ツールであるのもまた事実です。
もしトラウマが原因であるならば、問題なのは電話では無くトラウマなのでメンタル面でのケアが必要になって来ると思います。
電話に対する間違った価値観の迷惑な人たちがいるのであれば、それは電話では無くて人間関係の問題です。危険性のない人物ならば話し合いで理解を得るのがベストです。そうでなければ、電話ではなく、その人があなたのQOL（人生の質）を下げている可能性があります。関係を再考する必要があるかもしれません。
必ずではありませんが、着信音や音量を変えることで恐怖が軽減する場合もあるので、色々試してみて、自分にとって大丈夫かもしれないと思えるモノをじっくり選ぶことも大切かもしれません。
仕事で電話対応が多くて、その都度本当に怖いとしたら、それは適性の問題でもありますので部署を変えて貰えるように異動の希望を出すか転職するのも良いと思います。
「こんなことで仕事に支障が出るなんて私はダメな人間なんだ……」と自己否定に走ることだけは避けて下さい。人間には向き不向きがあって当然なのです。
電話が怖い理由は人それぞれかもしれません。しかし、これだけでもかなりのヴァリエーションだったと思います。つまり、それほどまでに電話が怖くなる要因と言うモノはあちこちに転がっているという事なのです。電話が怖いと思う人がいたって決して不思議でもなければ異常でもないのです。
どうしても気になるようであれば、信頼できるセラピストやカウンセラーに相談してみてくださいね。
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