それって本当に便利なの!? ~便利さがもたらす弊害とは~

自分にとっては便利でも他、の人にとっては不便かもしれません。ライフスタイルが複雑になってきている現代だからこそ、バランス良く、便利や不便と共存できたら嬉しいです。

しかし、これって当たり前の事なのでしょうか!? そもそも、夜は食事をしたり、お風呂に入ったり、睡眠を取る時間です。もちろん、夜の営業がメインのお店もありますが、ひと昔前ですと人々が寝静まる時間帯にやっているお店は多くありませんでした。だから、夜の仕事は誰もやりたがらないので、プラスアルファでお金が貰えました。

そういえば、ひと昔前ですと年末年始やお正月もあまりお店はやっていなかったように思います。
最近はお正月と言えば初詣! と言うより、初売り! 福袋! と言う方も多いかもしれませんね。
もちろん、私も初売りや福袋は大好きです。しかし、お正月ならではの過ごし方かというと、少しかけ離れているような気もします。

お正月は、一年の始まりをどう過ごすかという抱負を考えたり、家族や親せき、友人と新年の挨拶を交わしたりして、ゆっくり過ごすイメージがあります。まだか、まだかと年賀状が届くのを待ったり、お節料理を食べながらゆっくり過ごしたり。初詣に出掛けて人混みに疲れてしまう事もありそうですが、初売りや福袋の行列や人混みに疲れてしまうなんて事はひと昔前にはあまりありませんでした。

お正月に買い物に没頭するのが悪いと言いたいのではありません。お正月ならではのお得感を味わえますし、新年早々の運試しで福袋を買うのはとても楽しいものです。ただ、その楽しさを支えている人たちはどうなのでしょうか。お正月だというのに、お正月を味わう事なくバタバタと仕事に出かけなければならないのです。

 

その人たちにだって、お正月を一緒に過ごしたい人がいるはずです。もしかすると、お子さんがいるお父さんやお母さんかもしれません。久しぶりに会える親せきや友達と会えるはずだったのに仕事に出かけなければいけなくなった人かもしれません。

正月だけでなく、夜遅くまで営業しているお店で働いている人だって、夜はゆっくり休んだり、家族とテレビを観ながら夕飯を食べたりして、ゆっくり一日の疲れを癒したいと思っているかもしれません。仕事だから仕方ないとも言えますが、もし、自分がその立場だったらと考えると少し複雑な気持ちになりませんか。

私達は便利さを追求するあまり、大切な文化を破壊してしまっているかもしれないと少し切なくなる事もあります。必ずしも古い文化や習慣が正しいとは言いませんが、本来のそういった文化の意味合いを少しも考えず、「資本主義経済だから…」という口実で大切な文化を破壊しないで欲しいなと思う事もあります。

とはいえ、お正月だろうと何だろうと仕事が休めないというのはメリットもあります。口には出しにくい事ですが、本心を言うとお正月は親戚の集まりがあるからイヤだと思っている方も少なからずいると思います。人に誘われて断る口実が欲しいと思う人もいるのです。そういう人にとっては、激務だろうと休日返上だろうと仕事があった方が便利なのです。これがまた皮肉めいてはいますが、真実だったりもします。そう考えると、どちらが正しいのかなんて誰にもわからないかもしれません。

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アナタらしくいて欲しい!

便利さが求められている時代ではありますが、その陰で大変な想いをしている人々もいるのも事実なのです。土日や皆が休んでいる日に休めなかったり、いわゆる「九時五時」ではなく遅い時間に働かなくてはいけなかったりと、働き方も時代と共に変わってきました。

中にはその分、お給料をたくさん貰えたり、皆が働いている日に休んだり出来る職場もあるので、納得してそういう働き方をしている方も大勢いらっしゃると思います。ただ、ここで問題視しているのは「そうせざるを得ない人々」です。

「採用条件は早番と遅番、夜勤の全て出来る人」というような求人しかなかったら、どの条件を妥協するかで頭を抱えなければなりません。「早起きは苦手だし、私は夜行性だから、遅い仕事があるって便利」という人もいるとは思います。でも、「早番、遅番の両方」だと、結局、望みは叶わないのです。

もし、家族と過ごす時間が減ったとして、それを「仕事だから仕方ないでしょ!!」と言い切ってしまったら、家族仲が悪くなるかもしれません。でも、その現実を簡単に変えられないのも事実なのです。だからと言って、全てを仕事のせいにしても、根本的な解決になりませんし、全てが許されるかと言うと残念ながら難しいと思います。

 

よく、「仕事と私、どっちが大事なの!?」なんて言い合い、ドラマや映画の中でありますが、ここで「仕事より君が大事だよ!」と言いつつ、仕事を投げ出してしまう人はいませんよね。
でも、誠意を持って相手に対する思いやりをきちんと伝える事で愛が深まったり、困難を乗り越えられたりするのです。決して、ドラマや映画の中だけの話ではありません。

もし、アナタが便利な世の中を支えるべく大変な想いをしているのでしたら、どうかアナタの心の在り方を大切にして下さい。

私は決して特定の何かは便利で、特定の何かは不便ということが言いたいわけではありません。ただ、便利って何だろうという問いを、アナタに常に問いかけて欲しいのです。自分にとっては便利でも他、の人にとっては不便かもしれません。ライフスタイルが複雑になってきている現代だからこそ、バランス良く、便利や不便と共存できたら嬉しいです。

 

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